この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。
子猫を保護して自分で飼うことにする人は少なくありません。
でもやむを得ない理由で里親探しをする人もいます。
ではその人がどのように里親探しをして、
どのように里親さんを決めればよいか、
ボランティアが行なっている基準を参考にお伝えします。
子猫を保護した人が里親探しをする理由
子猫を見つけ保護した人は、
その後その子猫をどうすべきか考えます。
しばらくは自分でその子猫を世話しますが、
里親を探して委ねることにするかもしれませんし、
終生自分の飼い猫として育てようと決める人もいます。
可愛そうな子猫を見て胸が痛み、やむなく保護した人は
多くの場合自分で飼うことにするようです。
子猫は世話が大変ですけれども何しろ可愛い。
姿や仕草のひとつひとつが可愛いのです。
日が経つごとに情が移り手放したくなくなるのが人情。
それまで猫がいなかったのであればなおのこと、
運命の出会いだったと思わざるをえません。
しかし
自分で飼うことは難しいという人も少なくありません。
・自宅ですでに複数の猫を飼っている、
これ以上増やすと多頭飼育になってしまう。
最悪の場合多頭崩壊のニュース沙汰になるかもしれない
という不安がある。
・じつは自宅はペット禁止の賃貸である。
ペット可の住まいに引っ越すには費用がかかりすぎる。
・自分の年令を考えると、子猫が20年生きるとして
最後まで元気に世話できるかどうかわからない。
・家族の中に猫アレルギーの人がいる。
軽度の症状ならある程度対策できるが、
重度となると我慢を強いるわけにはいかない。
このような事情の人は自分では飼えないという結論になり、
里親を探さなければなりません。
保護した子猫の里親探しをする方法
里親探しは子猫に限らず成猫でも同じ方法になります。
・まずは身近な友人知人に声をかける。
親戚、ご近所、職場などで子猫を飼えそうな人はいないか、
かわいい写真を見せて尋ねてみる。
・SNSを利用する。
ツイッター、フェイスブック、インスタに子猫の写真をのせて
里親募集する。
最近はインスタが良い成果につながるようです。
・子猫の里親募集サイトに登録する。
ネコジルシ、ペットのおうち、その他
里親募集のマッチングサイトは近年増えています。
・動物病院やスーパーなどにチラシを貼ってもらう
人目を引くような自作の里親募集チラシを近隣のスーパーや
動物病院に貼らせてもらう。
ネット上で情報があふれすぎている中で、
アナログなやり方が意外とウケる場合もあります。
・ボランティア団体に相談、譲渡会に参加させてもらう。
ボランティア団体には子猫の処遇に関する良案があるかもしれません。
もしかすると引き取り先を紹介してくれたり、
譲渡会に参加させてくれるかもしれません。
譲渡会に参加するには次の条件を満たす必要があります。
2回のワクチン接種、駆虫、ウィルス検査、この3点は必須。
そして皮膚病や鼻気管炎があれば治療してから。
人懐こくてなでたり抱っこしたりできることが前提なので、
人馴れさせることも必要です。
子猫は大抵すぐになつかせられますね。
上記の方法を本気で実行するなら
どこかの時点で子猫の里親さんが見つかるでしょう。
子猫の里親さんをどのように決めるか
子猫の里親探しを一生懸命行なっていると、
申込みが一つでもあると非常に嬉しくなるものです。
すぐにでも譲渡したくなるかもしれません。
しかし、相手は誰でも良いわけではありません。
せっかく保護して病院にかけ、大事に育てた可愛い子猫、
家族の一員として迎え入れ、
終生可愛がってくれる人に託したいものです。
大丈夫な相手なのかどうか確認したいところですが、
ネット上だと相手が見えません。
メールのやり取りをする中で相手の人柄などを見るわけですが、
鋭敏さと慎重さが求められます。
万が一にも虐待者に渡してしまうことがないよう
気をつけなければならないのです。
猫がほしいのはネコ好きの人だけではなく、
虐待者も猫を手に入れようと狙っていますから。
警戒することなく譲渡してしまい最悪の結果になった
という話を何度か耳にしたことがあります。
そのような後悔をしたくないので、
ネット上の里親募集の場合、私たちは次のような対応をします。
・県外から申込みという場合、
そちらの県内にも譲渡会を開いているところはあるはずなので、
わざわざ遠方にではなくそちらに申し込むよう促す。
・県内でも遠いからという理由で
お互いの中間地点で待ち合わせて猫を渡すということはしない。
・必ず申込み者のご自宅まで伺って住宅確認、
そして面談の上で譲渡を決める。
ネットではなく譲渡会など対面の申込みという場合でも
私たちの方法は同様です。
・まず当日のお渡しはしません。
・申込者のお宅訪問をしてご自宅確認。
完全室内飼いが条件なので
脱走させない家かどうかを見せていただきます。
・そこに先住猫や他の動物がいれば
相性や住み分けを考える必要があるでしょう。
トライアル期間を設けているのは、
ご家族や先住猫との相性を見るためです。
そこまで慎重にやるのは結構時間もかかり面倒でもあります。
でも子猫を守るための必要不可欠な労力だと思っています。
そして、安心して子猫を託すことができれば
苦労が報われたような気がしますし、
後日写真等で幸せな姿を見せていただくと
私たちには大きな喜びとなるのです。
子猫を保護して里親探しをしている方は
ぜひ参考になさってください。