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動物病院での医療過誤、ときに遭遇する悪夢

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

動物病院の医療過誤

 

動物病院において発生する医療過誤、
飼い主にとっては悪夢のような出来事ですが、
遭遇する人は意外と多いようです。

いろいろな事象が起きますが、
一つの例として私自身の経験をお伝えします。

そして、多くの人が諦めざるをえない医療訴訟の難しさと、
それでも活路を見出したい人のための対処法もご紹介します。

 

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動物病院で医療過誤にあっても訴訟が難しい現実

“医療過誤”とは、つまり医療ミスのこと。
人間社会で時おり耳にするニュースですが、
最近は“獣医療過誤”という言葉が多く聞かれます。

ペットが家族として大切にされる世の中ですので
その医療をめぐる問題が見過ごされなくなったということですね。

そんな世相を反映して最近はペットの医療ミスを訴える
訴訟が増加傾向にあるそうです。

診断ミス、検査ミス、麻酔や手術の失敗、投薬の誤り、処置の失敗、
医療過誤にはいろんなパターンがあり、
獣医師も人間ですからミスをおかすことは起こりうるのです。

 

とはいえ、医療訴訟の裁判は難しいのが実情。

人間の医療訴訟でも難しいのですから、
ペットの医療訴訟となると相当ハードルが高いです。

動物病院での医療過誤によってペットが死傷し、
飼い主が訴訟を起こしたとしても裁判に勝てる確率は低い。

大抵、訴える飼い主は動物病院(獣医師)の過失と
ペットの死傷との間の因果関係とを立証しなければなりません。
獣医療に関する専門的な知識のない飼い主が行なうのは不可能。

また立証のための意見を書く獣医師を探すのも
引き受けてくれる弁護士を探すのも難しいのが実情です。

そのような状況ですから提訴するとなると
裁判のための経済的負担はかなりの額になるでしょう。

さらには
困難を乗り越えて裁判に訴え、勝訴したとして、
損害賠償額は支出した金額には届かないでしょう。

動物は“物”扱いですから、基本的に時価評価。
よほどの血統書付きでなければ時価は0円。

治療費と葬儀費用は認められますが、
全額ではなくそれ相応の範囲となります。

そして飼い主への慰謝料は、
人間が死亡した場合と比較にならず数万円から多くて数十万円程度。

あまりに開きがありすぎて、
経済的余裕のある人でなければ裁判に訴えることはできません。

ネット上にはたくさんの獣医療過誤の訴えがのっていて、
愛する家族(ペット)を失った悲しみと悔しさで溢れていますが、
多くの人はそのような場でしか訴えることができないのです。

私自身も最愛の猫を動物病院の医療過誤によって失いました。
20年以上昔の話です。

動物病院で医療過誤にあったら

 

