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猫のスピリチュアル、それは神秘的な猫が持つ不思議な力。
猫は人に癒しを与えるだけでなく、
飼い主や住む家を自分で選ぶことがあると言われます。
神秘の世界に懐疑的な私でも
そんな猫のスピリチュアルを否定できないのは
実際にいくつかの経験を通してそれを感じたからです。
では猫のスピリチュアルとはどのようなものか、
それがどのように猫と飼い主の縁を結んだのか、
いくつかの思い出深い経験をご紹介します。
そもそも猫のスピリチュアルとはどのようなものか
猫のスピリチュアルとはどのようなことかと
思う人は多いかもしれません。
一般にスピリチュアルとは目に見えない精神世界のことで
神秘的、非科学的な分野と解釈されています。
自然界に存在する精霊などを含むとされており、
日本においては宗教色は薄いそうです。
でも宗教は別にして霊的なことを信じる人がとくに
スピリチュアルを感じることができるとか。
この不思議なスピリチュアルがどのように
猫と結びつくのかというと、
神秘性のある猫が持つ不思議な能力、
癒しのパワーがスピリチュアルの力となるそうです。
猫のオーラ、スピリチュアルの力を信じる人は多く、
時折その種の話を耳にすることがあります。
たとえば「野良猫が玄関にいたら幸運の予兆」という説。
野良猫は安心して過ごせる家を感じ取ってその家に来るので、
そのような家は運気が良いと思われる、というわけ。
また野良猫が飼われたい家を自分で決めるという話も
猫のスピリチュアルがなせることだそうです。
たしかに不思議な縁で野良猫を飼うことになった人は多いかも。
偶然行き倒れていた子猫を保護して
かけがえのない家族になったという話や、
なぜか野良猫が真っ直ぐ自分の前に突き進んできたとか、
玄関前で入れてくださいとばかり鳴いていたとか、
母猫が子猫を連れてきて置いて行ったという話などは
よく聞くのではないでしょうか。
そのような運命の糸を感じさせるのが
猫のスピリチュアルなのかもしれません。
猫のスピリチュアルが縁を結ぶ
目に見えない不思議な力、神秘的な世界
というものに懐疑的な私ですが、
“猫のスピリチュアル”を一概に否定することはできません。
長く猫の保護や譲渡に携わってきた中で
“縁”というものを感じることが度々あったからです。
男女間でよく聞く「運命の出会い」という言葉は、
猫と人の関係においても当てはまるようです。
↓
エイズ猫への申し込み
“エイズ”という言葉に反応するのは当然で、
エイズキャリアの猫にはなかなか申し込みがありません。
それでも子猫ならまだ申し込まれることがあるのですが、
大人猫でエイズキャリアとなると難しいのが実情。
「エイズは恐くないですよ」と説明しても
人間のエイズを連想するらしくためらう人がほとんどです。
そんな中
なかなか決まらないエイズキャリアの大人猫たちに
思わぬ出会いがあったのです。
最初1匹だけで譲渡会に出していた猫が
以前飼っていた猫にそっくりだということで
心動かされた娘さんが、
一旦帰宅してお母さんを連れてきて、
お二人で申し込まれました。
思いがけない申し込みに喜び、
家庭訪問させていただいて色々話し合ううちに
「猫は1匹だけでなくお友達がいた方が良いので、
いつも一緒にいる猫をもう1匹」という申し出。
確かにいつも一緒にいる猫はいますがそれもエイズキャリア、
それでも良いとのお話にまたまたビックリ。
2匹とも愛想のない大人猫の雄でエイズキャリア。
「本当に良いのですか?」と何度か聞き返しました。
以前も2匹飼っていたからと、
偏見のない寛大な申し込みに本当に感動しました。
そしてトライアルを経て正式譲渡できましたが、
さほど人なつこくないデカ猫たちを寛大に受け入れ
時間をかけて見守ってくださっている様子を聞くたびに、
寛大なご家族に感謝するとともに不思議な縁を感じたものです。
そしてなんと
申し込みはないだろうと思われるこんなパターンが
ほかにもあったのです。
そちらも同様にエイズキャリアのデカ猫2匹。
子猫ならともかく大きな雄猫2匹一緒とは、
譲渡したい当方も戸惑いを感じて
「どこが気に入ったのですか?」とお聞きするほど。
「おとなしくてお人好しな感じだから」と
偏見なく喜んで迎えてくださるご家族には
本当に頭が下がりました。
そして
これらの思いがけない出会いは、
それらの猫と飼い主が運命の糸に導かれたのではと
思わざるをえない経験でした。
わざわざ障害のある猫に申し込まれたご家族
障害のある猫もなかなか里親に行けないのが実情ですが、
やはり運命的な出会いがありました。
保護したのは子猫をカラスに奪われてしまった母猫。
カラスから子猫を守ろうとしてやられたのか
片目がつぶれていました。
人なつこいので避妊と治療を終えたあと譲渡会に参加。
長期戦を見込んでいましたが、この時も思わぬ出会いが・・
中学1年生くらいの男の子が
「障害があるため申し込みがないという猫はいますか?」
は? すぐには飲み込めずしばし沈黙。
すると同じ言葉を繰り返す男の子。
子供が言う内容と思えず考えていると、
後ろから母親が出てきて同じことを言います。
猫を迎えるにあたって親子で話し合い、
里親に行けない猫に申し込むことに決めたそうです。
なんと素晴らしい家族!
思わず「なんと立派な息子さんですね!」
感嘆の声をあげてしまいました。
かわいい子猫もたくさんいるのに
わざわざ障害のある猫を選ぶなんて、
思慮の深い同情心のある子供に感動を覚えました。
その後の報告では、猫はその男の子にベッタリなついて
家族みんなに可愛がってもらっているとのこと。
この経験から、譲渡が難しい障害のある猫でも
最適な人と巡り合うものだと確信しました。
そして、これに自信を得て
脚を一本失った猫を譲渡会に参加させたところ、
この時も最適なご家族が申し込んでくださいました。
見えない運命の糸に導かれた人と猫の出会い。
これらの経験はまさに猫のスピリチュアル?
懐疑的な私でも猫のスピリチュアルが結ぶ“縁”
というものがあると信じるようになった次第です。