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猫はクールな性格で人に媚びないという説は本当か?

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

クールな性格?

 

猫はクールな性格と思っている人は多いようです。
犬と違って人に媚びることはないとも言われます。

でも本当のところどうなのでしょうか?

猫がクールな性格だと言われる理由と、
そうではないと言える根拠と裏付ける実例を通して
多くの猫たちを見てきたボランティアの見解をご紹介します。

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猫がクールな性格で人に媚びないと言われる理由

猫といえば“クール”“ツンデレ”と表現する人は多いですね。
それは性格の違いを犬と対比した分け方。

猫のことを述べる際人はよく犬と対比します。

猫と犬は人間の伴侶として1位2位を争うペットなので
比べたくなるのかもしれません。

犬は人間に忠実で従順、猫は勝手気まま、
犬はエサをもらうまで待つ、猫は盗み食いする、

犬はベタベタ甘える、猫はクールでツンデレ、
犬は人に媚びる、猫は媚びない、という具合に。

これらは犬猫を一括りにしてまとめた特性であって、
人間の側の基準に合わせたもの。

犬と猫の性格は正反対という思い込みもあります。

性格に関しては次の副見出しで述べますので、
まずは“媚びる”ことに関して考えましょう。

 

媚びるとは「相手に気に入られようとしてごきげんをとる、
またはへつらう」という意味。

犬も猫もどちらも飼い主が大好きなのは同じですが、

犬の動きを見ると確かに飼い主のご機嫌をとろうと
しているように見えるかもしれません。

対して猫の方はそうは見えないですね。

犬のように大げさな大好きアピールはしません。
そばに来て静かに見ているだけの方が多かったりします。

じつは猫はあまり体力・持久力がないので、
犬のような感情表現は疲れるわけです。

そして猫は体力のため多くの時間寝なければなりません。

眠るときは、邪魔されずに充分寝るためにひとりの方が良いのです。
(時には相性の合う仲間と団子寝もありますが)

猫は適度に飼い主と距離をおいているようにも見え、
独立心が強いとも言われています。

 

また大事な点ですが、猫は野生動物ではありません。
外の世界ではハクビシンなどの獣に狙われる側です。

体が小さくて弱いので、常に警戒が必要。
ゆっくり熟睡などできず、すぐに目覚める体勢です。

誰にも気を許すことのない警戒心の強さ。

そのような猫の行動様式がクールに見えるゆえんかもしれません。

いずれにしろ、クールで媚びないと見なされるのは、
種としての猫の特性と生き方が関係しているとわかります。

 

猫はクールな性格ではない

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猫はクールな性格ではないと考える飼い主

ところで性格についてですが、

“性格”というものは単純に区分けできない難しいもの。
それは人間の性格分けを見てもわかります。

十人十色で一人ひとり異なるのではないでしょうか。

血液型判定なるものはその最たるもので、
A型は細かい、B型は大ざっぱ、などと言います。

でもそのような括りは一般的な傾向のことで
きっちり当てはまる人はいないですよね。

猫と犬の性格に関しても同様に、十匹十色なのです。

確かに猫は全般的に見ればクールでツンデレに見えます。

でも飼い主に対しては犬のようにベタベタ甘える猫が
実は多いのです。

飼い主が出かけていなくなると、鳴きながら探しまわる。
帰ってくるとうれしくてそばを離れない。

単にエサがほしいだけではないと飼い主にはわかります。

前に述べたように猫の感情表現は控えめで穏やか。

飼い主が大好きでも激しい表し方はしません。
そばに寄り添うだけの場合もあります。

表し方やその度合いには個体差があり、
ひとまとめに断じることはできないのです。

飼い主以外の人に対しては、猫は警戒心が先に立つので
離れた所で静かに見るだけ。

見知らぬ人に甘える猫はいません。
(まれに下記の実例のような猫もいますが)

つまり、猫は飼い主には甘えても、
飼い主以外の人には素知らぬ顔、クールな態度を取ります。

ですので猫を飼っていない人からすると
猫はクールな性格に“見える”のです。

それは表面的な見かけであって猫の本当の性格とは言えないと
猫を飼っている人は知っています。

クールな性格ではない

クールな性格とはかけ離れている猫の実例

猫はクールな性格という説を覆す実例をご紹介します。

●ミーちゃん、多頭崩壊現場から保護されたメスの成猫、
ボランティア宅を経て譲渡会へ。

多頭で十分な世話が受けられず、愛情不足エサ不足でもあったのに、
ミーちゃんは人間に友好的で穏やかな猫。

真っ白な毛並みと緑色の大きな目がきれい
里親さんはひと目で気に入りトライアルの申し込み。

里親さんは1年前に先住猫を亡くしたご両親と娘の3人家族。

当初娘とお父さんはまだ先住猫を忘れられず
ミーちゃんに対して少し距離を置いてる感じ。

ミーちゃんは2人の気持ちを感じ取ったもよう、
なんとか気に入られようとする様子。

猫は人間のように自分の気持をごまかすことができません。
お気に入りならどんどん近づき、嫌なものには見向きもしません。

でもミーちゃんは賢いので、
気に入られてるお母さんに甘えるだけでなく、
お父さんと娘さんにも積極的に甘えに行く。

クネクネと体をこすりつけ、
上目遣いに相手の顔を見て、小さく“ニャー”と甘え声。
「こびてる」と娘さんは言います。

猫が甘えたら猫なで声になるのは当然のこと。
そして大きな目で見上げるとまるで女性が媚びている感じ。

でもそれはミーちゃんの精一杯の愛情表現なのです。
媚ではありません。

ミーちゃんとしてはまっすぐ気持ちを出しているだけ。
人の心理戦のように行動しているわけではありません。

猫には策略をめぐらる知能はないのです。
あれこれ思いを巡らせて画策するのは人間だけ。

ミーちゃんはこのご家族が大好きになったので
みんなと親密になりたいのです。

 

●チロはオスの捨て猫、人が大好きで誰にでもスリスリします。

甘え鳴きをして抱っこをせがみ、
応じてくれるまで後を付いて歩きます。

トイレ掃除中でもまとわりつくので仕方なく座って抱っこすると、
うれしそうにゴロゴロ言いながら顔を見上げる。

首のあたりをなでてあげると
目を細めてこの上なく幸せそうな表情。

これほど人にデレデレ甘える猫は珍しい。
犬以上かもしれません。

初対面の人でも、かまってほしい、
抱っこしてほしいとせがむチロは
人間に媚びているのでしょうか?

いいえ、人が大好きなので甘えたいのです。

このような猫たちは
クールでツンデレという一般的な猫の性格と全く違います。

人が大好きで甘えん坊、そういう性格なのです。

甘えるのは人に媚びているわけではなく
素直に自分の感情を表現しているだけなのです。

 

以上の実例からわかる通り

結論としては

猫はクールな性格という評価は、
表面的な見かけで猫をとらえたものだということ、

実のところ猫の性格は十匹十色であること、

また人に媚びないという説はある意味正しいということが
数多くの猫たちを見てきたボランティアの見解です。

 

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