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猫は車が好きらしいと思わせる光景はよくありますが、
ボンネットに侵入するのはとても困ります。
いくつかの経験から対策の必要性を知り、
具体策を考えてみましょう。
猫は車が好きなのか?と思わせる理由
あなたの愛猫は車に乗せるとどんな反応ですか?
多くの場面が動物病院へ行くときでしょうか。
キャリーに入れられているうえに病院行きですから
多くの猫は「イヤだ~!」と鳴くかもしれませんね。
たまにドライブ好きな猫もいます。
昔飼っていた猫はドライブが好きで、
フロントやリア部分で体を伸ばし外を眺めていたものです。
でもこれ実は危険ですのでおすすめできません。
高齢でおとなしい猫だったので許容できたこと。
若くて元気な猫なら飛び出してしまうかもしれません。
それとは違った意味で車が好きな猫は多いです。
その多くが野良猫ですが、
駐車場に停めてある車に猫が近づくのを見たことがあるでしょうか。
タイヤやバンパーにすり寄っていきます。
何かな?と思って見ていると
タイヤにスリスリしたあと、お尻を向けてスプレー!!!
「こら~ッ!」と走り寄ると大急ぎで逃げて行く。
こんな経験のある人いらっしゃいますよね。
なぜか猫は車のタイヤ・バンパーが好きなのか、
ここも縄張りとばかりにマーキングしたくなるようです。
猫好きでもその鼻に付く臭いには閉口します。
猫嫌いの人にとっては野良猫被害そのもの。
また、猫は車の上でくつろぎたいのか
ボンネットの上や屋根の上に足跡が付いていることもあります。
爪の傷跡が付いていたりしたら最悪、
野良猫対策をしてくれと役所に苦情申し立て、
場合によっては放し飼いにしているお宅に
損害賠償を請求する人もいるそうです。
そこまでではなくとも
猫は車に近づいてほしくないものです。
ボランティアにとってとても困る問題は、
ボンネットの中、エンジンルームの中に入られること。
それは猫と車の両方にとって大きな被害と
なりかねないからです。
ボランティアも困った猫のエンジンルーム侵入
猫はどうしてエンジンルームに入ってしまうのでしょうか?
そもそも猫は暗くて狭い場所が好きです。
エンジンルームは隠れるのに最適な狭さと暗さで、
誰にも邪魔されない場所。
雨風が当たらず、冬は寒さをしのぐことができ、
夏は暑い日差しを避けることができます。
猫にとっては最高の場所なのです。
そんなところで寝ていたらエンジンをかけた時にどうなるか、
なんてことは考えません。
とっても困ったボランティアの経験をいくつかご紹介します。
↓
◆駐車場に停めた車のエンジンルームに入り込んだ子猫
スーパーに買い物に来た女性が車に戻ってみると、
どこからか子猫の鳴き声が。
かすかに聞こえる程度の小さな声でも
女性は猫のボランティアなので聞き分けることができた。
ボンネットを開けてみると、小さな子猫が震えている。
どうしてこんなところに・・?
わずか1ヶ月ほどの子猫がひとりで来るとは思えない場所。
誰かが駐車場に捨てたのかもしれない。
女性は迷わず保護して自宅に連れ帰りました。
十分に世話をして必要な医療をかけ、里親に出したそうです。
◆譲渡会で車のエンジンルームに逃げ込んだ猫
猫の譲渡会の時、抱っこしたいというお客様には
ワンボックス車の中で抱っこしてもらいました。
ところが猫は怖がってお客様の手をすり抜け、
運転席の下の方へ・・
ダッシュボード・インパネの下へ潜り込んでしまいました。
手を伸ばして捕まえようとするとますます奥へ行き、
とうとうエンジンルームの隙間に入り込んだもよう。
どうしても手が届かなくて捕まえられない。
車を移動させたくてもエンジンをかけるのは危険。
仕方がないので、車は一晩そこに置いておくことに。
その際おいしいエサを入れた捕獲器を車内に設置。
そして翌朝、猫は捕獲器に入っていました。
◆寒さしのぎにエンジンルームに入った野良猫の悲劇
冬の寒さは外猫には辛いものです。
夜帰宅したばかりの車はエンジンが暖かい。
1匹の野良猫が暖を取りたくてエンジンルームに入り
夜を過ごしました。
翌朝、早い出勤のご主人はエンジンをかけ出発。
しかし、異常な音が聞こえます。
え?と思い車を停止。
同時に猫が飛び出して逃げていくのを目撃。
逃げ出したものの猫は重症を負ったようです。
翌日遺体で発見されました。
それを知ったご家族は悲嘆にくれました。
ご家族も猫を飼っているので
野良猫といえども命を奪ってしまった負い目を感じたのです。
ご主人が出発前にボンネットバンバンしてくれていれば・・
でもこれは不可抗力かも・・・
ご家族は悩んだそうです。
実際にこのような経験をする人はそれほど多くないかもしれません。
でも経験した人には忘れられない嫌な思い出です。
猫がエンジンルームに入らないようにするには
どんな対策を講じれば良いでしょうか?
猫を車に寄せ付けない対策をとる
猫がエンジンルームに入らないようにするには
猫を車に近づけないことです。
方法としては↓
●猫の嫌がる臭いで寄せ付けない
忌避剤として販売されているものがありますし、
猫の嫌いな柑橘類の皮や香辛料を駐車場周辺にまき散らす。
酸っぱい匂いの木酢液や竹酢液も良いそうです。
でもこれは雨で流されると効果がなくなりますし、
猫によってさほど嫌わない場合もあります。
●トゲトゲシートを敷く
トゲトゲシートで猫の通り道を塞ぐわけですが、
結構な範囲になりますし、またいで行く猫もいるので、
効果は限定的かもしれません。
●音で猫を驚かし逃げ出させる
猫は大きな音が嫌いなので、
車のドアの開閉音やクラクションで驚かすのです。
また「ボンネットバンバン」という言葉がありますが、
ボンネットをバンバン叩いて驚かします。
でもこれらは臆病な猫だと逆に怯えて動かなくなる
可能性もあります。
すでにエンジンルーム内にいたら、
怯えて固まってしまうかもしれません。
上記のいくつかを試してみる価値はありますが、
なかなか完璧な対策法とは言い難いかも。
最後はやはり
●時間をとってチェックすること
エンジンを始動する前に数分の時間をかけて、
車の下、タイヤの隙間、ボンネット内などをチェック。
ボンネットを叩くだけでなく、開けて中を目視するのです。
もし猫を発見したら霧吹き等で水をかければ逃げ出します。
それらが面倒だと感じるなら最後の手段は
●猫が侵入する隙間を塞ぐこと
車をボディーカバーで上下ともすっぽり覆う。
またはシャッター付きの車庫にする。
かなり手間がかかりますが、
これなら猫は侵入しにくいでしょう。
今回は猫のエンジンルーム侵入対策でした。
悲惨な事故に至らないように、
どんな対策が最善か、それぞれの事情に応じて
やってみたいと思います。