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猫の歯、治療が必要になる状況に気付いてあげよう

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

猫の歯

 

猫の歯は、高齢になると治療が必要な状態になります。
人間と同じように歯周病はほとんどの猫が抱える問題。

歯周病の原因と症状、そして治療法について知っておくなら、
早く気付いてあげる助けになります。

治療が遅すぎた猫たちの残念な事例から
予防の大切さをご覧ください。

 

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猫の歯周病、治療の必要性に気付きにくい病気

猫を飼っている方、
愛猫の口を開けて歯を調べてみたことがありますか?

歯を調べてみるとは考えつかなかったかもしれませんし、
なかなかそういう機会はないかもしれません。

でも人間向けのテレビCМで“オーラルケア”の大切さを
訴えている場面を見たことがあると思います。

お口の健康が体全身の健康の入り口、
歯周病が全身疾患に影響をもたらす、

歯周病と動脈硬化、糖尿病、認知症との関連性、等々
科学的な根拠に基づく研究成果が近年次々と発表されていますね。

人間にとって体の健康のためにお口の健康が大切なのであれば
猫にとっても同じことが言えるはず。

そこで今回は猫のオーラルケアについて調べてみましょう。

人間の高齢者の中には歯周病になる人が多いようですが、
猫の場合高齢猫のほとんどが歯周病になってしまうのです。

歯周病になったことのない方にはわからないかもしれませんが
その痛みは結構辛いものがあります。

 

ではまず
◆歯周病の原因と症状について見ていきましょう。

歯周病の原因は、歯に付着した歯石。
歯石の元は、食べ物のカスと細菌などが含まれた歯垢。
これが石灰化して歯石になるわけです。

猫の場合、歯磨きしないことが重大な問題。
そして歯垢が歯石になる期間は1週間と人間より短い。
したがって歯石が付きやすいのです。

その結果7才以上のシニア猫の多くが歯周病になっていますが、
それ以下の若い猫でも始まっている場合があります。

歯周病の初期症状は歯の根元の炎症。
赤くなったり腫れたりして出血しやすい状態の“歯肉炎”。

この歯肉炎が進行すると痛むだけでなく、
歯肉が歯を支えきれなくなってしまいます。

その重度の症状は“歯槽膿漏”とも言われるもの。
歯の根元や骨にまで炎症が進んでグラグラの歯は抜け、
全身にまで悪影響を及ぼします。

人間の場合そこまで進む前に歯科治療をすると思いますが、
猫は症状を訴えることができないので、
飼い主が気付かなければそのままです。

 

◆歯周病の治療はどのようなものか?

猫が歯周病になっていると気付かない飼い主も
次のような症状が現れると動物病院を受診するでしょう。

猫の食欲が落ちてきた、
口をモゴモゴさせている、
よだれを垂らすようになった、
口臭がひどくなった、
ドライフードを食べると痛そうにやめてしまう。

こんなとき獣医師が猫の口を開けて見ると
歯茎が赤くなって腫れている場合がほとんど。

初期であれば注射や投薬で改善できますが、
根本治療をしなければ再発します。

歯周病の原因は歯垢と歯石、
それらを落とさなければなりません。

何度か再発と治療を繰り返したなら
最終的に麻酔をかけてスケーリング治療を行うことになります。

歯と歯肉の間、歯周ポケットの中の歯垢や歯石を除去し、
今後歯垢がつきにくくなるよう歯の表面を研磨。

炎症が重度ですでに歯が欠けたりしていれば
その箇所を抜歯することもあります。

治療してお口の痛みがなくなった猫は
カリカリと音を立ててドライフードを食べることができて
うれしそうです。

 

猫の歯の治療が必要

 

 

 

 

 

 

