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飼い猫に脱走されたことがありますか?
帰ってくるのか来ないのかとても不安になりますね。
実は猫の脱走はあまり心配しなくても帰ってくる率が高いのですが、
帰ってこれない場合もあるので探してあげましょう
ボランティアが行なっている具体的な捜索方法と
脱走猫を見つけることができた3つの実例をご紹介します。
最善なのは脱走防止策を徹底することです、
参考にご覧くださいませ。
猫の脱走は帰ってくる率高いプチ家出
“脱走”は本気の家出とは言えない“プチ家出”。
「ちょっとしたすきに脱走された」ということは
多くの飼い主が経験しているかもしれません。
例外的に外の世界に興味のない猫もいますが、
多くはすきあらば脱走しようとします。
なぜ脱走するのか、猫によって理由はいろいろです。
やんちゃな子猫であれば、外の世界への好奇心でしょう。
家の中にはない珍しいものに興味津々ですから。
不妊手術をしていない猫であれば、
発情時にはどうしても脱走したがります。
そして、
たったひと晩脱走したメス猫が、2ヶ月後には子猫を産みますし、
オス猫は1週間どころか1ヶ月近く放浪することもあるのです。
不妊手術しない限り発情は止められません。
また自宅の居心地に不満でプチ家出することもあります。
家庭に赤ちゃんが生まれたり、新しく子猫を迎えたりした場合、
飼い主の関心はそちらに向くので猫は面白くありません。
あるいは複数飼いの場合、十分にエサを食べられなかったり
オス同士の勢力争いが生じることもあります。
居心地の悪さを我慢できない猫は脱走して
外でのびのび自由に生活することを選ぶかもしれません。
しかし
脱走する猫の多くは本気ではありません。
時間が経てば帰りたくなるものです。
お腹がすいてもいつものエサは外にはありませんし、
生来臆病な猫にとって外の広さはむしろ恐い。
やんちゃ猫も、発情猫も、不満猫も、
自宅に戻ってエサを食べ自宅の寝床で眠りたくなります。
このような経過をたどった猫は帰ってくる確率が高いです。
安定して食べていける場所は外にはないのですから。
ただし“自分の家”を認識していなければ帰りたくても帰れません。
引っ越したばかりとか、猫を譲り受けたばかりという場合は
飼い主が探してあげないと猫は帰ってこれないでしょう。
脱走猫が帰ってくるまであらゆる手を尽くして探す
猫が脱走したのを飼い主が見ていた場合、
どちらに行ったかすぐに追いかければ即逮捕できますね。
でも飼い主が見ていない時に脱走されると、
いつどちらへ向かったか見当がつきません。
臆病な飼い猫がそれほど遠くへ行くとは思えないので、
自宅周辺の数ブロックくらいを探すことになります。
猫の行動範囲は大体200~300メートルというのが通説。
でも元野良猫の場合はもっと広いようで、
最大2キロメートルとも言われます。
猫によって、また脱走時の状況によって異なるので、
広さは断定できません。
とりあえず自宅近辺から歩いて探します。
この時、エサや猫じゃらしを持って行くと
見つけた時捕まえるのに役立ちます。
バスタオルや洗濯ネット、キャリーバッグの携行も
邪魔でなければより良いでしょう。
でも抱っこが苦手な猫の場合、
場所を特定してから捕獲器を置いた方が無難です。
猫が潜り込みそうな隙間や隠れやすい庭の繁みなどを
腰をかがめてのぞき込みながら、
静かに名前を呼びながらゆっくり歩きます。
不審者と間違われるといけないので、
ご近所の方を見かけた時は猫を探していることを説明しましょう。
猫が脱走してからできるだけ早いうちに探し回る方が
見つける確率は高くなり、
日にちが経つほど見つけにくくなります。
探し歩くのは猫が行動する時間帯。
猫は日中人や車の往来が多い時は隠れていて、
早朝や夕方暗くなってから動くことが多いです。
暗くて野良猫と判別つかないこともあるので
夕方は懐中電灯を持参します。
一両日歩いても見つけられない場合、
自力での捜索だけでは限界があるので、
次のような方策も同時に行ないます。
●チラシを作ってご近所一帯にポスティング。
●これの拡大コピーをポスターとしてスーパーや
動物病院など数カ所に貼らせていただく。
●警察と保健所に迷子の届け出をする。
万一交通事故にあっているとすると警察に、
または善意の誰かが保護しているとすると保健所に
届けが出されているかもしれません。
●ペット探偵に捜索依頼する。
ペット探偵は猫捜索のプロとのこと。
費用はかかりますがそれもひとつの手段。
しかしペット探偵といえど必ず見つけ出すとは限らない。
無駄なお金だったという残念な報告もあります。
あらゆる手を尽くしても
見つけられない場合もあるかもしれません。
でもすぐに諦めないようにしましょう。
いっときの気の迷いで脱走した猫は帰ってくる率が高いのです。
数カ月後とか1年以上後に帰ってきたという事例も
いくつかあるのですから。
愛猫は帰ってくると信じて探し続けましょう。
どうしても手がかりがつかめず不安が大きい人は
猫の気持ちになってその時の状況を振り返ってみましょう。
「猫が家出して帰ってこないのには深い理由がある」
このページも参考にご覧ください。
脱走猫を見つけることができた実例
◆里親さん宅でトライアル中脱走した猫。
