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動物病院におけるインフォームドコンセントは重要で必須

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

インフォームドコンセント

インフォームドコンセント、人間の医療から始まり
獣医療の分野にも浸透してきたやり方です。

ペットに最良の医療を施すため動物病院と飼い主が
綿密なコミュニケーションを図ることになりますが、
それはどのように行われるのかご紹介します。

またかつて日本獣医師会がインフォームドコンセントの
徹底を宣言した時代背景とその後の状況について、

そして、インフォームドコンセント徹底のためには
獣医師と飼い主双方に努力が求められる事情についても
ご覧ください。

 

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動物病院におけるインフォームドコンセントとは?

“インフォームドコンセント”
もしかすると聞き慣れない言葉かもしれません。
そもそもの意味から見ていきましょう。

インフォームドコンセントとは、
元々人間の医療における概念のことで、
ひとことで言えば「説明」と「同意」

患者が医療行為を受ける前に、
医師からわかりやすく十分な説明を受け、
内容を十分納得した上で同意することを言います。

主に取り上げられるのは癌のような難しい病気の場合。
医師と患者の十分な話し合いは必須で重要です。

そして、これが浸透した結果インフォームドコンセントは
獣医療の分野にも徐々に広まってきたのです。

動物病院(獣医師)側の十分な情報提供を伴う説明、
飼い主側のそれらを理解し納得した上での同意。

ペットが癌のような難しい病気になった場合、
どんな治療をどこまで行なうか決めるのは飼い主ですね。

飼い主としては
愛するペットのため最良の治療を受けさせたいと思います。

どんな病気なのか、どんな治療法があるのか、
治療した場合の経過や予後はどうなるのか、

治療しない場合の経過や予後はどうなのか、
使われる薬の効能効果はどうなのか、

それらについて詳しく知りたいので
獣医師の十分な説明がどうしても必要となります。

その後飼い主は最良と思う治療法に同意して
獣医師と相談しながら進めていくわけです。

飼い主は納得した上での治療ですから
万が一不首尾に終わったとしても諦めがつきます。

片や動物病院(獣医師)は必要以上の責任を負わなくてすみます。
医療訴訟になることはないでしょう。

でもインフォームドコンセントは
トラブル回避のための手段ではなく、

獣医師と飼い主双方が一致して、
愛するペットに最良の医療を施すための方策なのです。

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「インフォームド・コンセントの徹底」を宣言した日本獣医師会

平成11年(1999年)、日本獣医師会は
「インフォームド・コンセント徹底宣言」を行ないました。

獣医師会に対する社会の信頼を高めると共に
より適正な動物医療を提供するという目的のためです。

背景にあったのは、獣医療過誤の増加だけでなく、
過剰診療や高額な診療料金など、

一部の獣医師による問題だったかもしれませんが、
獣医師会全体に対する人々の信頼が大きく失墜した
ことが原因でした。

動物は言葉を話せませんし、飼い主は医療に関して無知。
それをいいことに、適当な診察をし高額な料金を請求する、
そんな獣医師が存在していたようです。

しかし、インターネットの普及に伴って人々の意識が高まり、
獣医療の分野の問題も取り上げられるようになりました。

昔は見過ごされていた動物病院の医療過誤が
しばしば取り上げられ問題視されたのです。

また動物病院は自由診療のため料金設定は自由。
とはいえあまりに高額な料金はどうなのか。

獣医療に対する人々の不信感や不満が広がり、
日本獣医師会は動かざるを得ない状況になったのです。

 

それで「インフォームド・コンセント徹底宣言」で
どのように改革がなされたのかというと、

・動物病院はインフォームドコンセントを徹底すること

・徹底宣言のポスターを掲示すること

・診療料金の内容を掲示すること

・動物医療に関する相談窓口を各地方に設置すること

これらを日本獣医師会は各地方の獣医師会に通達し
徹底を促しました。

 

現在では
若い獣医師がインフォームドコンセントを
当たり前のように行ない診療する風潮になっています。

飼い主の方も、昔ながらに盲目的に従うのではなく
詳しい説明を求めるようになりました。

まだ十分に浸透されていない地域もあるようですが、
今後はより一層インフォームドコンセントが当然の
獣医療になっていくことと思います。

インフォームド・コンセント

インフォームドコンセントは獣医師にも飼い主にも努力を求める

インフォームドコンセントが一般的になりつつあるとはいえ、
獣医師の中にも飼い主にも苦手とする人がいるかもしれません。

生来の性格でコミュニケーションが苦手な人はとくに。

獣医師は難しい医療上のことをわかりやすく
飼い主が理解できるように説明しなければなりません。

難しいことをわかりやすく説明するって意外と難しいものです。
そんなの面倒だと思う獣医師がいるかもしれません。

でも今後はそれを避けて通ることはできないでしょう。

あるアンケートによると
飼い主が動物病院を選ぶ際に重視するポイントは、

料金の安さや交通の便以上に大事な点として、
インフォームドコンセントが徹底されているかどうかだそうです。

懇切丁寧に説明してくれる獣医師には好感が持てますし、
飼い主は不安を払拭して治療をお願いできますね。

はるか昔の獣医師のような
ろくに説明しない上から目線のやり方では通用しない、
飼い主はそんな動物病院を選ばないということです。

動物病院を存続させられるかどうかがかかっているのですから
獣医師はインフォームドコンセントをごく普通に行えるように
努力しなければならないのです。

 

一方飼い主の方も
医療に関しては何もわからないので、と
まるっきり獣医師任せにしていてはいけません。

獣医師の説明をしっかり聞いて、ある程度自分で調べたり、
ネット検索に慣れた人なら調べまくると思いますが。

ネットが苦手な人も経験者に聞いたり、
説明が理解できなければわかるまで質問して良いのです。

そのような努力をして愛するペットのために
最善の医療を施せるようにしましょう。

いつも受け身ではなくむしろ進んでインフォームドコンセントを
求める飼い主になってほしいと思います。

昔、無知であったゆえに愛猫を死なせてしまった私は、
飼い主の方にはぜひそれをお勧めしたいと思うのです。

 

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