歯の治療をした猫たち、ほとんどが遅すぎた

歯肉炎・歯周病は歯があるから起きること、
歯がなければ起きない、と言う獣医師の説明に納得して
抜歯した猫たちの事例をご紹介します。

◎本来白血病キャリアであるため、難治性口内炎で通院していた猫。

お口の中はいつも赤く腫れ上がっていました。
歯茎だけでなく喉の奥のリンパ腺も腫れていました。

エサは、食べると痛いドライフードではなくウェットがメイン。
ドライフードを食べるのは薬が効いて調子が良いときだけ。

この猫はもはや口内炎と歯周病の区別がつかないほどの症状。
奥歯の歯肉の腫れが引けば少し楽になるということで奥歯を抜歯。

抜歯後落ちついた頃、確かに症状は軽くなったように見えた。
いつも痛みを耐えていたと思うので
しばしの間だけでも楽になったことが嬉しかった。

◎歯がほとんどなくなっていた猫

口臭がひどく、体全体も異常に臭かった。
きつい口臭の舌でグルーミングするからみたい。

エサはほとんどドライフードを丸飲み。
噛むと痛いからではと思われた。

獣医師が口の中を調べるとひどい歯周病。
どのみち丸飲みなのだから抜歯した方が良いとのこと。

しかし、手術してみると、
歯はほとんど根っこしか残っていなかった。
こんなに歯がボロボロになるまで気付かなかったとは。

相当痛かったはずとのことで、
じっと耐えていた猫が哀れでした。

◎高齢なので調べてみた猫たち

その猫たちは高齢で口臭が強く、
ドライフードよりウェットを好むので、
歯周病になっているのではと動物病院を受診。

獣医師が口の中を見るとやはり歯茎が赤く腫れており
欠けている歯もあった。
奥歯を抜歯して、スケーリングすることに。

予想通りひどい状態の歯が多く、
抜歯した歯でまともな形状のものはなかった。

奥歯以外の歯はスケーリングして歯垢が付きにくいよう磨いた。
結果、歯肉の炎症が改善し、口臭も薄くなった。

 

これらの猫たちの事例からわかったのは
猫の歯周病はほとんどの猫が抱える問題で
とくに高齢になるにつれ深刻化していること。

多くは気付かれずに悪化してしまうこと。
猫は我慢強く痛みに耐えており、
飼い主が気付いた時には遅すぎるかもしれないということです。

飼い主は猫が高齢になる前から時々
愛猫のお口の中をチェックする必要があります。

できれば歯磨きすることや、
スケーリングも検討してみるのが良いかもしれません。

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猫の歯周病は予防できる?

猫が歯周病になると食に直結するので
当人にとっては結構つらいもの。

予防できるならそれに越したことはないでしょう。
そのためには歯垢をためないことが肝要。

しかし
歯垢をためないようにするには歯磨きが最善ですが、
猫の歯磨きはかなり難しいですよね。

歯ブラシを使って歯磨きできているという飼い主は
なかなかいないと思います。

口を開けられることや口の中に指を入れられることは
猫にとって嫌なことですから抵抗が大きいでしょう。

猫が口をいじられるのを嫌がらないのであれば
指に巻いたガーゼに歯磨きペーストを付けて磨けるかもしれません。
でも大抵の猫はそれも嫌がるでしょう。

最も簡単な方法はデンタル用のおやつ、
デンタルガムなどの利用。

おやつとして食べさせるだけで歯垢を落とせるうえ、
総合栄養食の基準をクリアしているというから驚きです。

最近はもっと簡単な
なめさせるだけのジェルタイプの商品や、
飲み水に垂らすだけのドリンクタイプの商品もあります。

愛猫が歯周病かもという兆候が見られたら
簡単なデンタルケアを試してみることをお勧めします。

 

ここまで見ていただいたように
猫の歯周病は気付きにくく治療が遅れがち。

遅くなればなるほど治療が大変になり
猫と飼い主双方の負担が大きくなります。

ご自身が歯磨きする時、
愛猫の歯のことを思い出してください。

そして時々スキンシップの際に
愛猫のお口の中をチェックすることも習慣にして、
早めに気付いてあげるようにしましょう。

 

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