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猫が腎不全に!余命が心配になる不治の病

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

腎不全の余命は

猫が“腎不全”と宣告されると、
大きなショックを受ける飼い主は多いです。

猫の腎不全は死亡率の高い不治の病と言われていますから。

では腎不全とはどのような病気なのか、
原因は何か、予防はできないのか等調べてみましょう。

また重症の場合余命はどれくらいか知りたいところですが、
検査法に関する情報を知っておくなら助けになります。

腎不全で亡くなった猫たちの事例も交えて
この病気の辛さと実情をご紹介します。

 

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猫の腎不全は死亡率の高い不治の病

腎不全とは腎臓が正常に機能しなくなった状態を言います。

腎臓の働きはおもに体の中の老廃物や毒素を尿と一緒に排出すること。
血液から尿を作るので、血液中のイオンバランスを保ったり、
血圧を調節する働きもあります。

この機能が低下して腎臓が徐々にダメージを受けても、
はっきりとした病状には表れないのが問題。

腎臓は一度壊れたら治らないのですが、
当初はなかなか異常に気づかないのです。

動物病院で“腎臓病”と宣告されても今ひとつピンとこない、
本猫は結構元気なんだけど、と飼い主は思ったりします。

獣医師に指摘されて思い当たるのは“多飲多尿”。
水をたくさん飲み、たくさんおしっこをするようになったと気付く。

腎機が尿を濃縮できなくなり大量に薄い尿を出すので、
水をたくさん飲むようになるのです。

このときすでに腎臓機能は正常値の4分の1ほどになっている
という事実に大抵の飼い主は愕然とします。

しかも壊れた腎臓はもう元に戻らないのです。
なぜもっと早くわからなかったのかと、飼い主は大ショック!

水をたくさん飲むようになった、よくトイレに行くようになったという時点で
病院へ連れて行き検査する飼い主は意外と少ないかもしれません。

もう少し症状が進んでから、
食欲が落ちて痩せてきたとか、吐くことが多くなったとかで
さすがに心配になって病院へ連れて行く人の方が多いと思います。

でもその時にはもう腎不全は相当進行しているのです。
完治は望めません。

少しでも進行を遅らせ、症状を和らげる、という治療法をとるしかありません。
補液、内服薬、療法食というセットで、サプリの利用もあります。

それらにおとなしく応じてくれる猫なら良いのですが、
最初は結構抵抗されるかもしれません。

エサの好みがうるさい猫だと療法食を食べてくれなかったりして
飼い主はとても苦労することになります。

そこから長くて辛い闘病生活が始まるのです。

腎不全は長い年月をかけて徐々に進行するので“慢性腎臓病”とも言われ、
シニア猫の多くが発症し、高齢猫の死因トップの病気とも言われています。

腎臓が壊れてからでは遅いので、つまりシニアになってからでは遅いので、
若いうちから予防を意識していきたいものです。

とくに重要なのはエサと水。
これが大きな原因であることが多いのです。

塩分の多いおやつや人間の食べ物を与えないこと、
質の良いフードを選ぶこと、きれいな水を十分備えていること、
早くからそのような食事管理をして腎不全の予防を心がけましょう。

そして、定期的な検査も有益です。

若いから大丈夫と考えるのではなく年に一度は健康診断を受け、
血液検査と尿検査の数値で現在の状態を把握しておきましょう。

 

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猫が腎不全になったら検査で余命判断できる?

腎不全が治らない不治の病とすると、
発症した愛猫の余命はどれくらいなのか心配になりますね。

余命を知るには猫の腎臓の状態を知る必要があります。
そのためには検査することです。

血液検査で参考にする項目は
●BUN(尿素窒素) ●CRE(クレアチニン) ●P(リン)

これらの数値が正常の範囲内であれば問題ないのですが、
腎不全の猫は標準よりかなり高くなっています。

尿検査では
●比重 ●尿タンパク ●尿タンパククレアチニン比 を見ます。

病院で検査することができますが、
できれば自宅で尿を取って持参すれば猫への負担も少ないですね。

これらの検査項目がどれほどの数値かによって
獣医師は病状の程度を判断し、

大体の余命を予測できるのですが、
個体差があるので一概には言えないかもしれません。

治療をあきらめてほしくないのと、
予測より短く、あるいは長く生きる場合も現実にあるので、
獣医師としては断言できないのです。

最近では“SDMA”という検査法も出てきました。

これは血液の外注検査で、腎臓機能を知る新しい指標、
クレアチニンで判定するより1年以上早く異常を発見できるそうです。

しかし検査数値のブレが大きいので一度の検査だけでは判断できず、
既存の検査と組み合わせることが必要とのこと。

獣医師に相談して検査してもらうのも良いかもしれません。

 

腎不全だった猫の残念な実例

◆それは時々エサをもらいに来るメスの野良猫でした。

野良が増えないようにと捕獲して避妊手術を施し
リリースする予定でした。

手術後一週間の保護期間に、穏やかで人を嫌がらない性格とわかり、
リリースではなく里親に出すことに方針転換。

保護宅でのほかの猫たちとの関係に問題はなく、
保護主を困らせるような要素は何もありません。

すぐに申し込みはないものの
数回の里親会を経て里親に行けると思っていました。

しかしやがて
いつも静かな猫の状態が気になり出します。

手術時の血液検査で腎数値が高めだったので、
腎臓に配慮したエサを与えて2か月後に再検査。

腎数値はやはり高め。
療法食に変え、サプリメントも与えて改善を図りました。

しかしながら期待する結果にはならず、
むしろ徐々に悪化していきました。

長期にわたる病院治療は補液と投薬、定期的な検査。

やがて自宅での補液に変更し、補液量も増量。

もはや完治はあきらめ、少しでも長く生きていてほしい、
あまり苦しまないでほしいという気持ちでした。

猫はエサは食べるもののほとんど動かない状態。
怠惰に見えるのは具合が悪く動きたくないからです。

そして徐々に食欲が落ち、頻繁な吐き気に苦しめられ、
けいれんを起こすようになると、さすがにもう無理とわかります。

最期が近いと覚悟していた通り、
ある日容態が変わって息を引き取りました。

この猫は長い野良生活の結果
腎臓が壊れてしまっていたのでしょう。

猫生の最後の期間だけでも人と暮らし、
温かい部屋で十分なエサを食べることができてよかったと思います。

◆その親子猫の飼い主はあまり知識がありませんでした。

親子ともメスで避妊手術とワクチンはしていますが、
食べ物にはさほど気を使ってはいませんでした。

人間の食卓の魚や肉を欲しがれば時折与えたり、
エサはスーパーなどで適当に選んでいたようです。

親子猫が10才を過ぎた頃からおとなしくなったのは、
年を取ったからだと話していました。

あまり病気の心配をすることはなく、
病院での健康診断を受けることはありませんでした。

しかし、食が細りたびたび吐くようになったので
病院を受診すると腎不全という結果。

腎不全は、明らかな症状が出たときにはすでに相当進行しています。

1才違いの親子猫はともに同じ症状を呈し、
1年おきに亡くなりました。

愛猫を続けて亡くした飼い主はペットロスに陥りましたが、
食べ物の重要性と定期検査の必要性を痛いほど認識したそうです。

以上残念な実例をご紹介しましたが、
腎不全は多くの猫がかかる、よくある病気です。

でも前述したように、わかったときにはすでに手遅れで
死亡率の高い辛い病気なのです。

原因と予防で重要なのは食事管理と定期検査。
早くからそれを意識して愛猫を守っていただければと思います。

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