スポンサーリンク

猫の多頭飼育、誰もが崩壊するとは限らない

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

猫の多頭飼育崩壊

猫を多頭飼育して、崩壊に陥ったというニュースが最近増えています。
いくつかの事例からその状況や原因を探ってみます。

じつは多頭飼育しても誰もが崩壊するとは限りません。
崩壊する人としない人には違いがあります。
多頭飼育崩壊を防ぐ方策と併せて参考にご覧ください。

 

スポンサーリンク
スポンサーリンク

猫の多頭飼育崩壊のニュースが増えている

ある人が猫を複数飼っている、つまり多頭飼育していると聞くと、
“多頭飼育崩壊”という言葉を連想してしまいます。

それほど多頭飼育崩壊のニュースが最近多いのです。

いくつかの事例を見てみると

▲動物愛護法違反容疑で逮捕された女は猫38匹を劣悪な環境で飼育。

床には猫のふん尿や猫の毛などが数センチの高さに堆積、
鼻を刺すような強烈な臭い。

家財道具のほか、ケージ、ゴミ、空のペットボトルなどが散乱する中、
猫が動き回っており、亡くなった猫の死骸もあった。

▲ひとり暮らしの老人が孤独死、残された約20匹の猫。

家の中はとんでもなく荒れ果てており、
寝る場所もないほどゴミと猫の糞尿まみれ。

老人の生前から十分なエサがなかったようで健康状態の悪い猫が多く、
ボランティア団体に保護されたものの数匹亡くなった。

▲猫好きの親子が飼っていた血統書猫、不妊手術せずに約40匹。

エアコンが故障した室内はひどい汚れと悪臭にもかかわらず、
二人は子猫を可愛がるばかり。

トイレの世話やエサが十分でないため猫たちは飢えとストレスで
子猫を食べてしまう状況もあった。

▲民家で約170匹の猫を飼っていたひとり暮らしの高齢男性、
体調を崩して入院、多頭飼育崩壊に陥った。

一軒家とはいえ170匹となると、屋内は悲惨な状態。
耐え難い悪臭などは上記の事例以上。

動物愛護団体の介入がなければ人も猫も助からなかったでしょう。

▲ブリーダーの男性が入院して、国内最大規模の多頭飼育崩壊。
猫の数なんと250匹。

ブリーダーだから不妊手術はしておらず、増えすぎた。
当人とパート従業員の2人だけでは世話しきれないのは明らか。

動物愛護団体が介入して飼育環境の改善や里親探しが行われた。

 

このような多頭飼育崩壊のニュース、
最近多いようですがじつは氷山の一角。

知られていない多頭飼育崩壊は
身近な地域の中でひそかに存在しており公にならないだけです。

おそらくひとつの県内だけでも相当数でしょう。

ボランティア団体は規模の大小様々いくつもありますが、
私たちのボランティアグループだけでも近隣で
すでに何件もの多頭飼育崩壊現場に関わってきました。

日本国中見渡せばその数は計り知れないと思います。

しかし

猫を多頭飼育している人が皆崩壊するとは限らないのです。

猫の多頭飼育は崩壊の危険

 

 

 

猫の多頭飼育、崩壊する人しない人の違い

猫を多頭飼育すると誰でも崩壊に陥るとは限りません。

ボランティアではない一般の人でも多頭飼育している人はいて、
崩壊しないでやっているのです。

では、どんな人が崩壊しやすいのでしょうか?

