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長毛猫はその美しい毛並みで多くの人に人気があります。
でも長毛種は毛玉ができやすく、
飼い主に苦労をかける猫なのです。
ここでは長毛猫の魅力について、
またそれゆえに生じる問題について見ていきます。
そして飼い主が努力する長毛猫の毛玉対策は、
短毛猫にも参考になりますので共に見ていきましょう。
長毛猫の魅力と問題
長毛猫の魅力はなんといってもゴージャスな毛並み。
長い被毛はツヤツヤと輝きがあって優しい手触り。
触った感触もふわふわ柔らかくて温かい。
長毛猫は黙って座っているだけでも圧倒的存在感!
そしてまさにキャッツアイのような瞳で見つめられたら・・
猫好きにはたまらない魅力です。
人気の長毛猫といえば、
ペルシャ、メインクーン、ラグドール、スコティッシュ、
ノルウェージャン、サイベリアン、ソマリ、などでしょうか。
なお、血統書付きでなくても長毛猫はいます。
遺棄された血統書猫かその子孫だと思いますが、
我が家の保護猫20匹のうち4匹が長毛猫です。
長毛猫はたいてい上品で落ち着いています。
性格は物静かで穏やか、
ほかの猫と友好的に生活できるだけでなく、
賢くて人なつこく、飼い主に従順、
温厚で優しいので猫にも人にも好かれます。
まれに気難しい猫もいますが、総じて穏やかです。
しかし
外見と性格、文句のつけようがない、
癒し効果抜群の長毛猫ですが、
その長毛ゆえの問題があるのです。
↓
◆世話に手間がかかる。
美しい毛並みを維持するにはブラッシングが必要。
毎日は無理でも頻繁にブラッシングするため、
時間と手間がかかります。
◆部屋の汚れが目立つ。
短毛の猫より抜け毛は多くなり、
部屋が埃っぽく汚れるので頻繁に掃除機をかける必要あり。
◆毛を多く飲み込むので胃の中に毛玉ができる。
毛が多く長いので、
どうしても短毛猫より多く飲み込むことになる。
結果毛玉を吐くことが多くなりがちで、
吐き出せない猫は毛球症になる可能性も生じます。
◆お尻周りの毛が汚れやすい。
毛が長いので、排便時に付きやすい。
下痢したりするとお尻周辺が大変なことになります。
◆最大の問題は体表面の毛玉。
毛が長くて密集しているので毛玉になりやすい。
首、脚の付け根、お腹などに、
部分的に固まり始めた毛を見逃すと、
そこから徐々に固まりは大きくなっていき、
ブラシでは取れない毛玉になってしまいます。
早いうちにハサミやバリカンで除去すれば良いのですが、
放っておくと毛玉は次々と増えていきます。
体表面の毛玉は長毛猫だけの問題ではありません。
短毛猫でも毛玉はできるのです。
病気や老齢のためグルーミングできなかったり、
長期間の汚れが粘着状になったりして、
全身の毛が鎧のように固まっている猫もいました。
長毛猫も短毛猫も、
固まった毛玉を自力で取ることはできないので、
飼い主が対策を講じる必要があります。
長毛猫の毛玉対策
長毛猫はみな毛玉予備軍と言えますが、
毛の質によって毛玉ができやすいかどうか
多少の違いがあるようです。
でも春と秋の換毛期は要注意の時期ですね。
換毛期には長毛猫も短毛猫も抜け毛が多くなり、
毛玉ができやすい状況となります。
猫自身が抜け毛を取り除くには限界があり、
グルーミングで飲み込む量が多いと今度は
胃から吐き出すべき毛球ができてしまいます。
ですのでどうしても
飼い主が毛玉対策を講じる必要があるのです。
対策としては次のような段階があります。
↓
① ブラッシングまたはカット
獣毛ブラシやコームでは物足りないので、
我が家ではスリッカーブラシを使っています。
ブラッシングを怠ると換毛期の長毛猫は
間違いなく毛玉ができ始めます。
でき始めの小さな毛玉はそこだけハサミでカット。
そしてブラッシングすれば目立ちません。
軍手のようなグルーミンググローブというのもありますが、
これはなでるだけで抜け毛が取れるので猫も人も楽です。
② バリカン
ハサミでカットするには大きくなってしまった毛玉、
これはバリカンで切り落とします。
皮膚を傷つけないように注意しつつ、
毛玉の根元にバリカンを入れるのです。
少し電気音がするので恐がる猫もいますので、
そんな時は二人がかりでやります。
③ 最後の手段は病院で丸刈り
あまりに毛玉が多かったり、
固まりが全身に広がっていたりする場合は、
動物病院で丸刈りしてもらうことになります。
ペット美容院では猫のトリミングはやらないので、
動物病院にお願いしなければなりません。
ただし麻酔をかけるのでリスクはあります。
猫の健康状態を確認して獣医師と相談の上です。
夏場の暑さ対策と兼ねて
サマーカットする飼い主もいますね。
長毛猫のライオンカットは、
いつもと違う雰囲気でカッコイイかもしれません。
ともあれ最後の手段まで講じるのではなく、
定期的なブラッシングで毛玉を予防するのが最善です。
コミュニケーションの一環としてルーティン化するなら、
猫もブラッシングを心地よく感じるようになるでしょう。
また、抜け毛が減ることでお掃除が楽になりますし、
ノミやダニ、皮膚病の早期発見にもつながります。
猫と飼い主双方の益のため、
ぜひ定期的なブラッシングを心がけていきましょう。