動物病院の医療過誤で愛猫を失った経験

それは、今のようなネット社会になるずっと前、
インターネットが普及する前の話です。

私が猫ボランティアにまだ関わっていない頃のこと、
猫を3匹飼っていました、皆10才を超えたシニア猫。

最年長のオス猫は14才、
手のひらにのるくらいの子猫の時から育てた猫で
いつも私にべったりくっついている甘ったれ。

その愛猫が風邪気味になったので、
隣町の動物病院に連れていきました。

診察と血液検査の結果
やはり風邪だということで薬を処方してもらいました。

薬を2週間飲んでもあまり変化はなく、
でも投薬を続けました。

どれくらいの期間か忘れてしまいましたが
結構長かったと思います。

やがて風邪は治ったようでしたが、
その後理解しがたい症状が出ました。

頭も体全体も激しく揺さぶられるような痙攣が起きたのです。
短い時間でしたが、収まるとぐったりしています。

見たこともない症状に驚き、翌日病院へ。
しかし原因はわからず、点滴注射と投薬治療。

当時の私には動物医療に関する知識が全く無くて
獣医師を100%信頼していました。

もしもう少し知識があったら、
対応を変えていたと思います。

でも何もわからないので
なぜ治らないのか不安であっても
病院を変えようとは思いませんでした。

でもその病院の獣医師が学会のため留守にするということで
別の動物病院を紹介され、
留守の間はそちらへ行くようにと指示されました。

どちらも獣医師ひとりの個人病院ですが違いが大きかった。

新たな病院の獣医師は勘や経験に頼るより
検査データにもとづいて診断を下すタイプ。

なので徹底して検査する。
治療や検査の機器も新しい。

そしてわかった愛猫の真の病状は、
肝臓がすっかり萎縮していて機能せず
腎臓もダメになっていたのです。

「生きているのが不思議なくらい」の検査結果。

治療薬と信じて飲ませ続けた薬がじつは逆効果となって
内蔵を壊し続けていたという事実。

よく頭が真っ白になると言いますが、
私は頭の中で何かが破裂してまっさらになったような感覚。
発狂しそうなほどなのに、ただ呆然としていました。

どんなに忙しくても薬を飲ませるために急いで帰宅し
祈るような気持ちでひたすら飲ませ続けた薬が
愛猫を死の淵に追いやっていたとは・・

もはや手の施しようがない状態でその病院に入院しました。

そこの獣医師はなんとか助けようとしてくれたがもはや手遅れ、
面会に行っても愛猫は起き上がれません。

最初は名前を呼ぶと振り向いて返事をしましたが、
徐々に意識も危うい状態になりました。

そしてとうとうその日が来ました。

面会に向かう途中、危篤だという電話が。

急いで部屋に向かい、扉を開けて愛猫を抱きしめる。
かすかな弱い息遣いが、徐々に消えていきました。

涙がとめどなく溢れました。
最愛の我が子を失った悲しみ、
自分の愚かさ故に死に至らしめてしまった悔恨。

胸の奥が本当に苦しくなり
一緒に死んでしまいたいとさえ思いました。

あれから20年以上経ちましたが今でも忘れることができません。
思い出すたび涙が流れて自分を見失いそうになります。

あれは明らかに動物病院の医療ミス。
当時はただ泣き寝入りするしかなかったのですが、
今だったら何かしら行動できたかもしれません。

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動物病院の医療過誤にあい苦しむ人のための対処法

動物病院の医療過誤に遭遇してペットを失い、
大きな喪失感と悲しみ、怒り・悔しさで苦しんでいる人は
泣き寝入りするしかないのでしょうか?

ひと昔前は何の術もなく諦めるしかなかったのですが、
ネット社会の現在はいくつかの糸口があるようです。

まず下記のような相談窓口がありますので
実際に相談してみましょう。

●弁護士ドットコム
ペットに対しての医療ミス

ペットに対しての医療ミス
【相談の背景】ある日の夕方にペットの猫を動物病院へ連れて行きました。検査をして、貧血が酷いので、これからしばらくのは、貧血治療をしましょう。と、獣医が皮下点滴を始めたら、ペットの猫が、治療の途...

●ネットで相談 ジャストアンサー
ペット医療ミス・過誤の相談室

どんな問題もあっと言う間に解決!

 

さらに
●“民事調停”を申し立てるという方法もあります。

ご存じですか? 簡単に手続できます 裁判所の民事調停 | 裁判所

民事調停とは、裁判ではなく、
裁判所が当事者の間に入って話合いを進め、
問題解決を図る手続のことです。

手続が簡単で、早期の解決が可能、判決と同じ効果を持つ、
費用が安い、などのメリットがあります。

そのままにはしておけないという人は、
相談するなどの行動を起こしてみましょう。

 

今回は動物病院の医療過誤についてでした。

たとえ有名な動物病院・獣医師でも医療ミスは起こりえます。

専門的なことはわからないから聞いても仕方ないとばかり
何もかも獣医師に任せっきりにするのではなく、

きちんと説明を聞いて、納得できる治療を受けるようにしましょう。

 

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