この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
子猫を見つけたらどうしますか?
多くの人は哀れな子猫を見過ごせません。
子猫は保護したくなるものです。
でも拾った後どのように扱えば良いのかと困惑し、
試行錯誤する人が多いようです。
このページでは
子猫を拾ったら真っ先に行なうべきことをはじめ
子猫の扱い方についてお伝えします。
子猫を拾ったら第一に行なうべきことは保温
子猫を拾ったらまずは病院に、と考える人は多いようです。
でも第一にすべきは病院ではなく“保温”なのです。
猫の体温は平熱で38~39度、
子猫は母猫にくっついていればこの体温を維持できますが、
母猫と離れたら体温維持はできません。
寒空の下に一晩放っておかれたら低体温で死んでしまいます。
子猫が捨てられている場合
1匹にしろ複数にしろ大抵は子猫だけ。
冬場はもちろんそれ以外の季節も
夜の冷え込みは子猫にとって命取り。
ましてや離乳前の子猫なら生き延びるのは不可能。
人知れず小さな命は消えてしまいます。
運良く人に見つけられて拾われた子猫は助かります。
でも扱いを間違うとやはり命の危険が・・
もしあなたが子猫を拾ったなら
まずは子猫の保温を第一に行なってください。
ダンボール箱等に温かい毛布を敷いて子猫を囲ってあげましょう。
そしてホッカイロや湯たんぽを入れて温めます。
なにしろ人間より2度以上高い猫の体温、
人が懐に入れて温めようとしても足りないのです。
床暖やホットカーペット、またはコタツを利用するのも有効。
暖かさに包まれた子猫は安心して眠りにつくかもしれません。
しかし
拾った子猫は大抵お腹をすかせています。
拾った子猫に必要なのはミルクか離乳食かドライフードか
お腹をすかせた子猫、次に必要なのは食べ物。
離乳前の子猫ならミルクを飲ませなければなりません。
もちろん人間の牛乳は厳禁、子猫用ミルクです。
猫は人用の牛乳を消化することができないので。
3週齢くらいなら離乳食、
それ以上なら子猫用ウェットかドライフード。
判断に迷う場合は離乳食を与えてみます。
勢いよく食べて物足りなさそうなら次に子猫用ドライフードです。
急にたくさん食べるとお腹をこわすので
様子を見ながら量を調整します。
もし長い間食べていなかったのに
急に食べたいだけ食べさせるとそれも命の危険につながります。
人間の場合と同じです。
まだミルクの必要な子猫だと
うまく飲ませられるかどうか難しい場合があります。
母乳ではないものを拒否する子猫や
哺乳瓶の乳首からうまく飲めない子猫がいたり。
また、哺乳瓶の乳首の穴が小さすぎて
吸っても出てこないこともあります。
子猫は飲みたいのにミルクが出てこないのでむずかって鳴く。
保護主は飲んでくれないと思って困惑、という状況がしばしば。
そんな時は乳首の穴をほんの少し大きくすると
スムーズにミルクが出てくるので子猫はグビグビ飲むようになります。
それでもこの場合も
母乳ではないミルクを飲むと下痢する子猫がいるのでやはり要注意。
子猫の下痢は命取りになる場合もあるのです。
様子を見ながら数時間おきに飲ませなければなりません。
しかもその前後に排泄させる必要があるのです。
子猫を拾ったら排泄の世話が不可欠
離乳前の子猫の排泄は母猫がなめて処理していました。
今度は人が母猫の代わりに排泄の世話をしなければなりません。
手のひらに子猫を仰向けにのせ、
陰部をティッシュでそっと叩きます。
またはぬるま湯を浸したティッシュで優しくなでる。
するとジワーッとおしっこが出てきて子猫は気持ちよさそうな表情。
こうしておしっこやうんちを出してあげないと
自力で出せない子猫はやがてパンパンに溜まって死んでしまいます。
こういうことを知らなかったために
せっかく助けた子猫を死なせてしまったという人がいましたが、
残念すぎて後悔することしきりでした。
このようにミルク子猫は世話がやけるうえに
心配事が多くいつも気を張って世話する必要があります。
離乳食以降の子猫もすぐに下痢したり体調を崩しやすいので
やはり慎重に丁寧に世話しなければなりません。
でもやがて
危なげだった子猫も2ヶ月齢くらいになると状態が安定してきます。
体重も徐々に増え700~800グラムほどになるでしょう。
ここまでになったら次は動物病院です。
拾った子猫を病院にかける必要性
子猫には2回のワクチンと駆虫、そしてウィルス検査が必要です。
しかしこれらを一気に行なうことはできません。
母猫と離れた子猫にはまだ体力・抵抗力がないので、
せめて体重が700~800グラムになって少し体力がつくまで待ちます。
ワクチンや駆虫薬、
どんなに良い薬でも子猫の体には異物ですから、
毒のように作用することが起きるのです。
こんな事例がありました。
ある人が拾ったばかりの子猫をすぐ病院に連れていったところ、
獣医師は寄生虫がいるからと駆虫薬を飲ませたそうです。
帰宅後子猫は体調が急変し死んでしまいました。
子猫を拾った保護主は大きなショックを受け泣き暮らしました。
拾った子猫を助けるために病院へ行ったのですが、
真逆の結果になるとは思ってもいなかったでしょう。
獣医師にはもう少し慎重な対応をしてほしいと思った事例です。
とはいえ
子猫を拾ってすぐに病院にかけるのは危険だからと
病院を避けるわけではありません。
万一感染症パルボの疑いがあれば検査しなければなりませんし、
ひどい猫風邪や下痢などの場合は放っておけませんので、
それに応じた治療を受けさせます。
ワクチンは1回目接種から約1ヶ月後に2回目を接種。
その間に便検査して駆虫薬をつけます。
外猫には大抵寄生虫がいて、
母猫に寄生虫がいるなら子猫にも寄生虫は入るのです。
そして
子猫の里親探しをするにはウィルス検査は不可欠。
エイズ・白血病の陰陽を確認しなければなりません。
ここまで済んだら里親探しの段階になります。
子猫の里親探しについては次ページをご覧ください。