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猫のマダニ、SFTS感染症の発生源とは限らない

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

マダニ感染症とはSFTS感染症

 

猫とマダニに関して、SFTS感染症の発生源かのように
誤解されたことがありましたが、
新たな感染症に対する恐れが誤情報を生むようです。

SFTSウィルスを持つマダニが犯人という真実と、
どのように感染するのか、その症状はどうかなど、
マダニが付いた時の対処法と共に、正確な情報をご覧ください。

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猫とマダニ、SFTS感染症に関する誤解

「野良猫に噛まれた女性がマダニ感染症で死亡!」
数年前このニュースが流れた時、ボランティアの間に衝撃が走りました。

マダニ感染症?

死に至る感染症が猫からうつる?

まるで猫が媒介する恐い感染症のように言われて、
猫に手を出すのは危ないと思ってしまう人もいたようです。

しかしそれは誤解であることが後日判明します。

マダニ感染症とは正式には“SFTS感染症”、
もっと正式な名称は“重症熱性血小板減少症候群”。

なんだか難しい名称の感染症ですが、
SFTSウィルスを持ったマダニに噛まれることで感染する病気。

マダニが媒介する感染症であり、
猫が媒介するものではありません。

むしろ猫はマダ二によって感染した被害者で、
女性と前後して死亡したと思われます。

 

外を散歩する犬もマダニに噛みつかれやすく、
感染した犬の飼い主も感染したとの報告もあります。

SFTSウィルスを持ったマダニに噛まれた犬猫が感染し、
次にそれに気付かない飼い主が感染する。

そのような感染のループは
SFTS感染症に限らず起こり得ることです。

 

少し前の新型コロナが感染拡大した初期の頃、
未知の感染症への恐怖があったからと思いますが、

犬猫もコロナに感染し飼い主にも感染させるという情報が出て、
ペットの犬猫を捨てる人が現れました。

人間の愚かさ身勝手さが表面化した事態でした。

つい先日韓国で、猫の保護施設で鳥インフルエンザに感染した
猫たちが集団で死亡したというニュースがありました。

すぐに防疫措置が行われたようですが、
鳥インフルエンザも致死率の高い感染症、
これも犬猫の飼い主を不安にさせますね。

じつは新型コロナや鳥インフルエンザだけでなく、
動物を介して人に感染する病気はほかにもいくつかあります。

それらにどのように対処すれば良いでしょうか?

動揺して目先のことだけにとらわれるのではなく
最適に対処するためには正しい知識が必要です。

あふれる誤情報に惑わされず、正しい情報を見つけたいものです。

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SFTSはどのように感染する?どんな症状?

SFTS感染症の原因はSFTSウィルスを持ったマダニ。

マダニは家の中のダニとは異なるもので、
野原や農地、庭など、野外のどこにでも生息して、
野生動物などに取り付いて吸血する約3ミリの吸血鬼。

吸血して3倍ほどの大きさになると地面に落ち、
草むらで産卵、脱皮を繰り返す。

マダニは、通りかかった野生動物、犬猫、人に取り付いて
吸血しようと潜んでいますが、
その中のどれかがSFTSウィルスを持っている。

どのマダニがSFTSウィルスを持っているのかを
見分けることはできません。

しかもそのウィルスは種類がいくつかあって、
未確認のマダニ感染症が10種類以上あるそうです。(-.-;)

地球温暖化によってマダニを運ぶ野生動物の生息域が広がり、
それに伴い感染者数が増加しているとのこと。

まれに遭遇する不運とは言えない事態になってきているようです。

 

SFTS感染症の主な感染場所は野外、
大半が農作業中だが、ハイキング等の場合もあり。

最初の感染確認から約10年間で、(2023年5月時点)
30都府県の847人が感染し、3割の人が亡くなった。

人への感染が拡大しているということは
犬猫への感染も増加しているはず。
(感染数の統計は取っていないようですが)

とにかくどこにでもいるマダニ、
屋外の活動では刺されないよう注意することが肝要。

肌を露出しない服装にしたり、
虫除けスプレーを使うなどしましょう。

自分自身はもちろん、
ペットの犬猫もマダニが付かないよう要注意です。

マダニの最盛期は5月から8月、
人もペットも野外に出たい季節ですが十分注意しましょう。

猫とマダニ感染症

 

さて、第一の感染予防はマダニに刺されないことですが、
SFTSウィルスを持ったマダニの体液で感染した事例もあります。

猫を治療していた獣医師と動物看護師がSFTSに感染したのは、
猫が身震いで飛ばした補液と血液に触れたのが原因とのこと。

医療従事者としてマスクや手袋などの対策をしていても
感染することがあるのですから恐いです。

一般人はうっかりマダニに触れないように気をつけましょう。

 

SFTSに感染すると次のような症状が現れます。↓

1~2週間の潜伏期間の後、
多く見られるのは発熱、元気喪失、食欲低下、嘔吐など消化器症状。

頭痛、筋肉痛、意識障害などの神経症状やリンパ節の腫脹、
皮下出血や下血などが見られることもあるそうです。

重症になると約1週間で死亡。
致死率は猫が5~7割、犬と人間が約3割という高さ。

何しろ現時点で有効な治療薬がないのです。
治療は対症療法しかないので、本人の体力次第・・

しかも予防するワクチンもないのですから
本当に自分で気をつけるしかないという現状。

十分すぎるほど念を入れて警戒することにしましょう。

マダニ感染症とは

 

猫が庭でマダニを付けてしまったらどうやって取る?

マダニは動物に取り付くのが得意です。

もしSFTSマダニがペットの犬猫に付いたのに気づかなければ、
ペット同士、ペットから飼い主へと感染が広がるかもしれません。

最初からそれを防ぐには、猫は外に出さない室内飼いが最善。
犬は散歩から帰ったらすぐ体中を調べてマダニがいないか確認。

そして定期的に駆虫薬を付けることがベストです。

駆虫薬は動物病院で購入できる製品が最良。
市販のものは効果が怪しかったり毒性が強すぎたりして
むしろ危険な場合がありますので。

 

また、自宅の庭は安全と油断してはいけません。
マダニはどこにでも生息するのですから。

万一猫が庭に出てマダニを付けてしまったらどうしますか?

すぐに取りたいところですが、あせって引っ張るのは厳禁。

潰してしまうかもしれませんし、
噛み付いている口器が皮膚に残るかもしれません。

自宅にある“酢”または“消毒用アルコール”を試してみましょう。

コットンにたっぷり含ませて、マダ二にすっぽり被せます。
数分間待ってコットンを外すとマダ二も外れます。

顔の皮膚が薄い部分に付くことが多いので、
酢やアルコールが猫の目に入らないよう慎重に。

それでも取れない場合は無理に引っ張るのではなく、
動物病院で処置してもらいましょう。

 

今回はこの季節とくに警戒すべき
マダニによるSFTS感染症についてでした。

自分と家族、そして愛するペットを守るために
正確な情報に基づく適切な行動を意識したいと思います。

 

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