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猫が優しい、と言うと驚く人がいます。
猫のイメージとしてはちょっと冷たい感じがすると言うのです。
猫を飼っていない人には知る機会がありませんが、
実のところ猫は優しい生き物なのです。
猫の個性にもよりますが、愛されている猫の中には
飼い主を慰めたり、心配したり、かばったりする猫がいるのは事実。
今回は飼い主さんたちの証言をもとに
猫がどのように優しい行動をとったのか見てみましょう。
猫の優しい実例;失意の飼い主を慰める
①飼い主が人間関係で傷つき泣いていたとき
そっとそばに寄りそってきた猫が、顔を近づけ鼻をフンフンして異常を確認。
顔をなめ、涙をなめてくれた。
さらに自分の頭を飼い主の顔に斜めにこすりつけるようにスリスリ。
まるで「泣かないで!大好きだよ」と言っているかのよう。
飼い主は愛猫に慰められ、涙がいっそう出てしまったそうです。
②別の同居猫が死んだときの反応
動物病院から遺体となって帰宅した愛猫。
頑丈なダンボール箱の中で花に囲まれて眠っています。
飼い主は何も言葉を発することなく打ちひしがれている。
異常を感じた猫が部屋の入り口でのぞき込む。
しばらくして猫はゆっくり部屋に入り飼い主のそばに。
いつもと違う様子に戸惑っている様子でおとなしい。
傍らのダンボール箱は上が開いています。
いつもなら目の前の箱にはすぐ興味を示し入ってしまうのに近づこうとさえしません。
その中に仲間の遺体があることを知らないはずなのに、
近づくことを恐れているかのようです。
飼い主にそっと寄り添い、静かに手をなめ頭をこすりつけてきます。
「私も悲しい」と同じ悲しみを共有し、飼い主を慰めているようです。
猫の鋭い直感に驚くとともに、
悲しみや優しさを表す能力にも驚いた経験です。
③里親さん家庭内での出来事
母親と一人っ子の息子が珍しくケンカになった。
母親はその場から逃げて2階の部屋へ。
母親がひとり泣いていると、
いつもは2階へ上がることのない猫が入ってきた。
静かに母親に寄り添い頭をこすりつける。
そして涙をぬぐった手をなめるという普段やらない行動に。
母親の気が済むまで猫はそこにとどまり、
母親が階下へ降りると一緒に降りてきたのです。
飼い主はこれほど繊細に人を思いやる優しさがあることに驚き、
猫との強い絆を意識したと語りました。
猫の優しい実例;病気の飼い主を心配したり、かばったりする
①飼い主の体調が悪く、仕事を休んで寝ていたとき
いつもの朝と違うことに猫は気付いたのか、
飼い主が寝ているベッドにそっと飛び乗り、
飼い主をのぞき込むように顔を近づけ鼻でフンフン。
そっと顔に片手でチョンチョンさわってみる。
起きないのでそのまま枕もとで香箱座りして待機。
これは、
一日中飼い主と一緒にいられることを喜んでいるという見方もありますが、
飼い主の体調を心配して様子見していた、と飼い主は思っています。
②飼い主夫婦が大声で話しているのを見て、
ケンカしていると勘違いした猫の意外な行動
たまたま興奮状態になり大声で言い合う夫婦の間に
猫が鳴きながら割って入ってきた。
父親の方に向かって何やら強い口調で訴えます。
「ケンカやめて。お母さんをいじめないで」とでも言っているよう。
これには飼い主夫婦もビックリ。
「違うよ、ケンカしてるんじゃないよ」と釈明したそうです。
猫がとっさに母親の方をかばおうとしたことに
母親は感激することしきりだったそうです。
猫の優しい実例;仲間の猫を優しく慰める
優しい猫はときに飼い主を慰めてくれることがありますが、
仲間の猫にも優しい慰めを与えることがあるのです。
複数飼いの家で、
ある日飼い主に怒られた猫がひとり離れていじけていたとき、
優しい猫がそばに行き、体をスリスリしたりなめてあげたり。
いつもべったりしている猫同士ではないのに、
ひとりだけ怒られたことに同情したのでしょう。
気を取り直すよう慰めていることがわかりました。
なんて優しい猫なのかと思ったものです。
これらの経験からわかるのは、猫は優しい愛情深い生き物だということ。
猫も十人十色なのですべての猫がそうだというわけではありませんが、
上記のような経験をしたことのある飼い主さんは多いのです。
猫は飼い主にはもちろん格別の愛情を持っていますし、
仲間の猫にも愛情を持っています。
そして猫は飼い主との間に強い絆があり、仲間との間にも絆があり、
それは猫にとってとても大切なものなのです。
猫は命のないぬいぐるみのような存在ではありません。
生きている猫には意思と感情があり、
優しい愛情を示すことができる存在なのです。
猫は人との絆を育むことのできるパートナーとなりうることを
多くの人に知っていただきたいと思います。