猫と人の関係、その始まりははるか昔にさかのぼります。
古代エジプトの壁画に猫が描かれており、
かのクレオパトラも猫を愛していたそうで、
アビシニアンを飼っていたということです。
古代エジプトでは猫は神聖な生き物として扱われていたとか。
人間と一緒に埋葬されていたり
ペットの墓地らしき遺跡が発掘されたりしたことから、
猫は人と親密な関係にあったと考えられています。
なぜ猫がそれほど尊重されたのでしょうか?
ひとつの理由は大切な食糧の守り神だったということです。
猫は倉庫の穀物をネズミから守るという役割を担っていました。
古代世界においてこれは大きな仕事だったことでしょう。
そして、現代と同じように
人にとって癒しの存在という役割も出てきたと思われます。
猫をペットとして飼っていたのは
クレオパトラだけではなかったのです。
その後、船乗りたちもネズミ対策で猫を飼うようになり、
商売に機敏な旅商人たちも猫を他地域へ紹介し、
こうして猫は世界中に広まっていったということです。
日本においては、西暦6世紀半ばの仏教伝来の際
中国から持ち込まれたと言われています。
エジプト時代のように猫は、船の中の食糧や仏教の経典などを
ネズミから守る役割を担っていたのです。
当然日本においてもネズミ対策に最適ということで
猫は瞬く間に国内に普及したと想像できます。
このように猫と人の関係は長い歴史があり、
猫はずっと人と一緒に生活してきたということがわかります。
では現代における猫と人の関係はどのようなものでしょうか?
時代が変わっても基本的には変わっていないかもしれません。
動物愛護精神が広まった現代社会においては
ペットとしての存在価値が高まっていますが、
地域によっては依然として害虫駆除係の存在。
人間に生殺与奪の権限を持たれている猫は
危うい運命を生きているのでしょうか・・?
あなたにとって猫はどのような存在ですか?
すでに猫を飼っている人とそうでない人とでは
猫に対する感覚が異なると思いますが、
当サイトの猫目線での論調をご了承くださいね。
歴史からもわかる通り、猫と人の関係はじつに長いもの。
常に人の生活の中にいて、とても近い存在。
でもある人にとっては理解しがたい部分があり、
近いけど遠いような微妙な存在です。
猫は当たり前のように人のそばにいるけれど、
何を考えているかわからないような眼をしている。
それでいてこちらの気持ちを見透かすように見る。
どう対応すれば良いのだろうと戸惑う人もいます。
じつは猫の方はそれほど深く考えてはいません。
人間のようにあれこれ複雑に考えることはできないのです。
猫なで声で甘えてみたり、
態度を変えて牙をむいて威嚇したりするのも
考えたうえでの行動ではありません。
なぜそういう反応をするのか理解していれば
猫との付き合いは意外と簡単です。
そして、
猫と親しい関係を築くことができれば
猫はとても魅力ある存在となります。
それには時間がかかるかもしれませんが、
様々な知識や経験を積み重ねるにつれて
猫との関係をさらに魅力的なものにしていけるでしょう。
当サイトで取り上げる猫と人の関係に係わる
いくつかの側面をご紹介しましょう。
■じつは「猫は人が好き」だということをご存じでしたか?
猫は犬と違って人に頼ることなく、常に独立した行動をする、
ある意味身勝手な生き物、という見解をよく耳にします。
しかし本当にそうでしょうか?
アメリカの学者による実証研究によると
猫は食べ物よりも人との交流を好んだということです。
猫は孤独が好きで人に媚びない孤高の存在
と思われていたかもしれませんが、
なんと猫は人が好きで人のそばにいたがります。
飼い猫の多くが忠犬のように飼い主の傍らにいようとするのです。
そして、賢くて鋭敏な猫は
■出会った人が猫好きな人かどうか初対面でわかるのです。
世の中には猫好きな人が多いですが、
猫嫌いの人もいます。
私たちはその人と付き合う中での話しから
猫好きか猫嫌いかを知ることになるわけですが、
猫は初対面にもかかわらず即座にそれを見抜きます。
直感が鋭いのでしょうか?
それもあるかもしれませんが、それだけではなさそうです。
猫は何に基づいて猫好きかどうかを判断するのか、
どうぞ該当ページからご覧ください。
では、猫は人を区別して覚えられるのでしょうか?
飼い主であっても、
しばらく会わなければ自分を忘れるのではないかと思ったり、
猫が人を覚える記憶力を疑ったりする人がいます。
■猫が人を覚えるのは五感と絆が関係する
というページをご覧ください。
猫の驚異的な五感がどれほどのものか、
人を覚えるためにどのようにそれを活用するかを知るなら
猫に対する認識が変わります。
そしてその記憶力には人との強い絆が関係していることを
実例を通して知っていただければと思います。
愛すべきパートナーとなった猫が
飼い主との絆を忘れることはありません。
ところで、猫にもそれぞれ性格があって
クールに見えたり甘えん坊に見えたりすることがあります。
ツンデレでわがままな猫に
飼い主も当惑することがあるかもしれません。
■猫が甘えん坊なのに抱っこ嫌いってどういうこと?
猫に愛情を注ぐ飼い主には納得しにくいことですね。
甘えてくるのに抱っこしようとすると逃げる、
これには多くの飼い主が不満を感じます。
でも猫の側にはそれなりの理由があるのです。
それを理解したうえで、抱っこ嫌い克服を努力してみましょう。
どうぞ該当ページをご参考ください。
これら以外にも“猫と人の関係”に関しては興味深い側面が
多々ありますのでぜひ目を通していただければと思います。