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猫が吐く毛玉、
猫を飼っている人は大抵見たことがあると思います。
初めて見る人は一体何事かと驚くものですね。
吐く時の様子から病気ではないかと心配する人もいますが、
猫の毛玉は特別な病気ではなくごく自然な仕組み。
でも全ての猫が毛玉を吐くわけではありません。
あまり吐かない猫もいますがその違いは何でしょうか?
吐く苦痛を和らげるための毛玉対策はないでしょうか?
また中には吐きたいのに吐けない猫もいますが、
どんな問題があるでしょうか?
見過ごしがちな猫の毛玉の事情について見ていきましょう。
猫が毛玉を吐く仕組み
猫の毛玉とは、時々胃の中から吐き出すもので、
病気ではなく自然の仕組みとも言えます。
猫がグルーミングして飲み込んだ毛が胃の中にたまって、
押し固められた塊りとなって出てくるのです。
通常は飲み込んだ毛は胃から腸へ行き、
便と一緒に排出されます。
猫を飼っている人は、
中に毛が混じっている状態の便を見たこともあるかと思います。
こうして排出されるのであれば問題ないのですが、
排出されずに消化器官に溜まってしまうと
その毛は消化されないので吐き出すしかないのです。
ということは
しょっちゅうグルーミングしてたくさん毛を飲み込む猫は
ため込みやすい、つまり毛玉を吐きやすいということになります。
たとえば長毛猫がグルーミングしている姿は優雅に見えますが、
短毛猫より多くの毛を飲み込んでいるので、
毛玉を吐く機会は短毛猫より多いと考えられます。
また“換毛期”に注意!
春は涼しい夏毛に、秋は温かい冬毛に替わるのですが、
いつもより抜け毛が多くなるので、
どの猫もいつもより多く毛を飲み込んでいるはずです。
この時期は愛猫を丁寧にブラッシングして
飲み込む量を少なくしてあげるのは飼い主の愛情。
それで毛玉を吐く頻度が減るので猫には嬉しい限りでしょう。
では猫はどれくらいの頻度で、
どれくらいの大きさの毛玉を吐くのでしょうか?
2、3㎝から5㎝くらいの大きさが一般的ですが、
まれに10㎝ほどの長く太い毛玉を吐くこともあるそうです。
そして吐く頻度は1、2週間に1回程度は正常。
我が家の猫たちの場合、
吐きやすいのはやはり長毛猫で、3㎝前後の毛玉。
短毛猫の方も同じような毛玉を吐くことがあります。
毛玉になっていない少量の毛だけのときも。
また明け方、お腹がすいて胃液を吐いている猫もいます。
でもそれ以外は元気で食欲があり、
トイレが正常ならばあまり心配ありません。
普通猫が毛玉を吐きだす直前には体ごとゆすって
ゲッゲッと苦しそうにします。
そして大きく吐いた1回目の後、追加のようにもう一度、
猫は大抵2回連続で吐くものです。
それでも胃液が多かったり毛が混じってなかったりすると、
吐きたいのに吐き出せない状態。
もしかすると毛球症かもしれません。
それが疑われる場合は動物病院で相談しましょう。
毛玉対策の猫草とフードはどうか?
猫がゲッゲッと苦しそうに吐く様子はかわいそうなので
何か良い対策はないかと考える飼い主は多いかもしれません。
猫の毛玉対策として一般的なものを見てみましょう。
↓
●猫草
ホームセンターなどに置いているイネ科の草。
葉の細かいトゲトゲで胃を刺激して毛玉を吐き出しやすくします。
猫草の食物繊維で毛の排出を促す効果もあるようです。
猫草が好きな猫は多く、
我が家でもたまに与えると猫たちが群がって食べ始めます。
しかしあまり食べようとしない猫もいます。
猫によって食べ物の好みと必要性が違うようです。
また猫によっては、猫草を食べると
やたらと吐くことになる場合もあります。
吐かせる作用のある猫草が
必要以上に猫の胃や食道を刺激するようです。
そのため猫草を与えないことにする人もいます。
我が家でも猫草は、気分転換にたまに与える程度です。
●毛玉ケアフード
“毛玉ケア”と銘打っているフードの目的は毛玉排出。
毛玉を吐かせるのではなく、
便と一緒に毛を排出するよう助けてくれます。
複数の食物繊維を多く含んでおり、
飲み込んだ毛をため込まずに排泄させるので、
猫の体への負担は少なく、
毎日のフードとしてこのタイプを選ぶ人もいます。
●フードの与え方
毛玉だけが原因ではなく吐きやすい猫もいます。
そんな場合はフードの与え方を工夫しましょう。
粒の大きさや形状、粒表面のザラザラや油分、
その猫が食べやすく、でも吐きにくいのはどんなものか、
いくつか試しながら選びます。
一回の分量を少量にして、
数回に分けて与えるのも効果的です。
それでも頻繁に吐く場合は
何らかの病気が隠れているかもしれません。
動物病院で相談することをおすすめします。
毛玉を吐けないのは問題
毛玉を吐きたいのに吐き出せずに苦しんでいるのは
毛球症の疑いありと前述しました。
つまり毛球症とは毛玉があるのに吐けない状態。
吐き出せないほど毛玉が胃の中で大きくなり、
腸への出口をふさいで胃腸の働きが悪くなってしまう。
そのためせっかく食べたものも吐いてしまい、
食欲減退、体重減少となってしまいます。
最悪の場合毛玉が胃から先の腸にまで行って、
腸閉塞を起こす可能性もあるのです。
腸閉塞を起こしたら大変!
吐きまくってグッタリするので、
大至急病院へ連れて行かなければなりません。
もしかすると手術が必要になるかもしれません。
そうならないように普段からの観察が大切です。
猫はどれくらいの頻度で毛玉を吐くでしょうか?
吐いた毛玉はどのような状態でしょうか?
それ以外に吐くのはどんなときでしょうか?
食欲と排尿排便はどんな様子でしょうか?
猫がグルーミングしているのを見ると
リラックスしていると思えて安心しますね。
でも
グルーミングで飲み込んだ毛が毛玉になること、
正常に吐き出せれば良いけど
吐き出せないと問題があるかもしれないこと、
過剰なグルーミングや異常な吐き方があれば
ほかの病気があるかもしれないこと、等々
いつも愛猫を注意深く見守っていきたいものです。