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“猫の祟り”は本当にあるのか?

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

猫の祟りはあるのか?

猫の祟りって本当にあると思いますか?
昔から信じられてきたことではありますが、
真偽はどうなのでしょうか?

猫の祟りだとして様々な出来事が伝えられていますが、
そもそも祟りとはどのようなものなのか、

祟りとは真逆の、恩返しや招き猫の話はどうなのか、
幾つかの観点から考察しましょう。

最後にその両極端の俗信に関して、
猫を複数飼っている者としての持論をご覧ください。

 

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猫の祟りが本当にあると信じられたのはその神秘性の故

猫の祟りについては昔から信じられてきました。
「猫を殺すと七代祟る」ということわざがあるくらいです。

七代までって相当な年数ですが、
その長さは執念深いということを表しているようです。

そんな魔性の生き物のように思われるのは
猫の外見や行動の特性によるのかもしれません。

猫は夜行性で夜に行動することが多く、
それだけでも怪しい雰囲気が漂いますね。

猫の目は瞳孔で光の量を調整するので、
明るい時は瞳孔が細く、暗い時は大きく開く。

そんな猫の目は、何か深く考えているような、
すべてを見通しているような印象を与えます。

夜の暗闇の中では瞳が大きく見えて魅力的なはずですが、
少しの光が反射して光ると、見ようによっては不気味です。

そして足音も立てずに歩く。
どこからともなく現れ、ゆったりしているかと思えば、
突然走り出してサッと姿を隠す身のこなし。

猫の敏捷な動きは身近な動物の中でも群を抜いています。
なのに猫は単独行動を好む孤高の存在、
なんとなく神秘的な感じがする生き物です。

以上のような猫の特性は
妖怪のキャラクターに適していたのでしょう。

平安の昔から化け猫や猫又の話が作り上げられ、
猫は祟ると言い伝えられるようになったようです。

猫の祟りだと言われている事例はいくつもある

猫の祟りだという話、一度は聞いたことがあるかもしれません。

たとえばこんな事例。

・妻子持ちの男性が前触れもなく自殺。
仕事がうまくいかなかったようだ。

・一家の家長が急に脳卒中で倒れ、そのまま死亡。

・仲の良い家族に見えていたのに、
夫の浮気に始まり家庭崩壊という結末。 等々

お気の毒ですが、よくありそうな話で、
そのような不幸が起きた原因が猫の祟りだと言います。

その人物は猫が嫌いで密かに殺していたり、
ストレスのはけ口として猫を虐待していたと言うのです。

 

数年前、ネット上で広まったこんな話題もありました。

・ある男が野良猫をさらってきて虐待し、
絶命するまでの様子をネット中継した。
この男は数年後に、自宅内の爆発事故で重傷を負った。

このニュースが流れた時、
ネット上では「祟りだ」「天罰が下った」などの声で炎上。

すでにこの男は動物虐待の罪で起訴されており、
居住地やフルネームも公表されるなど社会的制裁は受けていた。

なのに今度はこんな事故で大ケガを負い、
さらにこれがネットに広まり厳しい追加制裁を受けた。

当然の報いと言いたいところですが、
本当に猫の祟りだったかどうかはわかりません。

 

じつは私の近隣でもこんな出来事がありました。

子供のいない夫婦と老親の4人家族、
いつも6、7匹の猫を飼っていました。
4人とも猫が好きなようです。

でも避妊去勢をしていないので度々子猫が産まれる。
その割には猫の数が多くならない。

それは産まれたばかりの子猫を捨てているからでした。
たまに可愛く見える毛色の子猫1匹だけ残し、その他は捨てる。
本当の猫好きとは言えないやり方です。

そんな家族に思わぬ不幸が訪れます。

ある日突然奥さんの方が急逝しました。
前触れもなく心不全とのことで、皆驚きでした。

それから3年後、今度はご主人が突然亡くなります。
同じく心不全とのことで、家族も近隣住民も大変な驚き。

残された老親は大きなショックを隠しきれません。
猫の祟りかもしれない、と思ったそうです。

高血圧など健康面に問題があったのではないかと思いますが、
近隣住民も内心では猫の祟りだと思っていたようです。

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そもそも“祟り”とはどのようなものか

猫の祟りが本当にあるのかないのか考えるに際し、
そもそも“祟り”とはどのようなものか調べておきましょう。

ウィキペディアによると、
祟りとは → 神仏や霊魂などの超自然的存在が
人間に災いを与えること、またその時に働く力そのもの。

つまり神仏や霊魂が、許せない人間に対して怒りのエネルギーを
ぶつけてくるので、それは何らかの災いとなって表れる、ということ。

神仏を怒らせてはいけないと
大抵の人はなんとなく思っています。

なので神社・仏閣・祠などは大切に扱わなければならない
と多くの人は考えていますよね。
神仏の怒りを招くようなことをする人はいないでしょう。

では霊魂に対してはどうでしょうか?

