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猫の匂い袋が破裂! 超臭くて大出血の惨事!

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

猫の匂い袋

 

猫の匂い袋のことご存じですか?
強烈に臭いニオイを発する器官で大事な役割があります。

この匂い袋が炎症から破裂に至る過程に気付かない飼い主さんは
意外と多いかもしれません。

我が家の高齢猫の経験をご紹介しますので、
症状と対応、原因と予防に関する予備知識として
見ていただければと思います。

 

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猫の匂い袋とは?どんな役割がある?

猫の“匂い袋” その言葉から連想するのは、
女性の持つ“香り袋”、香水のような匂いを発するもの?と

勘違いしそうですが、じつはその正反対。
強烈な臭いニオイを出す器官のことなのです。

正式名は“肛門腺”、猫にも犬にもある器官で、
肛門の左右斜め下にある臭腺です。

袋状になっているので肛門嚢とも呼ばれ
この中に悪臭を放つ分泌物が溜まっています。

そのニオイ、いったいどんな役割があるのでしょうか?

猫同士がお互いのお尻のニオイを嗅ぐのを
見たことがあるでしょうか?

犬同士もよくやっていますが、
これはお互いに相手を識別するための行動です。

また、匂い袋の重要な役割として
マーキングの際の利用があります。

オスの外猫の場合、自分の縄張りであることを主張するために
マーキングしながら縄張り巡回しますね。

オシッコと一緒にこの臭い分泌液をかけて回るので、
近くを通りかかると外猫の縄張りなのだとわかるほどです。

また、目的外のニオイ排出も起きる場合があります。

ウンチをする時に肛門嚢から分泌液が出たり、
とても驚き怯えた時に一気に排出したり・・。

以前、臆病なメス猫が大きな雷の音に怯えて
匂い袋から大量に分泌液を放出してしまい、
ほかのオス猫から攻撃されてしまったことがありました。

あまりにも大きな音で恐い雷だったので
猫たちもパニックに陥ったようでした。

 

この匂い袋、
何らかの理由で分泌液が排出されない状態が続くと
細菌が繁殖して炎症が起こります。

肛門嚢が炎症を起こした状態は“肛門嚢炎”。
この炎症が進んで内部が化膿すると“肛門嚢膿瘍”。

そしてさらにひどくなると、
そこが破裂して“肛門嚢破裂”となります。

匂い袋の破裂という病例は少数だと思いますが、
起きると結構衝撃的です。

数年前の出来事ですが、
下記で我が家の高齢猫の事例をご紹介します。

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我が家の高齢猫が匂い袋破裂の大惨事

当時、猫の匂い袋、つまり肛門腺については、
臭いニオイを出す器官であると認識していました。

犬の場合は肛門腺絞りという処置が必要になることも
あると知っていましたが、
猫の場合肛門腺のことはあまり心配ないと思っていました。

我が家の猫たちは皆保護猫で不妊手術済みなので、
野良猫のようにマーキングの必要がない飼い猫と同じ。

肛門腺を自分でなめて処置しているようで
問題と感じたことはなかったのです。

ところが
肛門腺のことなど全く意識になかったのに、
とんでもない惨事を通して思い起こさせられました。

 

ある日
訪ねてきた友人が1匹の高齢猫を抱き上げた瞬間、
猫と友人が同時に悲鳴をあげました。

ビックリして見てみると、
友人の手とその周辺に結構な血が飛び散っていました。

えッ?
どうしたの?

そして
強烈な匂いが・・ (;゚Д゚)

これはマーキングのあのニオイ!!!
いったいどういうこと?

しかも猫はメス、
何がどうなったのかわかりません!

友人の服にも血が付いてしまったので、
謝罪しつつ猫の方を見てみると、

どこかに身を隠そうとしてますが、
お尻の辺りがとくに血まみれ。

これはすぐに獣医師の診察が必要と感じ、
近くの動物病院へ駆け込みました。

そしてそこで初めて
匂い袋つまり肛門嚢の破裂であることを知ったのです。

正確には『肛門嚢破裂』という病名。

すでに肛門嚢が炎症を起こしていて、
抱き上げた時その部分が押されて破裂してしまったのです。

長年猫を飼ってきて初めての経験。
このとき初めて
肛門嚢炎について学ぶことになりました。

 

匂い袋破裂の高齢猫

 

 

猫の匂い袋が炎症から破裂に至る症状と原因を知って予防しよう

匂い袋の炎症、
つまり肛門嚢炎が起きるとどうなるのでしょうか?

そもそもなぜ起きるのかというと、
肛門と肛門嚢をつなぐ管が詰まるからですが、

なぜ詰まるのかというと、
肛門括約筋の筋力の低下が大きな原因のようです。

高齢や肥満で運動不足になると、
骨盤周辺の筋力は低下します。

通常は排便の時に括約筋に押されて
肛門嚢の分泌液を同時に排出するところ、

筋力低下で排出が滞り溜まってしまうと、
目詰まりを起こしやすくなってなってしまうわけです。

飼い主がそういったことを理解して
肛門絞りをしてくれるのはまれでしょう。
肛門嚢のことには意外と気付かない人もいるのです。

 

目詰まりを起こした肛門嚢が細菌に感染して炎症を起こすと
猫はしきりに肛門をなめたり床にお尻をこすりつけたり、
排便の時痛みがあるので鳴き声をあげることもあります。

炎症が進むと痛みがひどくなり、
元気喪失、食欲不振に陥るでしょう。

肛門嚢膿瘍になると肛門の周りが腫れてきて、
最後には肛門嚢が破れ、
肛門の横に穴があいて血の混じった膿が出ます。

こうなると結構目立つ傷口なので、
さすがに気付かない飼い主はいないでしょう。

すぐに動物病院を受診し傷口の洗浄消毒と
抗生剤や消炎剤の投与を受けます。

そして傷口が塞がるまでは
エリザベスカラーを付けることになるでしょう。

飼い主はあまり経験したくないことですが、
一番つらいのは当の猫本人。

長いこと痛みに耐えてきたあげく、
破裂の衝撃と激痛、そして治るまでの不自由な生活。

予防できるならそれが最善です。

肛門嚢炎の始まりとなる原因は筋力低下、
つまり運動不足が重要なポイント。

人と同じで猫も運動不足は万病のもと、
日頃から適度に運動できるようにしてあげたり、
肥満にならないよう体重管理も必要でしょう。

運動が難しい高齢猫の場合は時々匂い袋をチェック。
必要なら肛門絞りもやるなど、
愛猫の細やかな健康管理を意識していきましょう。

 

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