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猫の尿路結石 オスは命にかかわる

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

尿路結石は命にかかわる

猫の尿路結石はオス猫に多くみられる病気です。

頻尿や血尿で気付くのですが、
なぜ結石ができるのでしょうか?

その原因と症状、治療法はどのようなものでしょうか?
命の危機にあった猫の実例とともにご紹介します。

また、尿路結石の予防には食事管理が大切です。
どんなことに注意すれば良いでしょうか?

愛猫を尿路結石の苦しみから守るための参考にして
いただければと思います。

 

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猫の尿路結石の原因は?症状と治療法は?

猫の尿路結石は、尿管や尿道に結石ができる病気で、
尿石症とも言います。

尿は、腎臓→尿管→膀胱→尿道と流れてきて、最後排尿されますが、
この途中の尿路で石ができて排尿が困難になります。

なぜ石ができるのでしょうか?

尿の中にリン、マグネシウム、カルシウムといったミネラル成分
が増えて、ペーハーがアルカリ性になると結晶ができ、
それが多くなると結石になってしまうのです。

すると結晶や結石が膀胱などの粘膜を傷つけるので
症状が現れてきます。

どんな症状かというと

オシッコをするときに痛がって泣く、
頻繁にトイレに行くのにオシッコが少ししか出ていない、
トイレでうずくまっている、など

様子がおかしいので飼い主は大抵気づきます。

また、落ち着きがなくなって、
トイレ以外の場所で粗相をしたりするのもその兆候です。

明らかに血が混じっているとわかるオシッコなら、
病状は結構進んでいます。

血尿を見たら誰でもビックリしますよね。

“ストルバイト結石”と“シュウ酸カルシウム結石”、
この2種類が尿路結石の代表。

若い猫が多くかかるのがストルバイト結石、
高齢猫に多いのがシュウ酸カルシウム結石と言われています。

そして
オスの方が尿路結石になりやすいのですが、
それは尿道がメスより長く細いためです。

では治療法は?

結石がまだ砂粒状の場合は、尿道口からカテーテルを入れて
尿道のつまりを解消し、膀胱内を洗浄します。

そして抗生剤と止血剤を投与し、
エサは結石を予防する療法食に変更しなければなりません。

石が大きくて尿道が詰まってしまった場合は、
手術で石を取り除くことになります。

尿路閉塞を起こしたら2、3日で死の危険があるので、
時間的猶予はありません。

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尿路結石で死にかけていた猫

尿路結石はオスに多く、命の危険がある病気。

かろうじて助けられた猫をご紹介します。

ある家で外飼いしていた茶トラのオス。

家に入れることはせず、
玄関と庭に置いたダンボール箱が猫ベッドでした。

人懐こいので、
通りかかる近所の人が声をかけたりエサをあげたり。

病院にかけたことはないとのことで、
かわいそうに思ったボランティアが去勢手術やワクチンをしました。

ある日飼い主からの電話で、
ずっとうずくまっていて動かないとのこと。

様子を見に行くと、
草むらにうずくまって、具合悪そうな顔。

名前を呼んでもエサを見せても無反応。
抱き上げても無抵抗。

動物病院へ行って診てもらうと尿路結石とのこと。
石が詰まって尿が出にくい状態!

カテーテルを通して尿を吸い取ると、
真っ赤な血尿!

尿というより血そのものと思うほど濃い真っ赤。

これほどの血尿を見たことがなく言葉を失いました。

「あと2、3日で死んでいた」と言う獣医師。

膀胱洗浄ということで、血尿を吸い取りその分生理食塩水を注入、
これを何度も繰り返し全体の色が薄くなるまで。

そして抗生剤、止血剤の注射、輸液。
翌日も翌々日も膀胱洗浄と輸液
その後は投薬で様子を見ながらの通院。

エサは療法食のペーハーコントロールゼロ。
水をしっかり飲ませること。

飼い主は高齢者で、ほかにも猫がいて管理が難しいとのことで、
我が家で面倒を見ることになりました。

徐々に回復してくると食欲が出てきて
エサの管理が難しくなる猫でした。

元々食欲旺盛で、ほかの猫が残したエサを食べたがる。
でも療法食以外は禁止なのであげたいけど我慢してもらいます。

ペーハー(pH)が高いと結石ができやすくなるので、
通院時は尿検査でペーハーを調べ、

また、エコーで膀胱の状態を見て、
結晶が無いかどうかを調べます。

そして血液検査。
尿の色は普通でも血液検査で潜血反応があればまだ治療継続です。

すぐに完治する病気ではなく再発もしやすいので、
エサの管理を徹底しながら辛抱強い治療が必要です。

1年以上かかってやっと完治しましたが、
経過観察が必要なため元の場所に戻すことができず、

現在は我が家の一員として、
相変わらずほかの猫のエサを狙っています。

尿路結石は危ない

尿路結石の予防は普段の食生活が第一

尿路結石の予防はどうすれば良いでしょうか?

第一は普段の食生活です。

人間の食べ物は一切与えないこと。

猫用の総合栄養食で、
ミネラル成分含有量が低めのものを選びます。

着色料たっぷりの安いエサは論外ですが、

F∪S(猫泌尿器症候群)対応と書いてあっても
成分表でリンやマグネシウムの含有量を確認しましょう。

動物病院にかかっているのであれば、
病院でおすすめのエサが置いてあります。

一度尿路結石になったのであれば、
完治するまでは療法食を続けなければなりません。

そして
きれいな水をいつでも十分飲めるようにしておきます。

でも人が飲むミネラルウォーターではなく、
水道水にしてくださいね。
余分なミネラルはむしろ有害になりますので。

また、
適度な運動とストレスのない生活であることも
病気予防のためには必要です。

人と同じように猫もストレスを感じると
病気の大敵となります。

トイレはいつもきれいにしておいて
快適に使用できるようにしておくこと。
猫はきれい好きなのです。

こうして
病気予防を心がけることは猫のため、
また飼い主のためでもあるのです。

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