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猫は吐きやすい動物で、吐くのは特に問題ではない
と思っている人は意外と多いかもしれません。
たしかに猫が吐くのはよくあることですが、
吐くという行動には何か理由があるはずです。
では、猫が吐くのはどのような時なのか、
我が家の猫たちを例として検証してみます。
また、心配ないのはどのような場合で、
問題なのはどのような場合でどう対処すべきか調べましょう。
猫が吐くけど心配ない場合
我が家には吐きやすい猫が複数います。
時々床に吐いた痕跡があったり、
傍らで吐き始まったりするのですが、
吐いたものを見るとあまり心配のない場合が多いようです。
これまで見てきた我が家の猫たちが吐く理由は
次のような場合でした。
↓
●毛玉を吐く
グルーミングで飲み込んだ毛が胃の中にたまり、
固まりとなって吐き出す。
長毛の猫の方が毛玉を吐くことが多いようです。
飲み込む毛の量が多いからですね。
吐き癖のついた猫はさほどの毛玉になっていなくても
吐くことがあります。
吐き出した方がスッキリするのかもしれません。
毛玉対策として猫草を与えるという説もあるので
たまに気分転換に猫草を置いてみると、
最初はみんな喜んで食べ始めますが、
やがて長毛猫に限らず短毛猫も吐き始めます。
猫草の刺激で吐かせるわけですが、
吐き出したものはほとんど猫草と胃液。
飲み込んだ毛はあまり見かけないので、
毛玉対策としての猫草の効果はあまりなさそうです。
むしろゲッゲッと苦しそうですし、
故意に吐かせて食道に炎症が起きるのは困ります。
ですので我が家ではたまに気分転換に猫草を与えますが、
置きっぱなしではなく食べ過ぎないように監督することに
しています。
●早食いしたり食べ過ぎたりして吐く
エサを出すと、待ってましたと急いで食べようとする猫。
でもこの早食いで急に胃の中をいっぱいにすると、
胃が対応しきれなくて吐き戻す場合があります。
食べ過ぎて胃の中いっぱいの時も同様で、
胃の処理限度を超えるのでしょう。
この食べた直後の吐き戻しは、
エサがそのままの状態で出てくるので、
ほかの食欲旺盛の猫が食べようとします。
もったいないとはいえ、そうはさせられないので、
急いで片付けなければなりません。
このような場合
せっかちな若い猫や、エサを丸飲みしがちな猫には
与え方を工夫するのが良いようです。
一度に与える量を少なめにしたり、
一気食いできないような食器にしたり。
また、エサの大きさや脂質などが関係する場合もあります。
ドライフードの粒が大きすぎたり脂質が多すぎたりすると、
食道や胃が強い刺激を受けるようです。
急にエサを変更したために吐いてしまうこともあるので、
変える場合は少しづつ混ぜていくようにして、
エサの形状や成分にも気を配り、
猫が食べやすく消化しやすいものを選ぶようにしています。
●お腹が空き過ぎて吐く
成猫の場合エサを与えるのは朝晩2回が一般的。
この間隔が長すぎると空腹の状態が長くなり、
胃酸や胆汁が胃腸に負担をかけていることがあります。
明け方、ゲッゲッと言う声が聞こえて起きて見ると
白い泡状の液体、胃液が吐かれていたり、
黄色い液体、胆汁が吐かれていたりします。
これは空腹の時間が長すぎるためなので、
エサの時間を工夫する必要があるようです。
エサを一日2回ではなく3回にしたり、
夜食におやつをあげることにしている人もいます。
我が家では高齢猫がこのような吐き方をするので、
高齢猫たちの部屋では寝る前に置きエサをすることにしました。
彼らは一気食いはせず、チビチビ食い。
朝までの間に何度かチビチビと食べるので、
お腹が空き過ぎて吐くことはなくなりました。
猫が吐くことに問題ある場合
猫が毛玉を吐いたりエサを食べた直後に吐き戻したり
するのは珍しいことではありませんが、
必ずしも心配ないとは限りません。
例えば、
以前は毛玉を吐いていたのに吐かなくなった、
苦しそうにしてるけど吐けないようだという場合、
毛玉が大きくなりすぎて吐き出せない毛球症という
病気になってしまったのかもしれません。
また、いつもと違う吐き方であれば
何らかの病気かもと考えられます。
猫が吐く様子、状況をよく観察して、
何らかの変化や異常があったら病院受診が必要かもしれません。
ではどんな問題がありえるでしょうか?
↓
◆異物誤飲
猫が異物を飲み込んだために吐くわけですが、
とくに子猫や活発な若い猫の場合要注意です。
その異物を吐き出したり
便と一緒に排出したりできれば良いのですが、
腸まで行って閉塞を起こすと
腸管の壊死や穿孔に至る可能性もあり危険です。
飲み込む異物としては、輪ゴム・ビニール袋・おもちゃ・
ヒモ類など猫が興味を持つもの。
猫じゃらしのヒモ、マスクのヒモ、梱包紐、糸の付いた針等は
家庭内でよく見かけると思います。
猫が目をつける前に片付けておきましょう。
◆中毒
傷んだ生ごみや毒性のある観葉植物を食べてしまったり、
稀に洗剤など毒物を口にしてしまった場合は、
一度吐くだけでは治まらないかもしれません。
また、実は食物アレルギーを持っていて、
アレルゲンを含むものを食べたために吐くのかもしれません。
ぐったりしていたり嘔吐を繰り返すのであれば
早めの病院受診をお勧めします。
◆ストレス
猫は繊細で敏感な動物です。
強いストレスによって吐いてしまうことがあります。
家族や同居猫の増減、引っ越しなどは大きなストレスですし、
部屋の模様替えや飼い主の過干渉も原因となりえます。
猫はできるだけ変化のない平穏な生活を送りたいのです。
猫にとって今の生活環境はどうなのか考えてみましょう。
◆何らかの病気
消化器その他の内臓に何らかの疾患が生じて、
吐いているのかもしれません。
あるいは何らかのウィルスや細菌に感染しているのかもしれません。
致死率の高い感染症もあるので早期検査が必要です。
以上のような理由である場合は、
猫はよく吐くからと楽観視することはできません。
では吐いても心配ない場合と問題である場合を
どのように見分けることができるでしょうか?
重要なのは日頃から猫の様子を観察すること。
いつもとどのように異なっているでしょうか?
ほかにどんな症状があるでしょうか?
食べない、元気がない、ぐったりしている、
下痢している、または逆に排便排尿がない、
何度も繰り返し吐く、等々
そして吐いたものを観察することも大切。
異物が混じっていたり、異臭がしたりするのは異常です。
赤茶色やピンク色の液なら血が混じっているのかもしれません。
ともかくいつもの猫の状態を把握していれば、
異常な吐き方かどうか気付くと思います。
愛猫への気配りと観察を欠かさないようにしましょう。