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猫のリンパ腫、抗がん剤治療は本当に有効なのか?

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

猫のリンパ腫

 

猫のリンパ腫、猫に起きる癌としては事例が多い病気。

ほかの腫瘍より抗がん剤がよく反応するということで
ほとんどの獣医師が抗がん剤治療を勧めます。

しかし抗がん剤治療は本当に有効なのでしょうか?
関わり知った4つの事例を通して比較検証します。

 

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猫のリンパ腫とはどのような癌?

リンパ腫とは、リンパ球という体の中の免疫細胞が腫瘍化したもの。
リンパ球は体中を巡っているので、体のどこにでも発生しうる腫瘍です。

また1か所に発見された場合でも、
その時点で全身に細胞が回っている状態であることがほとんど。

そのため、外科手術などの局所療法ではなく、
抗がん剤などの全身療法で治療される場合が多い。

腫瘍ができる部位によって縦隔型リンパ腫、消化器型、鼻腔内型、
多中心型リンパ腫などのパターンがある。

・初期症状は↓

主な症状は元気喪失、食欲不振、体重減少、発熱、
末梢リンパ節の腫れなど。初期には無症状の場合も多い。

若い猫によく見られ、猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
陽性である場合が多く、もちろん陰性の場合もある。

・進行速度は↓

発見される段階にもよりますが、悪性の場合は進行が早く、
治療しなければ余命1~2ヶ月といわれる。

抗がん剤治療に良い反応を示し、効果があるとされ、
治療を行った場合の平均余命は6~9ヶ月程度。

・末期の症状は↓

症状が進むにつれて食欲不振や嘔吐、下痢、努力性呼吸など
の症状がみられるようになり、

末期では貧血や体重減少、呼吸困難などの症状がみられ、
免疫力が低下し肺炎などの感染症にかかりやすくなる。

 

リンパ腫が悪性の癌であること、主な治療法が抗がん剤であること、
飼い主にとって最初から絶望的な状況に見えます。

しかも不信感のある抗がん剤治療をしても、余命は約半年。
治療しなければ余命1、2ヶ月、悩んでいる余裕はない。

ショックを受けた飼い主は考える暇もなく
治療法を選択しなければなりません。

ほとんどの獣医師が抗がん剤治療を勧めるでしょう。

悪性リンパ腫は完治できないので、完治ではなく、
生活の質(QOL)を維持できるような寛解を目指す
という説明がなされます。

猫のリンパ腫に抗がん剤

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猫のリンパ腫には抗がん剤治療しかない?

猫のリンパ腫の治療法として一般的なのが抗がん剤治療。
ほとんどの獣医師が勧める治療法です。

ほかに、放射線治療、免疫療法というものがあり、
併用する場合もあるようです。

抗がん剤治療では複数の薬剤を組み合わせ、
使用量や順番をマニュアル化、

この“プロトコール”(治療計画)に従って治療が行なわれます。

初めの2ヶ月は毎週、その後の4ヶ月は 2週に1回、
全部で25週、6ヶ月間の治療期間となり、

その後はリンパ腫の再燃がみられるまで無治療で経過観察となりますが、
通常は治療終了後 3~4 ヶ月で再燃がみられ治療が再開されるそう。

この半年に渡るプロトコール、
副作用等により中断せざるを得ない場合もあるとのこと。

抗がん剤治療は人間の場合も副作用が大きな問題。

飼い主は第一にそれが心配になりますが、
獣医師の説明では犬猫の場合副作用はあまりないとのこと。

完治ではなく寛解を目指すので、人間用のように強い薬ではなく、
弱くしてあるからと言うのです。

治療しなければ助からないので、
25週頑張れるだろうかと不安を抱えつつ、
抗がん剤治療に踏み切る飼い主は多いようです。

しかし実際はやはり猫は副作用に苦しむことになります。

投与後の嘔吐や食欲不振で次の回に進めず、
25週では済まないことになるのです。

じつは抗がん剤の副作用や効果性が不安で、
抗がん剤治療をしないという選択をする人もいます。

でも何の治療もしないというわけではありません。
ステロイドを使って長くもたせるという方法です。

ステロイドは元気や食欲を出したい時、
炎症がひどいときなどに使われる薬で、
リンパ腫の治療にもよく使われます。

長期になれば容量を加減しながらの投与となりますが、
ステロイドだけで寛解に至る場合もあるそうです。

リンパ腫治療に抗がん剤

リンパ腫だった猫たちの事例比較

では抗がん剤治療をした2匹の猫の例と、
ステロイドでQOLをもたせた2匹の例を比較してみます。

・譲渡した子猫、月齢7ヶ月

悪性リンパ腫が発生し、
里親さんは抗がん剤治療を選択しました。

プロトコールの2週目まで実施しましたが、
副作用が強く出て、体力が急激に落ちて中止。

そしてあっという間に末期症状になり死亡。
わずか1ヶ月未満の闘病でした。

早すぎたのは抗がん剤の副作用による体力低下で?
と里親さんは悔やみました。

 

・同じく子猫の時譲渡した猫

リンパ腫を発症したのは2才になった時。
獣医師は抗がん剤治療を勧め、飼い主はそれに同意。

副作用はほとんどないという説明だったが、
実際始めてみるとひどい副作用が出た。

2週目からは毎回のように副作用で苦しみ、
抗がん剤投与後は毎日点滴注射で、
次の抗がん剤投与まで通常の倍の日数がかかる。

コロナ禍の時期だったため、獣医師が感染して休む、
看護師も休むなど人員不足もあり、治療はスムーズに進まなかった。

25週とは程遠い8週あたりで末期症状になった。
腫瘍細胞が脳にまで転移したらしく、激しい痙攣を起こす。

飼い主は見守ることしかできず、辛すぎて涙した。
そして猫は飼い主の腕の中で息を引き取った。

猫のリンパ腫に抗がん剤は本当に有効なのか疑問に感じました。

25週という長いプロトコールは本当に効果を発揮して
寛解に導くのだろうか・・?

高額な治療費(費用)にもかかわらず、
むしろ猫の苦しみを増大させ、

結果助けることができず、
愛猫を失った飼い主にはあまりにも大きな痛手でした。

 

これに対して、抗がん剤治療をしなかった猫たちは、
予想以上に延命している。

いずれもボランティアスタッフの保護猫で、
高額な治療費(費用)を捻出できないというだけでなく、
抗がん剤に対する不信感からその治療を避けたという。

1匹はリンパ腫と診断されてからすでに1年以上経過。
ステロイドを調整しながらでも、
これほど長くもたせることができて獣医師も驚いている。

もう1匹も、まだ1年未満ではあるものの上の猫と同様。
リンパ腫とは思えない普通の生活をしている。

抗がん剤治療を全否定するつもりはないけれど、
実際の経験が負の結果を示したことは否めない。

QOLと余命を考えた時、
ステロイドでもたせるほうが良い結果に繋がったのは事実。

私たちは今後も抗がん剤治療を選ぶことはないでしょう。

 

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