「猫と高齢者問題」のページでも紹介しましたが、
圧倒的に多いのは高齢者です。

とくにひとり暮らしで孤立している人、
寂しさから庭に現れた猫にエサを与えることが始まり。

猫の繁殖力がねずみ算式であることや
不妊手術の必要性について理解不足で、
あっという間に多頭になり、じつは本人も困惑。

しかしそのような高齢者は大抵経済的に楽ではなく、
不妊手術の費用を捻出することが難しい。

最初の1,2匹のうちに手術しておけば良いのですが、
数が多くなりすぎると到底無理なので放置。

また最初の親猫だけは手術したものの
子猫を放置していた結果また産まれて負の連鎖に陥る。

高齢でなくてもひとり暮らしの孤独な男性または女性も
多頭飼育崩壊に陥る場合があります。

何らかの疾患や生活苦から近隣での人付き合いがなく、
孤立を深めている人が陥りやすいようです。

やがて猫たちの世話が行き届かず、異常な悪臭や発情の鳴き声、
ゴミ屋敷化していく様子などで近所の人が多頭飼育に気付く。

でも付き合いがないので関わりを持たない。
保健所や役所に苦情が届く時は状況がかなり悪化している。

最終的に本人が病気で入院したり施設に入ったり、
あるいは死亡したりして崩壊が公になるのです。

こうして見てくると多頭飼育崩壊は
猫の問題ではなく人の問題であることがわかります。

ひとり暮らしで孤立している経済的困窮者は、
多頭崩壊に陥る危険性が高いのです。

実際上記ニュースの事例からも
崩壊するのは孤立している人たちであることがわかりますね。

猫の多頭飼育崩壊現場

 

では崩壊に陥らないのはどんな人でしょうか。

恐らくその筆頭は、
やむを得ず多頭飼育になっているボランティア。

彼らは猫愛を動機として活動しており、
猫たちをきちんと把握し、丁寧に世話をして、
できれば譲渡するという目的意識を持っています。

何より彼らはボランティア仲間とつながりを持ち、
協力しあっているので、孤立してはいないのです。

孤立は多頭崩壊の大きな要因。

そして、猫のブリーダーも多頭飼育していますが、
猫愛を忘れず計画的な管理運営をしているなら大丈夫。

上記ニュースのブリーダーのように
ひとりで無計画なやり方をしていると崩壊の危険性が生じます。

ボランティアにしろブリーダーにしろ
孤立は多頭崩壊の大きな要因なのです。

このように考えてくると
崩壊しない人とはどんな人なのかわかります。

家族や仲間と協力しあって多頭の猫を飼っている人が
崩壊したとは聞いたことがありません。

実例として

ある里親さんは家族3人で14匹の猫を飼っていました。
一般家庭で飼う頭数を超えているのでちょっと心配でした。

でもその家の脱走対策や1匹ずつの健康管理ファイル等を見て
しっかり飼育されているとわかり、
ここで崩壊は起こり得ないと安堵しました。

また個人的にボランティア同様のことを行なっている人もいます。
その人も家族の協力を得て10匹以上の猫を飼っていて
しっかりと猫たちを世話していました。

これらの人たちも崩壊に陥ることはないでしょう。
万が一崩壊しそうになった時には猫たちのことを優先して
対処することをきちんと考え決めているからです。

スポンサーリンク

 

猫の多頭飼育、崩壊しないための方策

ここまでで、猫を多頭飼育していて
崩壊に陥る人と崩壊しない人の違いがわかりました。

それによって、
崩壊しないためにはどうすれば良いのかも見えてきました。

多頭崩壊を防ぐ最大の要因は2つ。

・最初の1,2匹から不妊手術を施すこと。
・飼い主が孤立しないこと。

猫を多頭飼育している人は、
全頭の不妊手術を行なうことが重要です。

難しい場合は近隣のボランティアに相談しましょう。
ボランティアの協力があれば孤立して崩壊に陥ることは防げます。

また、もし身近な人が猫を多頭飼育しているとわかった場合、
助けの手を差し伸べることをお勧めします。

でも猫を適正に飼育できるよう提案しても
本人に任せていては事態が進展しないかもしれません。

親族や近所の人たちが手を組んで本人と交渉し、
実際的な手助けを申し出てみましょう。

場合によっては行政やボランティア団体の協力も
必要になるかもしれません。

そのような場合
地域の人々の見守りが大きな助けになります。

多くの人が連携することで多頭崩壊を防ぎ、
猫と人の両方を助けることができれば
地域全体が平和で温かな生活環境になると思います。

 

タイトルとURLをコピーしました