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猫が人を覚えるのは五感だけじゃなく絆が関係する

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

猫は人を覚える

猫は人を覚えられるのか?と疑問を呈する人がいます。

その背景にあるのは「猫は3日で主人を忘れる」ということわざ。

そのため、猫は犬より頭が悪いとか、恩知らずで冷たい動物、
という誤ったイメージが広く伝わっています。

しかし実のところ、猫は人を覚えることができるのです!
その能力は驚くべきものです。

猫の学習能力、そしてすばらしい聴覚と嗅覚が
どのように活用されるかご覧ください。

また、猫が覚えているのは単なる記憶だけでなく、
飼い主との絆であるということについて、
実例に基づいて考察していきましょう。

 

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猫が人を覚える記憶力とは学習能力のこと

猫は人を覚えているのかどうかという問題は、
記憶力はどうなのかということでしょうか。

アメリカのある研究機関の調査によると、
猫は犬よりも記憶力が良いという結果だったそうです。

エサの入っている箱はどれかずっと覚えていられるか、
という実験だったそうですが、

猫は犬よりもはるかに長く覚えていたと言います。

“エサ”は動物にとって重要な死活問題。
強い執着心を持って取り組むはずです。

猫はエサの入った箱がどれかを学習しそれを記憶しました。
自分にとって重要なことには大いにその能力を発揮するのです。

逆に、自分と無関係と思うことにはまったく無関心。
何も覚えようとしないどころか注意を払うことさえしません。

猫のこの性質が重要なポイント。

記憶力の良い猫は人を覚えることも簡単なはず。
猫が人を覚える記憶力はどうなっているのでしょうか?

毎日一緒に生活している飼い主に関しては覚えるのが当然。

自分にご飯を出してくれて、
なでたり抱っこしたり話しかけたりしてくれるのですから。

では時々訪ねてくる親族や友人はどうでしょうか?

一人ひとりを覚えて識別することができるのでしょうか?

識別できます!

しかし

猫はそれほど社交的ではなく警戒心が強いので、
飼い主以外の人との付き合いは苦手。

多くの猫たちは来客があると奥の方に隠れてしまいます。
その場にとどまる猫は少ないでしょう。

そして猫は、その人の自分に対する接し方で相手を見極めます。

おやつをくれたり遊んでくれたりする人は良い人。
その人を覚えていて次の来訪時には友好的に迎えます。

反対に大声で怒鳴ったり乱暴なことをする人は嫌な人。
その人の来訪時には即座に身を隠します。

そのどちらでもない、猫に無関心な人はどうでもいい人。
関わりのない人には全く注意を払いません。

その人がどういう人か、
どのような振る舞いをするかを猫は覚えています。

つまり
その経験から学習したので覚えているのです。

記憶力の良い猫は学習能力が高いということです。

それは人を覚えること以外の例からもわかります。

ほとんどの猫が嫌いな病院へは、
キャリーに入れられて出かけますね。

すると猫は、キャリーを見ると病院行きと覚えて、
飼い主がキャリーを持ち出した瞬間逃げるのではないでしょうか。

また、薬を飲まされるのが嫌な猫は、
飼い主が薬の袋を手にした瞬間逃げていきます。

爪切りが嫌いな猫は爪切りを持った瞬間逃げます。

猫は嫌なことに関してはとくに覚えていて、
即座に反応するのです。

身を守るために鋭敏になったと思われますが、
猫の学習能力・記憶力は称賛に値します。

そして、猫が人を覚えるにあたっては、
その五感をフル活用している点も驚異的です。

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猫が人を覚える基本は五感の活用

では
猫はどのように五感を活用して人を覚えるのでしょうか?

最大のカギはダントツに優れている聴覚。

猫は人間の5倍近くの聴力があり、
人にはまったく聞こえない超音波さえ聞き取れるほどです。

我が家では猫缶を開けた途端、
別の部屋にいた猫たちが集結するのはよくあること。

パウチを振る音やドライフードの袋の音にも
同様の反応があります。

人の食事用のカニカマ袋がカサカサ音を立てると
台所へ飛んで来られるのは困りものですが。(-_-;)

