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猫が爪とぎするたびにすり減っていく柱、
ボロボロになっていく壁紙、ソファー。
猫に爪とぎされて困るのは、人と暮らす飼い猫だからこその問題。
どのように対策すれば良いでしょうか?
発想を転換して考える必要があるようです。
猫の爪とぎを止められないのであれば、
むしろ思いっきりやってもらうのはどうでしょう。
ここでは最初に猫が爪とぎをやめられない理由を調べ、
次に猫と仲良く暮らしていくための爪とぎ対策を考えます。
実際に我が家の猫たちの事例を参考にご紹介いたしますので、
愛猫にとって最良の対策を見つけていただければと思います。
猫の爪とぎは止められない
猫の爪とぎは本能に組み込まれているので止められない。
確かにその通りです。
猫は小さな子猫の時から爪とぎの仕草をしますから。
そしてある人たちが考えるいくつかの提案は、
我が家では次のような結果となりました。
* 子猫のうちからしつけることはできないのでしょうか?
→ 猫にしつけは難しく、
しつけで本能を封じることは不可能です。
* 爪とぎしなくても良いように
定期的に爪切りするのはどうでしょうか?
→ 少しは効果ありそうですが、
爪切りしたはずの猫も、やはり爪とぎしてました。
* 別なことに注意を向けさせるのはどうでしょうか?
→ 爪とぎし始めたとき注意をそらそうと、
猫じゃらしで目一杯遊ばせたところ、
ハッスルした勢いでバリバリ爪とぎしてました。
やはり爪とぎの本能は止められないようです。
確実に爪とぎが減ったと言えるのは高齢の猫に関してです。
爪とぎは若い猫ほど活発で熱心な行ない。
高齢になり活動量が低下してくるにつれ
爪とぎする機会も減ってきます。
この頃になると、ほとんど爪とぎしない猫もいて
具合悪いのでは?とむしろ心配になるほどです。
とはいえ、それまで待つのは無理!
ここで、発想の転換が求められます。
爪とぎを止められないのであれば、
無理に止めるのではなく、しても良いところで爪とぎさせる。
飼い主を困らせない状態で思う存分爪とぎしてもらうなら
お互い穏やかな気持ちで暮らすことができますよね。
まず最初に猫が爪とぎする理由を確認しておきましょう。
一般的に爪をとぐ理由と言われているのは次のようなこと。
↓
・爪の手入れ
・爪とぎでマーキングする
・ストレス解消&気分転換
・自己アピール
実際にはどうでしょうか?
我が家の猫たちを見ていると
野良猫と飼い猫とでは重要度が異なることがわかります。
爪とぎをして古い爪の外層を取り除く爪の手入れ。
飼い猫もこれは確かにやっているようです。
ときどき古い爪が落ちていることがありますので。
でも、飼い猫がケンカや木登りのために爪を研ぐ必要はありません。
また、爪とぎした場所に臭いをこすりつけるマーキングも不要です。
飼い猫にとってはその家全体が自分の縄張りで
飼い主に守られている安全な場所なのです。
あえてマーキングする必要性は低いでしょう。
飼い猫が爪をとぐのは上記理由の後半にあるようです。
飼い主に注目してほしいときや、
ほかの猫に自分の存在を見せつけたいときの自己アピール。
飼い主に怒られたり、構ってもらえなくて面白くないときの
ストレス解消、または気分転換。
これらはしばしば目にします。
猫にも感情があるのですから。
ですので、ちょっとした気分転換を
いつでも行なえるようにしてあげれば猫は満足でしょう。
爪とぎ対策は猫との生活に不可欠
猫と仲良く暮らしていくための爪とぎ対策。
発想の転換で考える対策とは↓
まずは
爪とぎされると困る場所は、したくなくなるようにする。
そして同時に
爪とぎしても良い場所を準備して爪とぎしてもらうということ。
具体的に我が家で行った対策はこうです。
