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猫を標的にした動物虐待事件が増えています。
それはなぜか、どんな人が非道な行いに走るのか、
最近の事例を見ながら考察します。
そして動物虐待という犯罪を見過ごすのではなく、
小さな命を守る意識と行動について考えましょう。
動物虐待事件が増えているのはなぜ?
動物虐待のニュースが増えているようです。
ＮＨＫテレビではほとんど流されませんが、
Yahooニュース等を見ると結構頻繁に掲載されています。
そして虐待の被害を受ける動物はそのほとんどが猫。
野良猫であることが多いです。
動物愛護法が改正され、罰則が強化されたにも関わらず
猫虐待が増えているのはなぜでしょうか？
動物愛護が広く訴えられた効果として、
人々の意識が高まり、動物虐待に敏感になったので
昔より目に付くようになったから？
いえ、そうとばかりは言えません。
実際に猫虐待は増えているのだと思います。
野良猫は私達の身近に多く存在しているので、
最も見つけやすい標的。
言葉を話さず訴えたり苦情を述べたりしない。
食べ物で騙すことができる。
人を疑うことを知らない。
猫は標的にしやすいのです。
しかし動物虐待は犯罪だということを
広く知らしめなければなりません。
たかが野良猫であっても猫の虐待は犯罪なのです。
では、猫虐待するのはどんな人間かというと、
格別異常な人物なのではありません。
まれに動物虐待愛好家という異常者がいるのは事実ですが、
大半は表向き普通の人間で「そんな人には見えない」のです。
普通の人が動物虐待という犯罪者になってしまうのは
動物愛護法の認知度の低さだけでなく、
現代社会の暗闇が関係しているのかもしれません。
人々の心は常にストレスを抱えている。
心が冷えて自然の情愛が希薄になっている。
他者を思いやる余裕がない。
コロナ禍もそれらに拍車をかけた。
憂さ晴らしに小さくて無力な猫を虐待して優越感に浸り
ときには快楽を感じると言います。
猫虐待は犯罪という認識がないだけでなく
猫の命を“命”とは思わない思考心理。
猫を殺すのは害虫を踏み潰すのと同じく悪いことではないと思う。
遊び半分のゲーム感覚と思える例もあるとか。
暗く冷たい世の中になってしまったようで空恐ろしく感じます。
猫虐待事件、最近の事例いくつか
昔から猫虐待はあったかもしれませんが、
最近の残虐な事件とは比較にならないかもしれません。
最近の猫虐待事件の幾つかはこのようなものです。
↓
・兵庫県姫路市の畑で、切断された猫の頭部が見つかった。
胴体は見つからず、鋭利な刃物で切断したもよう。
・神戸市北区の墓地の敷地内で顔の一部がつぶれた４匹の猫
の死骸が見つかった。通路上に等間隔に並べられていた。
・東京・武蔵村山市内の住宅街周辺で地域猫の不審死が相次いだ。
獣医師によると毒物を飲まされた可能性ありとのこと。
行方不明になった猫も含め、数ヶ月にわたる虐待で地域猫が激減。
・札幌市東区の住宅敷地内で切断された猫の頭部が発見された。
近くに小学校があるので住民の不安は大きい。
・釧路市の住宅敷地内では、内臓が見えるほど腹部が切られ、
尻尾も切られた猫の死骸が発見された。
また別の住宅敷地内では頭部と尻尾のない猫の死骸が、
また別の日には切断された脚が歩道に置かれていた。
このようにいたるところで猫虐待事件は起きているのですが、
発見されない猫虐待もあることを考えると
実際は相当数に上ると思われます。
動物愛護の機運が高まっている世の中で
動物虐待が減るどころか増えているのは問題です。
動物虐待は発覚しにくく、処罰されないことが多い
前述のようなニュースとして取り上げられたということは
警察に摘発されたので虐待事件として報道されたということ。
その件数は最近10年で６倍近くなっています。
↓
2012年 29件
2019年からは100件超え
2021年 170件
2022年 166件
でもこれは摘発された件数ですから氷山の一角。
密かになされる猫虐待は発覚しにくく
実態は計り知れない件数かもしれません。
そして、非常にもどかしく感じるのは
警察が虐待事件を捜査して犯人を特定できたとしても
処罰されないことが多いということ。
新しい動愛法では
「愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、5年以下の懲役
又は500万円以下の罰金。また、愛護動物を虐待又は遺棄した者は、
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科せらることになっています。
しかし
実際に摘発されて相応の処罰を下されたのはどれ位でしょうか？
たとえば有名な元税理士の猫虐待事件、
猫に熱湯をかけたりガスバーナーで炙ったりして13匹を死傷させ、
その動画をネット上に公開していた。
2017年に動愛法違反により懲役１年１０カ月執行猶予４年の
判決を受けました。
つまり執行猶予期間４年を無事に過ごせば懲役の必要はない、
という軽いもの。
残虐な動画で精神を病んでしまった人もいたという
社会に衝撃を与えた事件のわりには軽すぎます。
摘発されたほかの虐待事件でも、その多くは軽い処罰。
対象が人間でなければ重大事件とはならないようです。
動物の命はそれほど軽視しても良いものなのでしょうか？
動物虐待を見過ごさず、通報し行動する意識を
動物虐待とくに猫虐待が減らない理由のひとつに
警察に対する人々の不信感もあるようです。
警察は本気で動いてはくれない。
とくに猫のことなんか、まして野良猫のことなんか
警察に話しても無駄だと思っている人が多いのです。
仮に訴えを真剣に聞いてくれて、
捜査したとしても犯人を見つけるのは至難の業。
そもそも野良猫の行動と特性がわかりずらいので、
誰がどうやったのかを特定することは困難。
それらの事情も人々が猫虐待を見過ごしてしまう一因に
なっているのかもしれません。
しかし
動物虐待・殺傷は、殺人や傷害事件など人への犯行の
前兆であることがこれまで度々見られました。
身近な地域で猫虐待・殺傷があったなら
人々の安全にも関わりますので無関心ではいられません。
無力で小さな命に対する非道な行い、
残虐な行為を許してはいけないのです。
もし動物虐待を見かけたなら、また遺棄を見かけたなら、
見過ごさずに警察や役所に通報しましょう。
小さな命を助けるために、恐れずに行動しましょう。
その際スマホで写真を撮っておくと訴えはより効果的です。
動物虐待を許さないという意識の人がひとりでも多くなり、
冷たさではなく温かみを感じる世の中であってほしいと思います。
