猫にはどんな病気が多いかご存知ですか?
いつまでも元気な愛らしい姿でいてほしいと飼い主は思いますが、猫も生身の身体ですから人間と同じくさまざまな病気にかかります。
愛猫の初期症状に気付かなかったり、突然のように発症したりすると、飼い主は動揺してしまうかもしれません。
でもさまざまな病気の原因や症状、治療法や予防法についていくらかの予備知識を持っていれば早期発見につながり、落ち着いて対応できるでしょう。
猫の病気の中でもとくに多く見られるのは次のような病気です。
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■腎不全、高齢猫の多くがかかる死亡率の高い病気。
若くても腎不全になったら助からない、猫の宿命病とも言える病気です。
慢性腎臓病とも言われる腎不全は発病初期には気付きにくく、診断されたときには既に相当進行しています。
一度壊れた腎臓は元に戻せないので完治することはなく、少しでも進行を遅らせ余命を伸ばすという治療しかありません。
いつまでもつのだろうと不安を抱えながら、補液と検査のため病院に通い続けるのが悲しくなります。
もっと早くに気付けばよかったと後悔するかもしれません。
腎不全は食事療法が重要なのですが、食欲の落ちた猫に療法食を食べさせるのは難しく、飼い主にとっても猫にとっても非常に辛い病気。
かかってしまう前に予防できるならそれが最善。
猫は元々腎臓病になりやすい体質なので、
若いうちから食べ物に十分気を付けることが大切です。
■結石は、尿路結石と膀胱結石どちらも起こりえます。
結石は尿管と膀胱のどちらにもできる可能性がありますが、
よくあるのはオスの尿路結石。最悪の場合命にかかわる病気です。
突然発症するわけではなく徐々に進行して、ある日の頻尿や血尿で飼い主が気付く場合がほとんど。病院治療しても再発しやすく、何度も通院することになる猫もいて食事管理が重要です。
人間の食べ物は一切与えない、これを厳守しなければなりません。
そして猫用の総合栄養食で、
ミネラル成分含有量が低めのものを選びます。
また、きれいな水をいつでも十分飲めるようにすること、
トイレはいつもきれいにしておくことなど、
猫がストレスのない生活を送れるようにしてあげることが大切。
そして、石ができる原因や症状を知っておくことで
普段から予防を心がけることが可能です。
尿路結石で死にかけたオスの事例をご紹介しますので
参考としてご覧ください。
■口内炎は食に直結する問題。
猫の口内炎はなかなか治らないと悩む飼い主は多いです。
辛い症状を軽減してあげたいと思いますが、難治性口内炎と診断されたら完治は望めません。
よだれが多くて口の周りが汚くなり口臭もひどい。
エサを食べたいのに食べにくそうにして、徐々に食欲が落ち元気がなくなっていく。
見ているのも辛くなりますが、対処できないわけではありません。
難しくても大きな改善につながる治療法もあります。
実例を見ていただいたうえで、愛猫のための対応策をご検討いただければと思います。
■鼻気管炎、ありふれているけど面倒な病気。
猫の鼻気管炎はよくある病気です。
“猫の鼻かぜ”とも言われ、冬にかかることが多い病気。
外にいる猫たちはほとんど、とくに子猫はかかっています。
症状は、くしゃみ・せき・鼻水だけでなく、目やに・結膜炎・
よだれもよく見られる症状。
保護したての野良の子はほとんどが感染しており、
最初にしっかり治療しないと慢性化してしまうことがあります。
大人になっても結膜炎が治らなかったり、
寒くなるたびに症状が出たり、なかなかしつこい病気です。
重症になると目の異常が強く出て、視力を失ったり最悪眼球を失う
猫もいますので、たかが鼻かぜと甘く見ることはできません。
感染症なので室内飼いの猫であっても油断できないのです。
年一回のワクチン接種は予防策として不可欠。
忘れずにワクチンを打って愛猫を守りましょう。
■皮膚病は意外と厄介な病気かも。
皮膚病は命にかかわる病気ではないと軽視しがち。
でもなかなか治りにくくしつこい病気です。
うつりやすいので複数飼いの家では知らぬ間に蔓延してしまうことがありますし、飼い主にうつる皮膚病もあるのです。
原因として多いのは虫や菌。
ノミやダニなどに刺された所を掻きむしって、
傷ついた所や毛穴から細菌や真菌が入るという例が一般的。
最近は繊細で神経質な猫が増えているようで、
引越しなど環境の変化や飼い主の行動がストレスとなって
皮膚病を発症する猫もいます。
また、繊細すぎるアレルギー体質の猫も増えています。
人間の世界で起きていることが猫の世界でも見られるのです。
皮膚病は辛抱強く治療すれば治る病気ではありますが、
思ったより面倒で厄介な病気です。
油断して感染が広まってしまった実例もご紹介しますので、
対策にお役立てください。
以上猫に多く見られる病気をいくつかご紹介しましたが、
このほかにも猫の病気はいろいろとあります。
人も猫も、自らなりたくて病気になるわけではありません。
いつまでも元気でいてほしいと思いますので、
日常生活の中で予防できる部分があるならぜひ行ないたいもの。
猫も家族の一員ですから、常日頃の健康管理は大切です。
健康の基本である食事・排泄・運動を意識して
愛猫を見守っていきましょう。