そして猫は、人が動く気配さえ察知できるのです。

人にはいろいろな癖がありますね。

歩き方は、速さや歩幅、重心のかけ方など人によって異なります。
動作が大きい人、小さい人、ゆっくりの人、せわしない人。

声や口調は百人百様、同じ人はいませんよね。

猫はその驚異的な聴覚で人を判別して覚えるのです。
飼い主なのか違う人なのか玄関に入る前からわかります。

また猫は飼い主の車の音も覚えているので、
誰よりも早く玄関に出迎えることができます。

車が自宅から手前のブロックの角を曲がった時、
それまで寝ていた猫がふいに体を起こして玄関へ行く。

そんな様子を見かけたことがある人は多いと思います。

また、猫には優れた嗅覚もあります。
犬よりは劣るものの人間をはるかに超える嗅覚。

缶詰やパウチを開けた瞬間その匂いがわかるようです。

猫の嗅覚はエサを探し当てるだけでなく、
人をかぎ分けることにも活用されるのです。

人にはそれぞれ体臭というものがあり、
毎日お風呂で清潔にしている人でも猫には違いがわかります。

飼い主が脱ぎ捨てた衣服の上に猫が寝そべる姿もよくある光景。
猫は飼い主の匂いに安心感を覚えるようです。

視覚に関しては、猫は少し分が悪いように見えます。

色彩を見分けられないのは犬やほかの動物と同じですが、
視力自体が弱く、遠く離れるとはっきり見えないのです。

でも猫の目は暗闇でもものを見ることができますし、
素早いネズミを追うことができる優れた動体視力で、

ぼんやりした輪郭の人が飼い主なのかどうか、
その動きと気配で判別しているようです。

ちなみに、
視力が弱いとはいえ飼い主の顔はちゃんと覚えています。

ある日大きなマスクを着けて帰宅すると、
一瞬警戒して戸惑った様子でした。

でも顔形だけでなく、
声や匂い、歩き方や動き方など、姿全体で覚えているので、
すぐに飼い主だと判別できます。

マスクや帽子も見慣れると違和感なく受け入れます。

このようにして
猫はその優れた五感を活用して人を覚えるわけですが、

さらに
猫は人との絆、とくに飼い主との絆を覚えているということも
付け加えたいと思います。

猫は覚えている

 

猫は飼い主との絆を覚えている

前述してきたように猫は飼い主のことを覚えており、
「3日で忘れる」という話は誤解に基づいています。

「外で会うと知らんぷりする」というのは
忘れたのではなくはっきり見えないからです。

猫は視力自体は弱いので少し離れてしまうと判別できません。
でも上記で見たように猫は五感で人を覚えています。

そしてさらに、とくに飼い主との絆を覚えているのです。

いくつかの実例をご紹介します。

●母猫と2匹の子猫がエサやりさんを1年以上覚えていた話。

その人はいつもその場所で猫たちにエサをあげていました。
そこは細い用水路のそば。

人のひざ下もない深さの小川ですが、
小さな子猫にとっては危ない場所でした。

ある日
母猫が焦った様子で流れを追っているのを見たエサやりさん。

急いで行ってみると、子猫たちが流されています。
先回りして流れに足を入れ、子猫たちをすくい上げました。

夢中で子猫たちをなめまわす母猫は本当に感謝したと思います。

その後子猫たちが大きくなったころ、
3匹はボランティア施設に保護されることになり
エサやりさんと別れました。

長い野良生活で人馴れしていないため
里親に行くことができずに1年以上過ぎました。

ある日エサやりさんが施設の掃除手伝いに行ってみると、
3匹はその人にまとわりついて離れないのです。

明らかに猫たちはそのエサやりさんを覚えていました。
その人との絆を1年以上忘れていなかったのです。

●長期入院していた飼い主が帰ってきたら、そばを離れない猫。

ある友人の老親が病気で長期入院しました。
老親になついていた猫は寂しそうだったと言います。

退院して自宅療養となったとき、
猫はいつもその布団の足元にのって離れようとしません。

食事とトイレの時だけ部屋を出て、
それ以外はずっとそばにいたそうです。

そして飼い主が亡くなった翌年猫も亡くなったとのことで、
飼い主との絆の深さを感じさせられました。

●長年行方不明だった猫と飼い主との奇跡の再会。

これはイギリスでの話です。
12年間行方不明だった猫と探し続けた飼い主さん。

飼い主はさすがに諦めたようですが、
猫を保護した人が病院にかけてくれたおかげで

獣医師がマイクロチップを発見、
飼い主と奇跡の再会を果たすことになりました。

12年という年月を考えると覚えているとは思えませんが、
なんと猫は会った瞬間に喉を鳴らして喜んでいたとのこと。

再会自体が奇跡ですが、
猫が飼い主を覚えていたことも奇跡。

いかに深く強い絆で結ばれていたかと思いますよね。

このように何年も行方不明だったのに
奇跡の再会を果たしたという話は結構多いのです。

このような実例を見ると
猫は愛情深い飼い主をしっかり覚えていること、
その絆を飼い主と同じほど大事に思っていることがわかります。

ここまで見てきたように

猫はしっかり人を覚えることができるのですから、

これから猫を飼おうと考えている方は
猫との絆を大切にしていただきたいと思います。

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