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猫の目はとてもきれいです。
宝石で「キャッツアイ」と呼ばれるものがありますが、
それほどに猫の目は美しいということですね。
でも、もしその美しい目に
目やにが付いていたらどうでしょう?
そのままにしておいて良いものでしょうか?
猫の目やにはあまり心配ない場合もありますが、
目薬が必要だったり、目薬だけでは治らない場合もあります。
それぞれの状態に応じて適切に対応したいですね。
では、どのような目やにが心配ないのか、
目薬が必要なのはどのような時か、
目薬だけで治らない目やにとはどのような症状の時で
どう対処すれば良いのか、
失明寸前だった猫の実例を添えてご紹介します。
心配のない目やに、目薬で治る目やに
人も猫も病気でなくても目やには出るもので、
いつのまにか目頭に付いていたりします。
あまり気に病むことはないのですが、
猫の目はとても美しいだけに、
目やにが付いていると妙に気になります。
それが、小さなゴミが付いてできたような
乾いた黒っぽい目やになら、
ティッシュなどで簡単に拭き取ることができ、
過度に心配する必要はありません。
でも、涙目になっていて目やにが出ているのであれば、
少し考えなければなりません。
以前に鼻気管炎を患ったでしょうか?
たまにクシャミが出たりもしますか?
もしかすると完全に治癒していなかったのか、
再発したのかもしれません。
ストレスや気候の影響で免疫が落ちることがあります。
そうすると体調が不安定になり、
鼻気管炎が再発したり風邪の症状を呈したりします。
このようなときの目やには、動物病院で診てもらい
適切な診断を受けましょう。
病院で目薬を処方してくれますので
指示通りそれを付ければ良くなります。
この場合、人間用の目薬は厳禁です。
猫用と人間用の目薬では含まれる成分の量が違います。
人間用の目薬を使うと、むしろ炎症が起きたり、
最悪の場合失明につながる可能性もあるのです。
目薬だけでは治らない目やに
猫の目やには心配のない場合が多いのですが、
目薬だけでは治らない目やにもあります。
それは、黄色や黄緑色の目やにです。
普通よく見る目やにと違うのは一目瞭然。
黄緑色から考えると、
化膿して膿が出たと想像できます。
この場合は目薬だけでは治りませんし、病院受診が必要です。
単なる目やにではなく、何かしら病気の症状なのですから。
(1)獣医師は目の状態などから原因を調べます。
原因は結膜炎、角膜炎、または外傷であることもあり、
風邪や鼻気管炎の悪化である場合もあります。
◆結膜炎とは
瞼の内側、瞬膜、白目の部分を覆う粘膜に炎症が起きることです。
結膜に充血や浮腫が生じ、涙の量が増えたり目やにが出たりして、
ひどい場合は上下瞼に目やにがこびりついて、
目が開かない状態になることもあります。
原因はちりやほこりなどの異物だったり、
細菌やウィルスだったりいろいろです。
◆角膜炎とは
引っ掻くなどして角膜に傷がつき、炎症を起こしたものです。
角膜炎は傷の進行が早いと、「角膜穿孔」という
角膜に穴があいた状態になり、最悪の場合視力を失います。
◆鼻気管炎については下記ページでご紹介しています。
「猫の鼻気管炎ってどんなの?慢性化するのか治るのか?」
https://cheer-bonds.com/nekobikikan/
(2)原因が特定できれば治療法も決まります。
●抗生剤等の注射や飲み薬
●数種類あるうちの最適の目薬
●眼軟膏の併用もあり
いずれも獣医師の指示に従いましょう。
目薬を指す回数を一日4,5回と言われたのに
一日1,2回にしたのではなかなか治りません。
失明寸前だった黒猫の目
その黒猫は子猫の時にその地域に捨てられた猫でした。
3匹のうち、2匹は拾われていきました。
その1匹だけは誰にも拾われず、
そこで大きくなったのです。
地域の人たちがエサをやって見守っていました。
その黒猫の大きな目は緑色でとても美しかったそう。
やがて大人になった黒猫は子猫を産んだようだった。
近所の人は2,3匹いたはずと言う。
なんとかしなければと思いつつもしばらくの間誰も動けず、
いつのまにか子猫の姿は見えなくなった。
また誰かが拾ってくれたのだろうか、
それともカラスに持っていかれたのだろうか・・
そこにいたはずの母猫も数日姿を見せなかった。
ある日エサやりさんの前に現れた母猫は、
片目を閉じていて、ケガしたらしく膿が出ていた。
閉じた目から黄緑色の目やにが出ていたと言う。
カラスにつつかれたのだろうか?
子猫を守ろうとカラスと戦ったのかもしれない。
1週間前はきれいな目だったのに。
翌日見ると、目は開いていたが黄緑の目やにがベッタリ。
そして眼球全体が黄緑色に濁っている。
目は見えなくなったのだろうか。
エサやりさんはボランティアに相談し、
猫を保護して病院受診させることに。
病院で診察してもらうと角膜が傷付いていて
そこから膿が出ているとのこと。
炎症を抑えるための注射と飲み薬、そして目薬。
角膜を保護するため上下瞼を縫い合わせる手術。
端を少しだけ開けておき
そこから毎日目薬をさすようにとの指示。
こすらないようエリザベスカラーを取り付け。
1週間ごとに確認し、3週後に抜糸となった。
幸い人なつこい猫なので、目薬もつけやすかったとのこと。
抜糸後の黒猫の目は膿がなくなって
白く濁っているものの、視力は残っているもよう。
最悪の眼球摘出は免れることができた。
現在、保護主はこの黒猫を里親に出すべく世話しています。
今回は猫の目やにに関してでした。
目やになんて気にする必要がないと思う人が多いかもしれません。
確かに心配しなくてもよい場合が多いでしょう。
でも事例の黒猫のように失明しそうになる場合もあるのです。
猫を飼っている人であれば
愛猫を守るため日々の注意観察を意識して、
些細なことにも気を配ることにいたしましょう。