最初の例はトライアル1週間目に脱走した猫。
本人にとっては見知らぬ土地。
臆病なのでそれほど遠くへは行かないと想定し近所を捜索。
時間帯は猫が動く早朝と夕方暗くなる頃。
近辺をゆっくり歩いて猫が潜り込みそうな場所を覗き込む。
しかし毎日歩いても全く気配が感じられませんでした。
同時に「猫を探しています」のチラシを作り、
その家を中心に半径約300メートルの範囲のお宅へポスティング。
家の人とお会いした時は事情を話して通報を依頼しました。
そして近所のスーパーやコンビニでポスターを貼らせていただき、
警察と保健所には迷子猫の届け出。
2週間経とうとする頃近所の人から電話がありました。
そのお宅のウッドデッキの下に潜んでいる猫が似ているとのこと。
急いで行ってみると確かにその脱走猫でした。
思わず名前を呼んで近づこうとすると逃げられました、
こういう場合は急に近寄ってはいけないのです。
腰を低くして静かに呼びかけ、
少しづつ距離を縮めるべきでした。
焦りは禁物! (-_-;)
一度逃げられたものの、またそこに身を隠すと思われたので、
許可を得て庭に捕獲器を設置。
エサは好物のウェット。
夜中確認しに行くと猫は捕獲器の中にいました。
捕獲器ごとそのまま自宅に持ち帰って一段落。
猫は夢中でエサを食べ満腹になると、
安心したように爆睡してました。
◆強い野良猫が家のそばにいるので帰れなかった猫
「猫を探しています」のチラシを配っていると
善意の人から情報の電話が数件きます。
上記のような確かな情報もあれば、
なんだか的はずれで困惑することもしばしば。
でもそれが意外な結果につながる場合もあって
不思議な縁を感じるときもあります。
ある人からの猫がいるという電話は、
詳しく話を聞くと、探している猫とは全く違う毛色。
でも「茶色の猫」という言葉でふと思い当たることがありました。
ポスティングしつつ訪ねた家で、
そこの茶色の飼い猫が、2ヶ月ほど前から帰ってこないとのこと。
紐をつけて庭に出していた時、
強い野良猫に襲われてパニックになり、逃げてしまったそう。
情報の場所は逃げていった近辺。
その家の人に見に行ってもらったところ、その飼い猫でした。
走って追いかけて逃してしまったので、
(やはり同じ失敗をするものです)
捕獲器を設置したところ、翌日保護できました。
襲った野良猫が家の周辺にうろついているので、
帰りたくても帰ってこれなかったようです。
◆捜索範囲外で保護されていた猫
こちらもトライアル中の脱走。
まるで知らない土地でしたが、
広い田園地帯で民家といえばほとんど農家。
交通量が少ないので事故の危険性は低いものの、
農家の納屋など猫が潜入しそうな場所は多い。
ご近所に数人でポスティングしながら尋ねて歩き、
数日過ぎるごとに範囲を広げました。
しかし2キロメートルまで範囲を広げましたが
猫は見つからず2ヶ月ほど経過。
みんなあきらめかけた時、
猫を保護しているとの電話が入りました。
その場所は里親宅から5キロ先のお宅で、
ポスティング範囲のはるかに先でした。
首輪していて人懐こく、立ち去ろうとしないので、
飼い猫が迷ったのだろうと思って保護したとのこと。
偶然知人の家で猫探しの話を聞いたことで結びつきました。
皆さん大喜びでしたが、
それほど遠くへ行くとは想定外でじつに驚き!
猫の行動範囲に関する認識を変えなければと思った事件でした。
猫の脱走防止策を徹底する
猫が脱走してもすぐに帰ってくる場合は良いとして、
帰ってこれない脱走猫を探すのはほんとに大変。
脱走されないように対策する方がずっと楽です。
どのような脱走防止策があるでしょうか?
猫に脱走されるのは住宅の構造に問題がある場合と、
飼い主のうっかりが原因の場合があります。
住宅の構造上の問題とは、
少し古い造りだとすべての窓に網戸があるわけではありません。
しかもせっかくの網戸が壊れかかっていたり、
猫が通れるくらいの隙間があったり、
猫が開けられるような玄関や窓だったり・・
飼い主のうっかりとは、
窓や玄関などの戸をうっかりしめ忘れたり、
自分が出入りする時に、素早い猫にすきを狙われて
脱走させてしまう、ということです。
猫に脱走されたくないのであれば
それらの問題に徹底的に対処する必要があります。
隙間や壊れている箇所はしっかり補強する。
網戸は頑丈なものにする。
網戸のない窓は締め切っておくか、
開ける場合は全面にワイヤーネットを取り付ける。
引き戸の窓や押し下げドアノブにはストッパーを取り付ける。
玄関や窓を開け放すことはしない。
出入りする時は、開けたら必ずすぐ閉める。
最近はホームセンターなどでも便利な猫用品を
さまざま見つけることができます。
猫が玄関やベランダまで行かないように仕切る、
脱走防止パーテーションというものもあります。
結構優れもので利用する人は多いです。
ともあれ猫が脱走しそうな場所を調べて、
脱走できないように防止策を考えましょう。
面倒くさいと感じる人は、
なぜ猫を脱走させてはいけないか思い起こしましょう。
外には危険がいっぱいなのです。
交通事故、ウィルスや細菌の感染症、捕食動物、
歪んだ人間による虐待、
それらから愛猫を守るために脱走防止策を徹底させましょう。
脱走の心配をしなくて済むなら、
猫も飼い主も平和で穏やかな生活を送れます。