霊魂とは、肉体とは別に精神的実体として存在するとされる概念。
肉体から離れたり、死後も存続することが可能と考えられる、
とあります。

人間にも動物にも霊魂はあるとのことですので、
それに対して人が罪を犯したり非情な行ないをしたりすると、
怒ったその霊魂が祟りをもたらすというわけです。

祟る動物霊としてとくに注意するよう言われている
ベスト3は、狐・猫・蛇 だそうです。
たしかに祟りそうなイメージのある動物ですね。

原因不明の災難、事故、病気、等々
思いもよらぬ事態に直面すると
祟りかもしれないと考える人は結構いるかもしれません。

人間は良きにつけ悪しきにつけ理由付けしたがるものです。

良いことがあると常日頃の行いが良かったから、とか
悪いことが起きると何か悪事を行なった報い、というふうに。

そう考えると
猫を殺したりしたら当然悪い結果を身に招くことになり、
それが猫の祟り、ということになるわけですね。

猫の祟りや恩返しに対する個人的持論

猫は祟る動物のベスト3に入っていますが、
我が家の猫たちを見る限りとてもそうは思えません。

おそらく猫を飼っている人は皆さん同意されると思います。

猫は本当に人間に祟るのか?と問われると、
個人的には「猫は祟らない」と思わざるを得ないのです。

その根拠としては次のような点があげられます。

◆ここで思い出すのは“化け猫”の話。
有名なのは「鍋島騒動」という怪談です。

今や昔話になってしまったようですが、
猫が主君の仇を討つため化け猫となって人を襲うという内容で、
江戸時代の芝居や講談の人気演目でした。

もちろん娯楽のない時代の創作で、
人々の好奇心や恐怖心をかき立てて注目させるエンタメです。

つまり
“化け猫”の話は昔の作り話。
“猫の祟り”も人が作り出したものではないでしょうか?

◆たしかに“猫の祟り”と言われる話は多数ありますが、
人間に殺された猫の数を考えると、
全く数が合わないのではないでしょうか?

捨てられたり虐待で殺されたり、
交通事故でひかれて死んだ猫の数だけでなく、

殺処分場で殺される猫の数を考えると、
数えきれないほどではありませんか?

◆“祟り”とは真逆の“恩返し”という話もあります。

映画で有名な“猫の恩返し”、
これも本当にあると言われていますね。

猫を愛し、大切にしていた人に訪れる幸運。

・重篤だったのに病気が治った、
代わりに猫が死んでいた。

・猫を保護したら、失業していたのに、
仕事が殺到するようになった。

・猫を保護したら、馬券が当たった。
同じく、福引が当たった。

こんな恩返しが本当にあるのなら、
誰もが猫を保護したくなるかもしれません。

◆猫は福を呼ぶ、といういわれも祟りとは真逆の話です。

商売繁盛のための“招き猫”、
どこかでご覧になったことがあるかと思います。

今では置物に限らず、
いろんな形態の猫グッズになっていますよね。

◆あなたの愛犬愛猫が“守護霊”になるという話もあります。

大切に飼われていた猫が亡くなった時、
守護霊となって飼い主を守ってくれるというのです。

 

しかしこれらの話も、
猫を保護した人や飼っている人の数と全く釣り合わないでしょう。

猫を飼っている人すべてに幸運が舞い込むとは思えません。

これまで何匹もの猫を見送り、
現在も複数飼っている立場からすると、
“祟り”にも“恩返し”にも大きな疑問符が付きます。

“猫の祟り”と“猫の恩返し”
この真逆の話からわかるのは

猫は大切にされると恩返しをし虐待されると祟る、
ということ。
どちらの報いを受けるかはその人次第。

小さな命を無情に扱うような生き方をすれば
祟り(天罰)という報いを受け、

小さな命にも優しく接する生き方をすれば
幸運というご褒美の報いを受ける、ということでしょう。

そのようなわけで、
生き物の命をむやみに殺生しない、
生き物を代表する身近な猫を大切にする、

“猫の祟り”と“猫の恩返し”
2つの言い伝えには
こんな道徳観が込められているのではと思うのです。

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