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猫の白血病は治療しても治せない現実が悲しい

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

猫白血病とは

 

猫の白血病は治せない病気で短命。
一般説でわかっていても実際に直面する状況は別物で、
いっそうの悲しみを感じる病気です。

白血病とはどのような病気なのか、どんな治療をするのか、
ボランティアが遭遇した白血病の猫たちとの経験から
ご覧ください。

 

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猫の白血病は悲しい不治の病

“白血病” その言葉自体悲しい響きがあります。
猫の白血病は治すことのできない病気だからです。

その病原は猫白血病ウィルス。
猫同士の接触によって感染するウィルスで、
猫の唾液や鼻水、尿や便などに存在しています。

接触感染と言ってもただ触れただけで感染するわけではなく、
くしゃみで飛んだ鼻水や唾液の中のウィルスが付着したり、

猫同士のグルーミングで付着したり、
食器やトイレを共有することで付着したり、

最も多いのが交尾やケンカで感染すること。
血を流すようなケンカの傷口からウィルスが侵入します。

 

交尾やケンカで感染することが多いということは
未去勢の野良猫オスが最も感染率が高いということになります。

猫白血病は猫エイズと違ってワクチンで予防できるものの、
野良出身の患者はワクチンを打っていないのです。

そして次に多いのが哀れな子猫たち。

成猫は健康であれば自分の免疫力によって、
感染しても半数以上が体内から白血病ウィルスを排出できる。

つまりオス猫によって感染したメス猫はウィルスを
排出できる場合があるのですが、

子猫は胎盤から感染したり、母乳から感染したりし、
体力がないので排出できません。

つまり白血病キャリアの母猫から産まれた子猫は白血病陽性で、
そのほとんどが誕生後まもなく亡くなるわけです。

運良くその時期を生き延びても、
ウィルスを排出できない限り発症します。

そしてほとんどが2、3年以内に亡くなります。
保護主が最大限医療にかけて世話したとしても4、5年の寿命。

白血病の猫たちの命は期限付きであることが不変で、
それは保護主にとって実に辛く悲しい現実です。

 

猫白血病はどんな症状かというと↓

成猫が白血病に感染した時の初期には特段深刻な症状はなく、
発熱、食欲低下、元気消失といった見逃しがちな症状で終わり。

その後免疫力が低下して難治性口内炎になったり、
リンパ腺が腫れたりの症状が現れます。

末期には重度の貧血が進み、リンパ腫ができることもあります。
苦しい状態を治せない現実に胸が張り裂けそうです。

猫の白血病は不治の病

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猫の白血病は治せないのならどんな治療ができる?

ウィルスを流せなかった猫は白血病キャリアとなります。

発症した白血病は治すことができないので、
発症しない期間ができるだけ長いことを祈るしかありません。

では何の治療もしないのかというと、そうではなく
その時々の症状に応じた治療を受けます。

いわゆる対症療法。

たとえば、免疫低下のせいで口内炎や歯肉炎になったり
猫風邪や皮膚炎がうつりやすかったりします。

そうなるとほかの健康な猫よりも治るのに時間がかかりますが、
それに対処する治療をするのです。

よくあるのが治りにくい“難治性口内炎”
長く治療し続ける白血病患者猫は多いようです。

対症療法でよく使われるのは抗生剤とインターフェロン、
場合によってはステロイドや抗がん剤を使うこともあり、
末期で貧血がひどければ輸血する場合もあります。

 

治療の段階ではないうちから、発症を先延ばしできるよう、
極力ストレスのない生活を送ってもらうことは大事です。

気ままにゆったり過ごせるよう室内を整えたり、
食事やトイレに不満を感じないようにしたり、
適度に運動するようキャットタワーを置いてあげたり。

白血病の猫たちは短い期間しか生きられないのだから
たくさんの愛情を注いであげたいと保護主は考えるものです。

もし食欲が落ちたら、とにかく食べてもらうことが大切なので
何でも好きなものを、食べられるものを与えます。

甘えてくる時は好きなだけ甘えさせる。
期限があるゆえに一日一日を大切に意識して生活するのです。

猫白血病は短命

 

白血病の保護猫たちの闘病記録

多頭の現場で複数の猫たちを保護した際の経験です。

人なつこい猫は里親に出すべく避妊去勢の際ウィルス検査を実施。
ところが白血病の猫が多かったのです。

検査陰性の猫は里親に出し、
陽性の猫はその家で飼い続けてもらうことにしました。

子猫たち数匹はどうかと検査するとやはり皆白血病陽性。
保護主はショックが大きかったものの子猫が哀れで手放せず。

白血病ルームを作って子猫たちを隔離し、世話をし続けました。

免疫力を上げるサプリを飲ませて3ケ月後に再検査、
2匹が陰転、2匹はやはり陽性だった。
猫の体力免疫力の個体差かと思われました。

陰転した子猫は里親に出し、白血病陽性の子猫は看取ることに。

やがて2才になった子猫の1匹は発症して亡くなったが、
もう1匹は元気に生きている。

いつ発症するかわからないので、
今を精一杯生きられるようにと願いながら保護主は世話を怠らない。

ある日その白血病ルームに新入りを迎えた。
ほかのボランティアが保護した白血病の猫2匹。

5ケ月くらいの子猫と4才くらいの成猫、
どちらもなつこくて人が大好きな甘えん坊猫。

白血ルームの猫たちは自分が不治の病と知るはずもないが、
なぜか普通の健康な猫たち以上に人なつこくて甘えん坊、

精一杯遊んだり甘えたりする姿がいじらしくて
保護主はたびたび涙を禁じえなかった。

ずっと発症しないでいて!と願っていたものの
とうとう4才のオス猫が発症。食欲がなくなり元気喪失。

病院で点滴、抗生剤・インターフェロンの注射をすると
いくらか持ち直し食欲が戻る。

でもその効果は長続きせず、
何回もやると効き目が薄くなるよう。

歯茎や鼻や唇が白っぽくなって貧血が進んでいる状態。
だるそうに横になっていても落ち着かない様子。

胸水がたまり呼吸が苦しくなってくる。
病院で胸水を抜き、思い切って輸血をしてもらうと
嘘のように良くなり、食欲も出て元気に甘えるようになる。

しかし「それも一時しのぎ」という獣医師の言葉がつらい。

2週間ほどたつとまた苦しくなる状況。
なぜこんなに人なつこくてかわいい子が、と保護主は悔しがる。

しかし、悲しい現実は変えようがない。
一時しのぎの対症療法をしても、
それは猫にとって苦しく辛い時間を延ばすだけ。

保護主は泣く泣く治療を断念した。

そして最後の数日間ずっとその猫に付き添って、
静かに見送った。

猫ボランティアをやっているといつかは経験することになる
つらく悲しい現実です。

 

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