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猫の扁平上皮癌、自壊していく姿に胸が痛む

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

扁平上皮癌

 

猫の扁平上皮癌は自壊していく様子があまりに悲惨で、
飼い主にとって辛すぎる病気です。

癌ができる部位として多いのは顔面ですが、
ここでは指先と口腔内に発生した2匹の事例をご紹介します。

 

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猫の扁平上皮癌とはどんな病気か

扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)は、
上皮細胞の一種である扁平上皮細胞が癌化したもの。

傷がえぐれたようにみえる潰瘍になることも多く、
傷や皮膚炎と勘違いしてしまう場合もよくあります。
我が家の猫がそうでした。

多く発生するのは顔面で、耳先やその周辺、まぶたや鼻の周囲など
毛の薄いところ。また口腔内や指先にできることも多い。

このあと紹介する2匹はまさにこの事例。

扁平上皮癌が発生する原因ははっきりわかっていないため
予防法がなく、治療が難しい病気です。

ただ高齢猫に多いことや太陽光線の影響がありそうとのことなので、
外に出さない室内飼いがやはりおすすめです。

主な治療法は外科的切除で、放射線や抗がん剤療法もある。
しかし成功したかに見えても再発することも多い。

見た目が非常に悲惨で胸が痛くなる病気。

つらい経験でしたが、
扁平上皮癌で逝った2匹の猫の闘病記をご紹介します。

 

扁平上皮癌の猫

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三毛猫の足先にできた小さな傷は扁平上皮癌だった

ミケは高齢の保護猫、食欲旺盛で特別病気もせずに
いつものんびり過ごしていました。

ある日、足の先に小さな傷を発見、
乾いたかと思うと血が滲んだりを繰り返す。
薬を付けてもなかなか治らない。

皮膚の中にバイキンが入ったのか、
ということで切開してみた。

しかしまた同じ状態に戻る。

毎週のように通院し注射と投薬、
本人嫌がるので塗り薬はすきを狙って滴下、

それでも改善しない、少しだけ範囲が広まっているような。

さすがにおかしいということで外注の病理組織検査に出す。

帰ってきた結果は“扁平上皮癌”、
その時初めて聞いた病名でした。

始まった時からすでに1年経過していた。

扁平上皮癌は治らないので
わかった時点で安楽死を勧める獣医師もいるとのこと。

そんなことできるはずがない。

担当獣医師は癌の部分を広めに切除することを提案。
それに従い足先半分を切除手術。

この時肩から下つまり脚一本丸ごと切り落とすかどうか
獣医師は迷ったが、先端部分だけにした。

切除して、癌細胞はなくなったと思った。

でも残っていた。
しばらくするとまたジクジクが始まった。

そして、切除部分から自壊していくようになった。

すでに一年以上経過したので内蔵に転移しているかもしれない。

今から脚を1本肩から切り落としても遅いかも・・

手術に踏み切れず対症療法にする。
足先を消毒塗薬、補液と注射、投薬。

ジクジク自壊していく足先、初めて見る自壊は異様だった。

本人食欲はあり元気、
でも足先が気になり舐めるので、ずっとエリザベスカラーつけっぱなし。

何ヶ月もカラーを付けているので
もはや体の一部のように扱い慣れている。
食器を倒さずに上手にエサを食べ、水を飲む。

顔ではないのでまだ良い方、進行も遅い。
でも自壊していく様は気持ち悪い。

肉が腐っていく、
その匂いは強烈、同じ部屋にいたくないほど。

季節は夏に近づいた。

田舎なのでどこからかハエが飛んでくる。
網戸の隙間から入るのか、人の出入りの時入るのか、
いつの間にかハエが部屋の中にいる。

ハエは腐った肉に付き、卵を生む。
そのことに気づいたのはウジ虫を見つけた時。

ミケがやけに足先を気にして振り回す。
何かが飛ぶ、血漿かと思った。

でもモゾモゾ動く、近寄ってよく見るとウジ虫だった。
思わず悲鳴をあげて飛び退く。

ハエの卵が孵化してウジ虫になったのだ。
ミケの足先を見るとほかにもいた。

痒み痛みの違和感で、
振り回して落とそうとしているのだった。

腐肉にハエがたかるのは当然、
でも包帯してもミケは嫌がって取ってしまう。

ハエが来ないようにするのは難しい環境だ。
猫の多い家で、蚊取りスプレーはできない。
蚊取り線香を焚くのは猫の目と喉に悪い。

時代物のハエ取り紙を思いつき、
ホームセンターで見つけた。

大量に買い込んで家の至る所にぶら下げた。
とくにミケのいる部屋は10本ほど。

毎日見ていると、ハエがチラホラくっついている。
効果はある!

ミケの体調は徐々に落ちて、寝てばかりいる。
痛みが出ているはずとのことだが、まだ食欲はある。

ある時足を振っていると、自壊した塊がポロッと落ちた。
腐った肉の合間から骨らしきものが見える。

足先は少し短くなったように見える。
ニオイは一層強烈になった。

でもまだ大丈夫と思っていたが、
ある日ミケがまた足を振り回している。

今度は前より大きなウジ虫だった。
ミケの周りに何匹もうごめいていた。
今度のはたぶん銀蝿みたい。

ていねいに探して取り除くが、翌日にはまた発生している。

部屋を締め切ったつもりでも出入りはあるので、
ミケの腐肉に誘われるハエはいつの間にか入るようだ。

さすがにもうこれ以上は無理かもと思った。

脚の根本まで腐ったら諦めようと思っていたが、
そんなふうに引き伸ばすのは
お互い辛い状況を長引かせるだけでは・・?

もう諦める時かもしれない。

次の通院の時、獣医師に安楽死を依頼した。
涙があふれてミケの姿がにじんだ。

扁平上皮癌猫

 

黒猫のラン、口腔内に扁平上皮癌

ランも高齢のメス猫、友人が屋内外自由に出入りさせていた。
家の周りは広い畑地で、野菜作り農家。

他の猫たちは室内飼いなのに、ランだけは自由。
高齢でとうに避妊済みなのでほとんど家の周囲でくつろいでいる。

ランも長らく病気ひとつしたことがないのが自慢だった。

ある日友人から電話が。

ランが食欲をなくし、動物病院で点滴してもらったが
良くならないという。

見に行ったら顔が少し変形している。
黒いからわかりにくいがよくよく見ると、
左顎下が潰瘍のように見える。

「扁平上皮癌かもしれない」
私のかかりつけの病院へ連れて行った。

やはり扁平上皮癌だった。

友人は口内炎だとばかり思っていたようで、
様子見していたと言う。

あまり長く持たないと言われ、
点滴注射とステロイド内服薬をもらった。

初めの一週間は薬が効いて少し食べれるようになった。

翌週また薬をお願いしたが、症状の進行が早かった。

かわいかったランの顔が、肉が腐って崩れていく、
顔の自壊は悲惨で、見るに堪えない。

家族全員が見守る中、2週間でランは息を引き取った。
あまりにも悲惨であまりにもあっけない終わり。

友人家族は全員号泣だった。

足かけ2年以上のミケの闘病と比べると
あまりに早い進行、獣医師も驚く早さだった。

癌が足先にできた場合と顔にできた場合で
進行具合が違うのか、よほど悪性だったのか・・

いろんな病気があって、どれもつらいものだけど、
扁平上皮癌は何度も経験したくはない病気です。

 

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