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猫をお風呂でシャンプーしようと考える人がいるようです。
基本的に猫はお風呂で洗う必要がないのです。
その理由を知っていただければと思います。
でも例外的に洗わなければならない状況があるのも確か。
どんな場合にどのように行なうか、
私たちが具体的に行なっているやり方をご紹介します。
猫をお風呂で洗う必要はありません
猫を初めて飼う人にこんな質問をされたことがあります。
「お風呂に入れるのはどれくらいの頻度が良いですか?」
猫をお風呂に入れる頻度?
犬と間違っているのではと驚き問い返すと、
当人はいたって真面目。
本気でお風呂が必要と思っていたようです。
いいえ、猫にお風呂は必要ありません。
そもそも猫は身体が水に濡れるのを嫌がります。
ましてシャンプーなんてとんでもなく嫌なことです。
猫は基本的に自分でグルーミングすることによって
身体をきれいにしています。
室内飼いの猫がお風呂で洗うほど汚れることはないでしょう。
多少被毛の汚れが気になるのであれば
お手入れシートで拭くだけでも良いですし、
普段十分にブラッシングしていれば
汚れが気になることはないと思います。
また犬と違って猫はほとんど体臭を感じさせません。
これもグルーミングの成果ですが。
ですので猫をお風呂できれいにしなければならない状況は
基本的に生じないのです。
どうやらその人が猫をお風呂に入れようと思ったのは
YouTubeの影響のようでした。
YouTubeにはかわいい子猫の動画などがたくさんあります。
中にはまったりとお湯に浸かっている子猫の動画も。
それはそれはかわいいことこの上なし。
しかし
これはよっぽど稀な例です。
猫がみんなお風呂を喜ぶと思ったら大間違い!
ほとんどの猫がお湯に入れようとする時点で
嫌がって逃げてしまうでしょう。
無理に押さえつけたら大暴れするかもしれません。
引っかいたり噛みついたりすることもあるでしょう。
もちろん猫にとっては大きなストレス、
水への恐怖から飼い主に不信感を持ってしまうかもしれません。
この人にはこの質問を通して猫のことを知っていただけて
良かったと思いました。
それにしても
テレビやYouTubeの影響は大きいと改めて感じました。
猫をはじめかわいいペットたちが登場する人気番組は
多くの人の心を引き付けます。
YouTubeでもかわいい猫の動画は人気です。
でも大抵は視聴者を感動させるように
編集されていたりするのですが・・。
こんな時は猫をお風呂で洗っても良い例外
猫にお風呂は基本的に必要ないのですが、
放っておけない汚れの場合は例外です。
たとえば下痢ウンチがお尻周りの被毛にベッタリ、
なんて場合はお手入れシートでも拭ききれません。
もしこれが長毛猫なら最悪!
そのままにしていたら猫の寝床だけでなく
室内のあちこちに付いてしまうかもしれません。
普通猫は排便の後お尻をなめてキレイにするのですが、
さすがにウンチそのものはなめたくないようです。
しきりにその周りをなめるので
とても不快で気になっているようではあります。
これはお風呂場で部分洗いするしかありません。
嫌がる猫をなだめつつぬるま湯シャワーで洗います。
また、ちょっと脱走した猫が泥足で帰ってきた
なんて場合も、その足で室内を歩かれては困るので
お風呂場で泥足を洗うしかないでしょう。
外猫を保護する機会の多いボランティアは
しばしば猫をお風呂で洗う場面があります。
外猫は大抵汚れていますし、
ノミやダニも付いていることがほとんど。
さほどひどくなければそのままですが、
猫がおとなしくて落ち着いているなら
病院へ行く前にお風呂場で洗うことにする場合もあります。
ある子猫の例は外猫暮らしの実情を思わせるものでした。
痒そうに後ろ脚で掻きまくっていたので見てみると、
ノミがたくさんうごめいています。
バケツにぬるま湯をはって、
子猫をそうっと後ろ足から入れていくと、
溺れまいとするノミが続々と頭の方に上ってくる。
その数の多さにビックリ (;゚Д゚)
保護されなかったら子猫は貧血や皮膚病になって
悲惨な状態に陥っていたでしょう。
以上のような例はあくまでも例外です。
しつこいようですが、
完全室内飼いのきれいな猫にお風呂やシャンプーは
基本的に必要ありません。
でも例外的に洗わなければならない場合
どのように注意して行なえば良いでしょうか?
猫をお風呂でシャンプーしなければならない時
猫をお風呂で洗わなければならない、
しかもシャンプーを使った方が良いほど、という場合
慎重に注意深く行ないます。
まず、猫の体調が大丈夫かどうか見てからです。
熱はないか、傷はないか、妊娠してないか、
また、ワクチン接種した直後ではない、
手術した直後ではない、等を確認してから決めます。
次に必要なものを準備して、
できれば二人がかりで行なう方が安心。
ペット用バスタブ、または大きめの洗面器。
猫が恐がらないようお湯シャワーで少しづつ流します。
温度は37、38度くらい、
熱すぎないよう気をつけましょう。
目や耳に水分が入らないよう
頭には少しずつ小さなタオルでかけます。
シャンプーは猫専用シャンプー。
人間用のは刺激が強いので使いません。
シャンプーしたら
成分が残らないよう念入りに流します。
猫は必ず後でグルーミングしますので、
シャンプー成分を飲み込んだら大変です。
洗い終えたら大きめのバスタオルで全身をくるむ。
そしてある程度水分を拭き取ったら、
猫を自由に放します。
走り回ったり身体を振ったりして水分を飛ばそうとし、
グルーミングで嫌な匂いを取り
気分を落ち着かせようとします。
そして
ひとりが抱っこしてなだめながら、
もうひとりが少し離れてドライヤーをかけて乾かします。
最後の仕上げはブラッシングですが、
この一連の作業をひとりで行なうのは結構大変。
おとなしい猫ならともかく、
抵抗する猫ならやはり二人でやる方が安心ですね。
以上、
猫は基本的にお風呂もシャンプーも必要ありませんが、
例外的にお風呂で洗わなければならない時の
具体的なやり方でした。