スポンサーリンク

猫は家につくという諺は昔の話、その正否を考える

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

猫は家につく?

「猫は家につく」と昔のことわざは述べていますが、
大抵の飼い主はそれは正しくないと答えるでしょう。

ここでは猫が家につくと言われる根拠を調べ、
それが正しいかどうか考察します。

そして、家にはつかず人についた猫たちの実例を通して、
飼い主との絆によって猫は人につくようになることを
ご紹介します。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

猫は家につくということわざは正しいのか考察

「犬は人につき猫は家につく」
これは昔から言われてきたことわざです。

子供の頃自宅では犬も猫も飼っていましたので、
「犬が人につく」のはよくわかっています。

いつも飼い主にまとわりついて、
ベッタリそばにいようとします。

犬は百パーセント飼い主に依存しているように見えて、
それが可愛いと思うところなのかもしれません。

 

では、「猫は家につく」という点についてですが、
当時の経験と現在の状況を踏まえて考えていきます。

犬に比べると猫はクールで、
あまり人に媚びることはありません。

時には甘えてくることもありますが、
素っ気ない態度の時の方が多く、
よく言う“ツンデレ”が多いかもしれません。

一見すると猫は人にはつかないように見えますね。

でも猫にも感情があるのです。
控えめですが飼い主に対する愛情表現もあります。

https://cheer-bonds.com/nekokanjou/
(参照「猫にも感情がある、
それぞれの表現の仕方に気付いてほしい」)

程度の差はあるものの、
猫は人につかないとは言えないのです。

 

では猫と“家”との関係はどうでしょうか?

「家につく」と言われる根拠として、
なわばりである家を守ろうとし、遠くからでも帰ってくる、
という点があげられています。

猫にとって家は自分の“なわばり”であり、
猫はなわばりとその周囲を時々見回りしなければなりません。
住み慣れた家に猫は執着するのです。

さらに猫には帰巣本能と体内磁石があります。

自宅から遠く離れた場所からでも帰ってきたという
驚きの実例を耳にすることがありますね。

これらのことから猫は家につくと言われているのです。

しかし
犬にも帰巣本能と体内磁石はあり、
犬の方が猫よりはるかに優れた成果を見せています。

でも犬は「家につく」とはみなされません。
人につく付き方の方が派手に目立つからでしょうか。

飼い主に対する犬の愛情表現に比べたら、
感情表現が控えめな猫はまるで無反応に見えるかもしれません。
そうでないことは前述の通りですが。

また猫は、犬のように飼い主を追いかけ回したりしません。
スタミナが続かないので家でおとなしくしています。

なわばりである家で待機している様子が
家についていると見なされる要因でしょう。

以上のようなことから
猫が人にはつかず家につくということわざは
かなりの程度正しくないと言わざるを得ません。

猫は家につくか人につくか

 

 

猫は家につくはずだが、家に付かない猫もいる

私事ですが、何年ものペットのいない生活の後、
突然猫を飼うことになりました。

殺処分されるからと依頼されて引き受けた成猫、
シニアらしい穏やかで賢い猫でした。

すぐになついて聞き分けが良い。
それまで思っていた猫のイメージと違って、
犬のような性格で私にくっついています。

そしてこの猫は、

犬のように吠えないので静か、
トイレは最初からきちんと砂かけする、
過度にまとわりつかない、
甘える時寝る時をわきまえている、
エサの時は行儀よく待つ、

年齢ゆえと思いますが、本当に飼うのが楽な猫でした。

犬と違って散歩が要らないのも大きな利点、
それまで自分はイヌ派だと思っていた私は
次第にネコ派に変わっていきました。

 

この猫が病気になった時、
やはり仲間がいた方が良いということになり、
子猫を迎えました。

こちらは手のひらにのるくらいから育てたので、
先住猫よりもっと人になついて人が大好き。

家中どこに行くにも付いて歩き、
常に視界の中にいるようにするのです。

抱っこしてくれと伸び上げあってせがみ、
座ればすぐ膝に乗り、
出かけようとするとしがみついてきます。

甘やかしたせいかもしれませんが、
本当に犬の性格そのもので猫とは思えませんでした。

この2匹の猫たちとの生活から私は、
猫は家につくということわざは正しくないと
思うに至りました。

数年後ボランティア活動を始めていろんな猫たちと出会う中で、
家にはつかず、人についた猫たちが実際にいるのを見て
その思いを強くしました。

 

2つの実例をご紹介します。

◆一匹は猫の家出のページでご紹介した白猫
https://cheer-bonds.com/nekoiede/
(参照「猫が家出した、なぜ?帰ってくる?」)

その白猫は、自宅でほかの猫たちとの相性が悪く、
居心地の悪い状態を我慢していたのです。

たまたま越してきた隣人(私)が声をかけたり、
かまってくれるのでそちらへ行くようになります。

飼い主が本気でこの白猫をかばったり、
愛情を示したりしていれば違っていたかもしれませんが、
白猫にはそう思えなかったらしく、家に帰らなくなりました。

最終的に我が家の一員になった白猫は、
ほかの猫たちを尻目にいつも私について回り、

今まで寂しかった分を取り戻すように甘えています。
まさに人に付く犬と同じです。

 

◆もう一匹は、やはり隣家の方を選んだ猫

その猫はひとり暮らしの高齢のおじいさんに飼われていました。
元野良猫だというシャムのミックス。

おじいさんは適当にエサを置いておくだけの放し飼いで、
それほど愛情を持って世話していたわけではなさそうです。

その隣家は猫好きの奥さんが4,5匹の猫を世話していました。
田舎なので同じく昔ながらに放し飼いです。

奥さんは一匹一匹名前を呼んで可愛がっています。
隣家のシャム猫にもよく声をかけ、おやつをあげたりしました。

シャム猫は頻繁に奥さん宅に出入りし、
滞在時間が長くなり、とうとう帰らなくなりました。

このシャム猫は自分の家と飼い主を見限り、
優しくしてくれる隣家の奥さんを選んだのです。

上記2例の猫は、家にではなく、
人についたとしか言いようがありません。

スポンサーリンク

 

猫が家につくか人につくかは飼い主との関係による

上記で考えた通り、
猫は必ずしも家につくわけではない、
というのは猫飼いの大方の意見だと思います。

飼い猫は大抵飼い主につくものです。
見知らぬ人に近づかず逃げるのは当然のこと、
それが人につかない根拠とはなりません。

ところで、多くのツンデレ猫がそうであるように
家についていると見える場合が多いことは確かです。

そこには猫の性格と飼い主との関係が関わっています。

あまり感情表現しない控えめな猫だったり、
警戒心の強い猫だったりすると、
飼い主との絆が希薄に見える場合があります。

そういう猫はやはり人ではなく家についているように
見えるでしょう。

もし飼い主の方も猫にあまり深い愛情を傾けていないとすると
なおさらです。

猫が家につくということは、人にはつかないということ、
つまり飼い主にもなつかないということだとして、
飼い主にアンケートを取った調査がありました。

4分の3以上の飼い主が愛猫はなつきやすかったと
回答したそうです。

飼い主が愛情を傾ければ猫はそれを感じ取り、
猫の方も飼い主に愛情を持つようになりますよね。

ですので愛されている猫は家ではなく、
飼い主に、つまり人につくことになるのです。

そのような猫と飼い主にとって、
猫は家に付くということわざはとうの昔に意味をなくしています。

タイトルとURLをコピーしました