↓
爪とぎされると困る場所、ソファー、壁、柱などに
保護シートを貼り付ける。
クリアファイルのようなつるつる素材でカバーすれば、
爪が引っかからないので、爪とぎできません。
するとそこはあきらめざるをえませんね。
日本家屋の我が家の場合、
襖や障子、柱がよく狙われました。
襖;一度引っかかれて切れ目の入った襖紙は
爪とぎしやすいのでどんどん広げていきます。
ここは、みすぼらしくなった襖紙をはがし、
猫の手が届く位置まで白い塩ビ版を貼り付けました。
つるつるして引っかかりがないので、
猫はここをあきらめました。
障子;障子紙が破られるだけでなく、
障子枠が削られ次第に細くなっていきます。
ホームセンターで寸法の合う木材を数本購入し、
その障子枠をカバーするように囲みました。
猫はこの木材で爪とぎするようになりました。
太い柱;扉脇の太い柱も爪とぎしたくなる場所。
柱は大事なので傷が浅いうちにつるつるの保護シートを貼り付け、
ここはあきらめてもらいました。
そして
爪とぎする場所をなくしただけでは猫のストレスが増幅するので
代わりの爪とぎ場所を与えなければなりません。
心置きなく爪とぎしてストレス解消や気分転換できるよう、
いくつかの爪とぎを各所におきます。
爪とぎは材質や形状がいろいろあるので、
どれが好みかいくつか試してみましょう。
手作りも良いかもしれません。
また、爪とぎ付きのキャットタワーも猫には大好評。
我が家では大きめのキャットタワーに変えたところ、
麻縄の巻かれた爪とぎ部分が早くもバサバサになりました。
すべて解かれてしまう前に今度は綿縄で補修する予定です。
猫の好きな爪とぎを見定める
猫に気持ちよく爪とぎしてもらうためには
猫の好きな爪とぎを見定める必要があります。
市販の爪とぎは様々なタイプがありますので、
その中から猫が好みそうなものを選んで試してみることです。
①材質は次のような種類があります。
→ 紙・ダンボール製、麻縄・綿縄製、木材製、布製
ダンボール製は最もポピュラーでほとんどの猫が好む爪とぎ。
価格が手頃で何カ所にも置くことができるのが利点。
我が家でもあちこちに置いてあります。
ただ、摩耗が早く削られたゴミが多いので
こまめな掃除と頻繁な交換が必要になります。
麻縄・綿縄製はキャットタワーに巻いてあるもので丈夫で長持ち。
摩耗したら自分で新たに巻き直して使えるのが利点です。
木材製は猫が喜ぶかと思われがちですが、
意外と好みが分かれます。
ほとんど見向きもしない猫もいれば、
壊れるまで削る猫もいます。
布製はカーペットのような素材を木材やプラスチックに
貼り付けたもので、カラフルでおしゃれなデザインもあります。
でも床に布カーペットを敷いてある家では避けたほうが無難かも。
猫がそこでも爪とぎして良いと勘違いするかもしれませんので。
②形状も猫の好みを考えましょう。
→ 床置き型、立てかけ型、貼り付け型、タワー型
よくある床置き型はダンボール製で、
長方形、円形、ベッド型、アーム型、と形は様々。
至るところに複数おけるので便利。
広さがあると猫はそこで寝たりもします。
立てかけ型は猫が立ちあがって爪とぎできるもの。
高さと安定感があれば最高です。
貼り付け型はソファーなどに貼り付けて固定するので
抜群の安定感、猫が力いっぱい爪とぎしても安心です。
タワー型は、一本だけのものから複雑なキャットタワーまで各種。
運動不足解消にもなり猫は大満足です。
以上数ある爪とぎの中から我が家でもいくつか試してみましたが、
ある程度の大きさと安定感のあるものが好評でした。
お宅の猫の行動をよく観察して好みの爪とぎを見定め、
室内を爪とぎしても良い状態に整えて
思う存分爪とぎしてもらいましょう。
猫と飼い主がお互いストレスなく
穏やかな生活をおくれますように。