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猫を動物病院にかけると費用がかかりすぎると嘆く飼い主は多いですね。
じつは動物病院の治療費が高額になるもっともな理由があるのです。
平均的な動物病院の診療料金とともにご覧ください。
また飼い主の負担軽減のための対策がないわけではありません。
いくつか方法をご紹介しますので参考にしていただければと思います。
猫が動物病院でかかる費用の一般的な金額例
猫が生涯中動物病院にかかる治療費はどれくらいかご存知ですか?
日本獣医師会の「家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査」によると、
猫にかかる動物病院の費用は、年間で約84,000円(平成27年度)。
平均寿命15年とすると、84,000 x 15 = 1,260,000
これは平均の治療費であり、
すべての猫にかかる費用ではありません。
人間の場合もそうですが、
病気になるかならないかは個体差があり、
どんな病気になるかは誰にもわかりません。
中にはほとんど動物病院のお世話にならない猫もいますし、
難しい病気になってしょっちゅう病院通いする猫もいるのです。
猫が大きな病気になってとんでもない治療費がかかると、
飼い主の経済的負担は相当なものです。
たとえば、リンパ腫で抗癌剤治療をするとなると、
ひと月あたりの費用が約10万円と言われますので、
1年で120万円になってしまいます。
治療がどれくらいの期間続けられるか、
寛解に至るのかどうかは猫によって異なるのですが・・
それほどの重大な病気ではなく、
猫がよくかかる一般的な病気なら
上記の平均的な費用になると考えられます。
猫飼い初心者の飼い主にとっては少なからぬ出費です。
ではここで動物病院の治療費の具体例を調べてみましょう。
↓
初診料;1,000円~1,300円
再診料;500円~750円
爪切り;500円~700円
尿検査、糞便検査;800円~1,500円
ワクチン;3種混合3,000~4,500円
FIV&FeLV検査;3,000円~5,000円
血液検査;1項目500円~700円
レントゲン検査;3,000円~6,000円
エコー検査; 3,000円~7,000円
去勢手術 ; 12,000円~18,000円
避妊手術 ; 20,000円~28,000円
入院費用 ;1日2,000円~10,000円
以上はよくある検査や処置の目安となる料金です。
異なる場合もありますので
各動物病院のホームページで調べたり
問い合わせたりしてみましょう。
猫の動物病院でかかる費用が高額なわけ
猫の動物病院でかかる費用が高額になるのは
次のような大きな理由があります。
◆ 猫には公的な健康保険制度がない。
人間には公的な健康保険制度というものがあり、
多くの人は病院受診した場合、医療費の3割負担での支払い、
乳幼児や高齢者は1割または2割負担となっていますね。
しかし、猫にはそのような健康保険制度はありません。
動物病院を受診したら全額自己負担となるのです。
◆ 動物病院は自由診療で獣医師が自由に治療費を決めることができる。
動物病院の診療料金は、独占禁止法によって、
獣医師会等の獣医師団体が基準料金を決めたり、
獣医師同士が協定して料金を決めたりすることが禁じられています。
変な話ですが、獣医師は各自が料金を設定し、
競争できる体制を維持しなければならないのです。
したがって動物病院によって料金が異なるのは当然のこと。
良心的な設定の動物病院もあれば、
驚くほど高額な料金の動物病院もあります。
◆ 医療のレベルによる料金差がある。
医療レベルの違いとは、獣医師の技術の違いではなく、
検査や治療のための設備機器の違いです。
高度な設備を備えた動物病院ならコストがかかっていますので、
診療料金は高くならざるをえません。
また集客のため近代的できれいな動物病院を建てたのなら
その分も料金に反映されることになるでしょう。
猫の動物病院でかかる高額な費用に備える対策
では猫の動物病院でかかる高額な費用に対して
飼い主は黙って従うしかないのでしょうか?
もちろん支払わなければなりませんが、
経済的に苦しいと感じる人は多いでしょう。
少しでも出費を抑えるために何らかの対策を
考えておいたほうが良いのかもしれません。
どのような対策があるでしょうか?
いくつか検討してみましょう。
★ペット保険に加入する
動物病院の費用が高額であっても、
犬や猫を病院にかける飼い主は増えています。
それに伴い最近はペット保険を扱う会社が増えていて、
選ぶのに迷ってしまうほどです。
通院治療、入院、手術にかかった費用に対して、
大抵は補償割合に応じて保険金支給されます。
補償割合は50%、70%、100%などと分かれていて、
保険料はそれに応じて高くなっていきます。
保険金の受け取りに関しては、
動物病院の窓口ですぐに精算できるものと
一旦全額を支払い後日保険会社に請求するものとの2つ。
注意しなければならないのは、免責事項。
年齢制限があったり、エイズキャリアや障害ある子は入れない、
また年齢があがるにつれて保険料が高くなっていく、等
人間の保険と同様、よ~く確認しないとあとで後悔します。
★猫貯金をして備える
いざという時のために毎月コツコツ猫貯金をして備えるわけです。
でも単なる貯金ではよほどの決意がないと崩れやすいので、
口座から自動振替の積立貯金が確実かもしれません。
★かかりつけの動物病院に相談する
いつもお世話になっているかかりつけの動物病院なら、
なるべく費用がかからないような治療をお願いしたり、
分割払いをお願いしたりしてみるのが良いかもしれません。
こちらの事情を理解してくれる獣医師なら
相談に応じてくれるかもしれませんので。
★ペットローンを利用する
カードローンはよく利用されていますが、
ペットローンというものもあるそうです。
スルガ銀行とイオン銀行の2社が取り扱っている動物医療ローン、
審査は厳しいもののほかのローンより金利が安くなっています。
★末期の病院治療はしないと決めておく
毎年のワクチン接種や軽い風邪程度の場合は通院するとしても、
完治の難しい病気の場合、とくに末期状態となった場合は
病院治療はしないと決めておく。
と言っても全く何もしないわけではなく、
獣医師と相談の上自宅で療養するということです。
末期となれば毎日の通院や種々の薬剤を用いるなど
治療費が高額になりがち。
また猫にとっては動物病院は行きたくない嫌な場所。
具合が悪いのにさらにストレスがかかります。
ですので最後はもう病院治療はせずに
苦痛をやわらげる程度の薬で自宅療養をする方が
猫は穏やかに過ごせると思うのです。
そして、できるだけ多くの時間そばにいてあげるなら
猫は喜んでくれるでしょう。
以上
猫を動物病院にかけると費用がかさむこと、
そして高額になる理由と、
それに備えるいくつかの対策を見てきました。
猫が若いうちはあまり動物病院の必要性は感じないかもしれませんが、
いつか必ず必要になります。
緊急性のないうちから心がけておくのは良いことです。
近隣の動物病院についてリサーチし
近所の評判やネットの口コミなどを参考に情報収集しておきましょう。